Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

W杯アジア最終予選総括2(豪州代表)

2013-06-24 21:42:35 | ワールドサッカー
最終予選総括は、オーストラリア(以下豪州)代表です。前回の予選は楽に通過した豪州ですが、今回はかなり苦しみました。一見楽な組に見えた今回の最終予選ですが、格下と予想していたオマーンとヨルダンの予想外の頑張りが本命豪州を苦しめました。

豪州にとっては初戦のオマーンのアウェイ戦のスコアレスドローが痛かったと思います。3次予選では勝っている相手なので、たぶん豪州は勝ちを計算していたと思いますが、この引き分けと日本戦の引き分けで勝ち点2と出遅れたのが豪州を苦しくしました。

豪州は続くヨルダンとのアウェイ戦も1-2で落とし、予選通過に暗雲が漂います。そんな豪州の救世主は34歳のベテランストライカー、アーチー・トンプソンでした。1試合の国際Aマッチ最多得点記録(13点)を持つ彼はヨルダン戦で意地の1点を返すと、イラクとのアウェイ戦で84分に決勝点を入れます。

4戦目でようやく初勝利を挙げた豪州ですが、必勝の一戦だったホームのオマーン戦を引き分けたのも痛かったです。もっとも、この試合は相手に2点を先行された厳しい展開を追い付いた引き分けです。負けていたら突破は厳しかったと思いますが、引き分けたことで望みはつながりました。

豪州にとってのターニングポイントはアウェイの日本戦の引き分けでした。日本以外のチームが団子状態だったB組では勝ち点1は大きく、この結果ホームの残り2戦で連勝すれば自力で通過できることになりました。ヨルダン、イラクを下した豪州は3大会連続のW杯出場を決めました。

ロングボールを放り込むパワーサッカーのイメージがあった豪州ですが、埼玉スタジアムで生で見た姿は違っていました。サイドのMFのスピードを生かしたカウンターサッカーが豪州の真の姿で、取ってから速く逆サイドに振って走らせるサッカーで、オアーの個人技から日本相手に先制点を取るなどオジェック得意の形を見せました。

予選で苦しんでも、本大会で結果を出すチームはありますが、豪州が結果を出すには前の方に戦力が必要だと思います。予選はベテランのトンプソン、ケーヒルの力で突破できましたが、本大会は若い力の台頭が必要だと思います。
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高い位置から取りに行く(6/23C大阪対浦和)

2013-06-24 18:39:01 | 浦和レッズ
コンフェデ杯に気を取られていたので、浦和のナビスコ杯のプレビュー記事を書き忘れてしまいました。まだ、ナビスコ杯敗退チームのリーグ戦が始まっていないので、毎週恒例のJリーグタイムがなく、浦和が試合をやっている実感は映像を見るまでありませんでした。

その映像は刺激的でした。浦和の選手たちは北海道合宿の成果を強調していましたが、それがここまで試合で表現されるとは驚きです。浦和はチーム得点王の原口が練習中の途中交代に激昂するトラブルがあり、遠征メンバーから外されることになりましたが、代わりに出場したマルシオの方がいいのではと思うほど、いいサッカーができました。

その良さは高い位置から取りに行く動きと、クロスに対し中央に何人もが入って行く動きです。この日の浦和はC大阪がボールを奪って攻めようとするタイミングで力を発揮しました。そのサッカーの先兵は森脇と槙野でした。

以前、クラブW杯でバルセロナのサッカーを見たときの感動に似ています。もちろん、まだバルセロナほどの完成度ではなく、森脇が処理を誤ってカウンターを食らう、やってはいけないミスもあります。それでも、セカンドボールを粘り強く拾い、攻撃の時間を長くする積極サッカーは見ていて楽しいです。

また、クロスへの反応も解説の森島寛晃氏が評価していました。平川や梅崎がボールを持ったときに、柏木とマルシオが信じて上がっている、出し手と受け手の両方になれる動きはたとえこの試合ではその形で点にならなくても、いつか役に立つときは来ると確信しています。

