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育成型の名監督(フィリップ・トルシエ)

2009-05-14 18:55:40 | ワールドサッカー
先日、ボラ・ミルティノビッチのことを用兵型の監督と言いましたが、育成型の名監督といえば、海外の例は調べにくいので、元日本代表監督のフィリップ・トルシエを例に挙げます。

もともと、トルシエ監督が就任した1998年は、日本代表はW杯で3戦全敗を喫し、地元開催の2002年に向けた若手の育成は緊急の課題でした。そのため、日本協会はトルシエ監督に対し、2000年シドニー五輪に挑むU-23代表監督との兼任を監督就任の際の条件にしました。

自ら育てたU-23代表の選手を中心選手にしてW杯を戦って欲しいという日本協会の考えでしたが、トルシエは契約には入っていなかった1999年のワールドユースのナイジェリア大会を指揮することを引き受けます。

このときのユース代表は、結果的にシドニー五輪のU-23代表に多くの選手を送り込み、若いうちからトルシエ監督の考え方を吸収できたことは大いに日本代表の強化にプラスになりました。結果も準優勝と予想以上で、右肩上がりの日本代表が見られると期待した記憶があります。

また、トルシエ監督が持ち込んだフラット3という、最終ラインを横に3人並べる3バックも、当時は斬新な戦術でした。岡田監督がフランスW杯で採用した3バックは、ほとんど5バックと言っていいもので、4バックでは守り切れないから慎重にリベロを置くという格下の戦い方でした。

それを見ていた私が、ワールドユースで最終ラインを強気にコンパクトに保ち、相手をオフサイドに掛けるフラット3を見た印象は強烈でした。3バックでもやり方次第で攻撃的にも戦えるということを、トルシエ監督が教えてくれたようです。

トルシエ監督は、日本代表監督になる前に、アフリカ選手権で国際的には無名のブルキナファソ代表を率いて、4強に導いた実績があります。ただ、トルシエ監督は基本的に組織を維持することを重視する監督なので、個人技を好むナイジェリアあたりでは人気がなかったようです。

日本代表監督としては、W杯のノルマとされていたベスト16をクリアしたのですから、成功と言っていいとは思います。ただ、ベスト16のトルコ戦で今一つ低調な戦いをしてしまったことが惜しまれます。韓国のヒディンク監督がこれ以上はないという結果を残したので、もう少し何とかならなかったかという思いは今でもあります。
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