
4月17日 朝日新聞デジタル (抜粋)
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)から発がん性の疑われる有機フッ素化合物PFOS(ピーフォス)を含む泡消火剤が流出した問題で、日本政府は16日、日米地位協定の環境補足協定に基づく立ち入り調査を実施した。2015年に補足協定が発効して以来、環境事故に関する米軍施設への立ち入りは初めて。河野太郎防衛相が17日の閣議後会見で明らかにした。
河野氏や防衛省によると、同省、外務省、環境省の現地職員6人が16日午後、約1時間半にわたり泡消火剤が漏れた現場や周辺の状況を確認。泡消火剤の保管状況や基地外に流出した経路などについて、米側の説明を受けたという。
河野氏は「(泡消火剤が保管されていた)格納庫の扉が開いていた」とし、「複合的な理由があるのだろうが、なぜ流出したのか(米側が)調査している」と説明。「引き続きニーズがあれば立ち入り調査をやっていきたい」と語った。
4月11日 朝日デジタル
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)周辺の住宅街で11日、発がん性が疑われる有機フッ素化合物PFOSを含む泡消火剤が飛散しているのが確認された。10日夕に米軍から地元自治体に基地外に流出したと通報があったが、一夜明けても完全に除去できず、住民に不安が広がった。
宜野湾市消防本部によると、11日午前7時50分ごろ、「川から泡が出ている」と住民から通報があった。現場では道路上などを舞う泡のかたまりが確認され、6時間以上かけてバケツですくうなどして除去したという。
ただ、河川の泡は完全に取りのぞけず、周辺に飛散しないよう巡回を続けている。上流は基地内にあり、米軍関係者が除去作業にあたっているという。
夕方になって河川を見に来た近くの40代女性は「きょうはお天気だったけど、こわくて洗濯物を干すのはやめた。まだ泡が残っているのを見てますます不安になった。自然にもどんな影響があるのか」と話した。
沖縄県内では近年、米軍基地周辺でPFOSなどが高濃度で検出され、県は基地内への立ち入り調査を求めているが実現していない。県は10日、沖縄防衛局に対し、基地外の消火剤回収に加え、基地内にとどまっている消火剤も地下に浸透する可能性があるとして速やかな回収を要請した。
11日には玉城デニー知事が「大変遺憾」との談話を出した。基地内への立ち入り調査も引き続き求めていく。