また、興梠に調子が出てきたのも明るい材料です。1点目の自身のポストプレーから反転してマルシオのスルーパスを受けた反応は良く、スピードも強さも両方兼ね備えれば得点を量産する可能性も出ます。

この結果、浦和はホームの第2戦を優位に戦える2点リードを得ました。映像なのでまだ実感は湧きませんが、埼玉スタジアムで実際に選手が動いているところを見れば、本当に面白いサッカーに挑戦している感動を味わえると思います。
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W杯アジア最終予選総括1(日本代表)

2013-06-23 17:55:18 | ワールドサッカー
韓国対イラン戦は、この週末では見られなかったので、時間を見つけて見るつもりですがしばらくお待ちいただきます。今回は最終予選も終了したので、B組のいろんなチームから見た最終予選の総括を書きます。今回はNHK-BSで他カードをあまり放送していなかったので、埼スタに来たときの印象が強くなりますが、まずは日本代表から書きます。

今回の最終予選は、サウジアラビア、共和国、バーレーン、UAEといったあたりが3次予選で消え、国際舞台では実績のないオマーンやヨルダンが勝ち上がりました。正直、対戦相手としては比較的楽だなという印象もありました。

日本代表が勝ち上がれた最大の要因は、最初の2戦で注文通り勝ち点6を取れたことです。他の予選を通過した強豪の終盤戦の戦いぶりを見ていると、ホームゲームで確実に勝ち点3を取ることは大抵できています。日本は最終予選の当たる順番を見れば、初戦のオマーン戦、2戦目のヨルダン戦は連勝が要求されるのは明らかでした。

その2試合を、3-0、6-0とこれ以上はない戦いぶりで圧倒できたあたりは、日本サッカーが現時点ではアジアレベルなら抜けた力はあることを示しました。ただ、マスコミは本田圭佑不在の試合で弱いことが気になるという論調です。事実、3次予選で本田を欠いた共和国戦、ウズベキスタン戦を連敗した事実を見ればそう言いたくなるのはわかります。

それでも、日本代表はホームの3勝1分けは実力通りとしても、アウェイの2勝1敗1分けは評価できると思います。埼スタでは圧倒したオマーンやヨルダンが、ホームでは強かったことは驚きでした。しかし、そんな相手にも粘り強く戦い、オマーンやイラクから中東の地で勝ち点3を取れた事実を見れば、日本代表の実力を認めたいと思います。

課題を挙げるなら、豪州に勝てなかったことです。アウェイで引き分けたのは不可解なPKを取られたことも理由ですが、ホームで相手のカウンター狙いをいなし切れず、ミスキック気味だったオアーのクロスで失点したことは反省材料です。引き分けでも通過できることでチームに気の緩みが生じた可能性もあります。

それでも、主力選手が欧州でプレーする豪州のようなチームが埼スタに、本気で勝つつもりで乗り込んでくるのは親善試合ではできない強化の要素です。代表チームは予選で強化されるというのは本当だと、今回最終予選をスタンドで見守って思ったことです。
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別所沼公園

2013-06-23 16:27:07 | 埼玉
雨が降ったので、昨日は「雨宿り」の記事を優先させましたが、散歩の目的地は別所沼公園でした。公園に行けば何か花はあるだろうという期待に応え、写真のなでしこの花がありました。もっとも、なでしこは地味な花で、この花に着目している人はいませんでしたが。

別所沼はメタセコイヤの並木も目立つ存在です。この木は私の少年時代から大きな木でしたが、今は見上げても届かないくらいに成長しました。木の成長は自分の年齢を感じる大きな要素で、そうか、もうこんな年になったのだと改めて実感した次第です。
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守備が安定せず(6/23日本対メキシコ)

2013-06-23 15:54:47 | ワールドサッカー
プレビュー記事に、日本とメキシコは似ていると書きました。確かにメキシコの中盤の強さを前面に出すスタイルは似ていますが、この試合はメキシコにとっても消化試合だったので、メキシコは新しいことを試すチャンスと思ったらしく、戦い方を変えてきました。

