川崎F戦マニアック分析

昨日の試合、川崎Fが前から取りに来なかったことが驚きでした。今季、川崎Fが浦和相手にうまく行っているときは前から取りに来て、浦和の最終ラインにミスが出たところをショートカウンターというのがいつもの手でした。0-0の引き分けを最初から狙うのは変な話ですが、取りに来ないのは理由があったようです。

それは、川崎Fの前線に負傷者が出ていて、大久保も中村憲剛も負傷を押して強行出場していたという情報です。確かに、大久保は試合を通してほとんど目立たず、中村憲剛もいつもなら一発で流れを変えられるキラーパスを送れるはずが、昨日は精度の低さが目に付きました。

また、川崎Fで要注意選手に挙げた、ドリブラーの森谷はベンチスタートでした。彼のような後方から出て行くドリブラーは浦和にとっては要注意の存在で、どこで入れてくるかは試合の流れを左右するポイントでしたが、後半の頭でした。

中村憲剛との交代は、ゲームメーカーが消える意味で浦和にとっては楽になった交代ですが、前半機能していなかった左MFの小林をFWに上げて2トップにして、サイドハーフをレナトと森谷にする意味がありました。中村憲剛が腰痛を抱えていた情報もあります。

また、川崎Fの最終ラインはジェシがスピードに不安がある理由であまり高い位置には引かれず、伊藤宏樹が前から当たってジェシが後ろをカバーする隊形でした。オフサイドを取りに来ないということは、興梠のスピードが生きるチャンスはあるのではと思っていましたが、決勝点の興梠のゴールはスピードよりニアサイドに飛び込んだ勇気が生んだ得点でした。

ボール支配率が浦和が6割以上と圧倒したので、完勝かと思えますが、実際は引き分けでも突破できる条件を川崎Fはうまく使って、浦和の焦りを誘う手に切り替えました。ベンチに阪野を入れていなくて大丈夫かと心配になりましたが、ミシャは2トップなどの変形はあまり行わず、同じ布陣で選手を入れ替える采配をします。その哲学に照らせば、阪野を入れるとすれば興梠に代えるしかなく、そのためにベンチ入り枠を使うのはどうかと思ったのかもしれません。

結果的には関口が値千金の仕事をしてくれたので、ミシャ采配は正解でした。ドリブラーなのでアウトサイドはどうかと、少し適性を疑っていましたが、これを見れば関口はトップ下で使うべきとは言わせない、見事な結果です。