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浅田さんが65歳になったときに、介護保険の要介護度認定申請をしなくてはいけないと窓口で言われ、
なぜ今まで通り自立支援法でのサービスが使えないのか疑問に思い、介護保険の要介護認定を申請しませんでした。
すると岡山市は、介護サービスすべてをストップしてしまいました。
申請しないなら、サービス給付しないというわけです。
しかし、重度の身体障がい者である浅田さんは、介護なくしては生活ができません。
生きていくことができません。
浅田さんは「死ね」というのかと愕然としたと言います。
岡山市は今までも重度の障がい者である浅田さんのことをよく知っています。
それまで自立支援サービスを提供してきたわけですから、知らないわけはありません。
そして、サービスを停止することになれば、命に係わることになることも想定できたはずです。
その問いかけに岡山市は、ボランティアのサポートがあるはずだから生活できると考えたと言いました。
こんな主張が通るのでしょうか。
当然通らない。
法律の話ですよ。
人々の善意を利用しているとしか思えない発言です。
高裁の判決の中で、否定されています(弁護士のお話)、判決文はまだ読めていません。
どうしてボランティアのサポートの話が出てくるのでしょう。信じられません。
2013年から始まった裁判ですが、5年間の間に多くのことが明らかになりました。
これは事務局と弁護団の尽力によります。本当に素晴らしい支援活動でした。
全国の自治体に電話でアンケートを取りました。
そうすると岡山市のように、障がい者に冷たい対応をする自治体はごくわずかだったのです。
多くの自治体は、丁寧に障がい者によりそった対応をしていました。
法律の運用もできるだけ障がい者の方の考えを考慮してなされていました。
岡山市はそれができていません。
私自身の経験でも感じることが多かったです。
課と課の壁が高く、縦割りです。
今回の場合、自立支援法と介護保険法を扱う課は異なります。
その場合、両課の連携が重要ですがそれができていたとは思えません。
醜態をさらした原因の一つだと考えます。
岡山市には猛省してもらわなくてはなりません。
岡山市は裁量権の解釈を間違えているという問題もあります。
法律を杓子定規にとらえて運用しています。
裁量権を自らの都合に合わせ広くも狭くも解釈します。
ですから、この裁判のように問題提起をすることが重要なのです。
なにが間違いだったのかがわかっていないのです。
裁判官は、岡山市のやっていることが違法だと裁定しました。
違法なことをしていたのですよ。岡山市は。
では、報告集会の写真を掲載します。
事務局と弁護団の皆様
全国の支援者の方々。
以上です。
お読みいただいてありがとうございます。
全国の当事者の皆さん、支援者の皆さん。
「65歳になったら介護保険優先」ではないのです。
浅田さんが先鞭をつけました。
けものみちのような狭い道を、広い舗装道路にしたのです。
「65歳で障がい者を差別する」ことはできないのです。
65歳になって自治体の担当者の方と話し合いをするときには、浅田裁判判決文をご持参ください。