メキシコは長身FWヒメネス(19番)を入れて、右MFにドスサントス(10番)、左MFにグアルダード(18番)を入れた4-4-2を試してきました。このシステムだと、よりFWの強さを出す必要があります。メキシコFWエルナンデス(14番)は香川真司(10番)と同じマンU所属の選手ですが、マンUではルーニーやファンペルシーの控えで、過度に恐れる必要はないと思っていました。

今回の日本代表は守備陣が課題で、ブラジル戦とイタリア戦で合計7失点はいただけません。この試合はザッケローニは吉田に代えて栗原(16番)をスタメンに起用しててこ入れを図りました。出場停止の長谷部の代役には細貝(13番)を起用しました。守備的な細貝と組んでいるので、遠藤(7番)の役割は整理され、思い切って攻撃参加したことでチャンスは生まれました。

それでも、エルナンデスを抑えられなかったことを考えるとCBには合格点は与えられません。2点目はセットプレーでニアで触られた不可抗力ですが、1点目のアーリークロスで簡単にマークを外したのはミスで、このミスをW杯本番でやったら取り返しのつかない失点です。

この試合も、本田圭佑(4番)がバイタルエリアでボールを持つ、イタリア戦でできた攻撃の起点は確保しました。実際、岡崎(9番)が点も取っています。それでも、攻撃陣はある程度通用した手ごたえはつかめましたが、結果的に3戦全敗で大会を去ったことには検証はなされないといけません。

インターネットの記事ではザック解任論まで出ているようですが、それをやるなら水面下で後任探しに動いていないとできないので、現実的には現有戦力の底上げでしょう。幸い、国内組を試せる東アジア選手権が7月にあります。ここは国際Aマッチデーではないので、欧州組の招集は不可能なので、どうしても国内組で戦うことになります。

ここで、大きくアピールできる新戦力が現れ、ザックの固定した選手起用に風穴を開けられる存在となれるよう、期待しています。
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女子の数的不利(6/20なでしこ対ニュージーランド)

2013-06-22 20:34:13 | レディース
今週はサッカーの多い週ですが、なでしこジャパンの親善試合、ニュージーランド(以下NZ)戦は見ました。3月のアルガルベ杯では若手を試した佐々木監督ですが、今回のNZ戦はロンドン五輪銀メダルのメンバーを呼び戻し、本気で勝ちに行きました。

実際、前半の戦いを見ればなでしことNZには力の差はあります。NZは世界王者の日本に勝てば自分たちも評価されると考えて、ベストメンバーを送り込んできましたが、パワーこそありますがDFラインはスピード不足で、特に後ろへ走る能力は足りない印象を受けます。

その弱点を、近賀の怪我で抜擢された右SB有吉(2番)は研究していたようです。DFラインの裏に低くて速いボールを供給した結果、FW大儀見(17番)が動き出しの速さで合わせ、順当になでしこが先制します。大儀見はドイツのポツダム所属ですが、女子とはいえ、欧州のリーグで日本人が得点王を取るのは快挙で、その能力を遺憾なく発揮した結果だと思います。

しかし、そんな力関係は前半だけでした。理由は女子特有の、ファウルの判定の厳しさです。どうしても男子サッカーを見慣れている私にとっては、なぜこの程度の接触でカードが出るのだろうと思ってしまいます。たぶん、肉体的に強くないことを考慮して、わざと厳しく判定しているのだろうと思いたいですが、この判定は今回はなでしこに不利に作用します。

MF宮間(8番)が2枚目のイエローで退場したからです。女子の試合は比較的カードの出ない平和な試合が多いですが、この日の中国人の主審はカードを多く出すタイプで、宮間がそれを見抜けなかったのは痛かったです。その結果、なでしこは後半全部を数的不利で戦うことになりました。

なでしこは大儀見一枚を前線に置き、2ラインを自陣深くに引いてリトリートする、守備的なサッカーを選択せざるを得ませんでした。女子で数的不利というのはW杯決勝のアメリカ戦で延長終了間際に岩清水が退場になった、一度しか見たことがありません。そのときは時間が短かったのでわかりませんが、女子サッカーにおいて数的不利を運動量を増やして埋めるのはどうも厳しそうだというのが、今回の試合でわかったことです。

結局、なでしこは専守防衛に徹せざるを得ず、NZの猛攻をしのぎ切れず最後には同点ゴールを食ってしまいます。男子と同じ常識は通用しない、それが女子スポーツの面白さかもしれません。
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雨宿り

2013-06-22 18:00:46 | 埼玉
散歩中に雨に降られ、写真の神社の境内で雨宿りしています。結構強い雨で、強行突破は厳しいです。

以下帰宅後追記。

結局、神社の境内にいた時間は20分ほどで、雨が小止みになったタイミングで無事帰宅できました。雨が降ったと同時に携帯に母から連絡があり、雨に遭ったことを心配してくれました。やはり自分のことを一番考えてくれるのは両親で、本当に感謝しています。
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バイタルエリアで持てた(6/20日本対イタリア)

2013-06-22 13:14:40 | ワールドサッカー
ようやく、コンフェデ杯の日本対イタリア戦を見ました。日本の方が押し気味に試合を運んだという母の情報を聞いていたので驚きはしませんでしたが、生で見ていたら感動できるのではと想像できる試合でした。

その要因としては、バイタルエリアでボールが持てたことが考えられます。本田圭佑(4番)も体を張ってキープし、香川真司(10番)も持ち前の速い動きでイタリアDFと互角に戦えていました。ブラジル戦で課題だったダブルボランチからのパスも、遠藤(7番)や長谷部(17番)が高い位置に進出することができ、供給したボールの質も良かったと思います。

ただ、やはり2点先行した以上勝ちたかったという思いはあります。ポイントになったのはイタリアの同点弾になったジャッケリーニ(22番)に対する吉田(22番)の守備です。強さを持った相手には戦えるようになった吉田も、テクニックで勝負するジャッケリーニのようなタイプへの守備は課題で、軽い守備と言われても仕方ない抜かれ方だったと思います。オウンゴールした内田(6番)はやむを得ないプレーだったと思いますが。

その後は、イタリアが思い出したように攻撃サッカーを仕掛け、長谷部のハンドでPKを献上した日本は苦しくなりました。それでも、日本はイタリアの「ピルロシステム」の弱点を研究できていたと思います。パスの精度は抜群でも、守備に不安があり思わずファウルしてしまう傾向のあるピルロ(21番)に岡崎(9番)や本田圭佑が思い切って仕掛けたのは良かったと思います。

イタリアは3トップのウイングの使い方に課題を残しました。スタメンのアクイラーニ(7番)はフィオレンティーナでは本来トップ下の選手で、バロテッリ(9番)があまり動かない範囲をカバーする必要があるこのシステムには不向きな印象を受けました。イタリア版田中達也のジョビンコ(10番)を前半途中で投入してから機能し始めました。

結果的にはこのジョビンコが決勝点を入れたので、この采配は的中しましたが、ウイングタイプがあまりいないのはイタリアの弱点として今後課題になってくるかもしれません。これで日本は2連敗で1次リーグ敗退が決まりました。この組はW杯本番でもなさそうな死の組で、アジアを勝つためのチームを作ってきた日本を世界で戦えるようにするにはまだ壁があることを痛感しましたが、本田圭佑や長友が「W杯優勝」を口にする以上、それに向かって努力することは要求したいです。
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メキシコ戦プレビュー

2013-06-21 18:48:23 | ワールドサッカー
日本代表のイタリア戦はまだ見ていませんが、早くも日本時間の日曜朝にはコンフェデ杯最終戦のメキシコ戦があります。日本の攻撃陣がイタリア相手にある程度通用したのは嬉しいですが、敗退が決まり最終戦が消化試合になってしまったのは本当に残念です。

メキシコの試合はイタリア戦を見ました。この試合はイタリアが圧倒的に押した試合でしたが、メキシコも自分たちのサッカーを十分表現した、内容のある試合でした。その印象は日本と似ているチームというものです。

メキシコは布陣も日本と同じ4-2-3-1ですが、日本と似ているのは1トップのエルナンデス(14番)があまり目立たないことです。ボールをキープするのは3枚の攻撃的MFというところも日本と似ています。違うところはサイドの攻撃的MFのアキノ(11番)とグアルダード(18番)がテクニックよりスピードを重視するタイプというところです。

ボールの配給役はボランチのトラド(6番)で、イタリアのピルロのような芸術的な浮き球こそ出しませんが、グラウンダーで長短自在にパスが出せます。相手がイタリアだったので押し込まれましたが、メキシコも強いからイタリアと互角に戦えたのは間違いなく、日本にとってはまた強い相手になります。

もっとも、メキシコ戦が消化試合になったことで、ザッケローニがやり方を変える可能性もあります。控え組を試すならこのタイミングで、出番の少ない選手はここぞとばかり練習でアピールして欲しいです。

文章が短いので余談ですが、今回のコンフェデはフォーメーションを追うのが楽です。生で見るときはフォーメーションは数分でわかりますが、以前はテレビだとフォーメーションを追うのに15分くらいかかったこともあります。

そんなストレスがなくなったのはハイビジョンの効果です。引いた映像でも背番号がわかるようになった解像度の進歩はありがたく、さらにその次世代の4K画像になれば目の解像度に勝てるほどです。そうなれば、埼玉スタジアムのアッパースタンドの一番後ろの席にテレビが勝つことになり、チケットを買うよりテレビの方が見えるのは複雑です。
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イメージと違った(イタリア対メキシコ)

2013-06-20 19:09:12 | ワールドサッカー
日本時間の今朝、日本代表はイタリアと対戦して、善戦はしたものの惜しくも敗れました。この試合はもちろんビデオで後日確認しますが、映像を見られるのはたぶん明日の夜になると思います。そのため、今日と明日は穴埋めネタで失礼します。

ビデオで見た、コンフェデ杯初戦のイタリア対メキシコを取り上げます。イタリアはバロテッリ(9番)を真ん中に置いた3トップ気味の布陣でした。バロテッリは強靭な身体能力で驚異的なシュートを放てますが、ドリブラーではないので、イタリアのチャンスに絡むのはサイドのマルキージオ(8番)とジャッケリーニ(22番)です。

もっとも、マルキージオはユベントスではボランチですし、ジャッケリーニも本来MFです。点を取るのはバロテッリに任せた布陣と言えます。また、3人の中盤は横に並べ、ピルロ(21番)をアンカーに置いた布陣です。

この布陣はピルロの守備力をカバーするためのものです。ピルロはACミラン時代、1ボランチに置くと相手のドリブラーにファウルしてしまう課題がありました。そのため、当時のアンチェロッティ監督は守備に強いアンブロジーニをボランチに置いてピルロと組ませました。これでACミランの守備が安定して、欧州制覇をした実績があります。

今回のイタリア代表は守備の強いローマのデロッシ(16番)と、運動量の多いACミランのモントリーボ(18番)をピルロのサポート役につけました。そこまでしてピルロを使いたい理由は、その正確なパスです。このメキシコ戦では長いパスで右SBアバーテ(20番)を走りこませ、正確に足元にパスを送っています。ピルロは先制点になる直接FKも決めています。

イタリアのイメージが今までと違うのは、攻撃重視のプレースタイルです。イタリアは以前、1-0で勝つのが勝負哲学だった堅い守りを軸にしたチームを作ることの多い傾向が見られました。しかし、このメキシコ戦を見る限り、イタリアの最終ラインは高く引かれ、スペインのようなポゼッションサッカーでメキシコを圧倒しようとしてきました。

このサッカーで来られても、メキシコが互角に戦えたのは、メキシコがここしかないという弱点をうまく突いたからです。それはCBバルザーリ(15番)の足元の技術でした。トップ下のドスサントス(10番)がバルザーリに詰め、バルザーリのトラップミスを拾ってファウルを誘い、PKを決めて同点に追いついています。

最後はバロテッリがメキシコDF2枚の間を強引に抜くドリブルの力技で決勝点を決め、イタリアが2-1で勝利していますが、W杯を思わせるようなスピードある戦いぶりは、コンフェデ杯の意義を世界中が認めた証だと思います。面白い試合でした。
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