北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

【おまけ】鳥魚供養祭・包丁納め~日本人らしさがここに

2012-09-09 20:43:27 | Weblog


 包丁塚鳥獣供養祭に市長代理で出席しました。

 この催しは釧路割烹調理師会が主催するもので、年に一度日頃我々の食材としてその命を提供してくれる鳥獣類の霊に感謝とお礼の気持ちを伝えようと回を重ねているもので、今回が第41回目となります。

 本来は市立博物館のすぐ近くに設置されている包丁塚の前で行われる予定だったのですが、悪天候のために会場を市内のホテルに替えて挙行されました。

 感謝の念は神事の形で伝えられましたが、神事の中では包丁納めとして日頃使う道具である包丁への感謝も忘れません。

 また玉串奉奠の変わりに生きた魚を捧げるという面白い趣向で執り行われました。




 マスコミの取り上げるようなニュースにもならないのでしょうが、いただく命や道具に対する感謝を捧げ、こうしたことをやらずには心の安心が得られないという素朴な信仰心は今も人々の心に息づいています。

 しかしながら、長引く経済不況や割烹に関わる会員数の減少などはこうした運動に陰を差しています。

 不安なんだけどでもやるべきことはちゃんとやろう。

 日本人ってそういう民族なんだなあ。

 ちょっと心が温まりました。

 
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釧路沖秋期捕鯨調査始まる

2012-09-09 20:29:23 | Weblog
 いよいよ今日から釧路での捕鯨調査が始まります。

 2012秋期釧路沖調査捕鯨出港式が釧路港第五埠頭で開催されました。

 今日の釧路は曇り気味だったのが、式が始まった頃からポツポツ雨が降り出して生憎の天気となりました。

 実際に船に乗る船員の皆さんや調査を担当する国際水産資源研究所の皆さんなどを迎えて、始めに一般社団法人地域捕鯨推進協会の下道代表理事からご挨拶。

「鮎川でも60頭の調査枠の分が確保出来ました。是非釧路での調査でも捕獲枠の60頭が早期に果たせるようご活躍を期待します」とのことで、操業の安全と捕獲枠の早期の達成が期待されます。

 私からも市を代表しての挨拶を行いましたが、やはり捕鯨に対する国民の理解と共感が必要だと感じています。

 捕鯨と鯨食ということは日本の伝統的食文化であり、また捕鯨技術も日本の伝統技能であるというどこかノスタルジックな感情によって行われているわけではありません。

 問題のポイントは、地球規模での人口増加に伴って人類が高品質のタンパク質を得ようとするときに、魚を初めとする水産資源を鯨類と争うようになるのではないか、という心配です。

 鯨はもしかしたら人類総体よりも魚を食べているかも知れません。そしてその中でもどの種類の鯨がどれくらい増えているのかを知ることも必要です。

 鯨が一体何をどれくらい食べているのかを知ることで、鯨の種類ごとの個体数管理が必要かどうかも議論されることでしょう。

 一部の活動的捕鯨反対派が主張するような感情論ではなく、また日本人が持つかも知れないノスタルジックな視点からの反感でもなく、あくまでも科学的で冷静で論理的なデータを持つことで始めて世界を相手にして論陣を張ることができるでしょう。

 そういう意味で、調査は継続されなくては行けませんし、そのことに釧路港が貢献出来るというのは嬉しいことです。


 【航海の無事と成果をお祈りします】


    ※    ※    ※    ※


 調査団の吉田団長からは返礼としての挨拶があり、この中で「最近の調査で、ミンク鯨は子供の時と大人になってからは食べ物を変えているかも知れないと考えられるようになりました。子供の時はスケトウダラを食べて、大人になるとサンマを食べているようです。こうしたことも調査の結果として明らかにして行きたいと思います」というお話が紹介されました。

 釧路のサンマはまだ漁場がロシア海域にあって、なかなか釧路まで下りてきませんが、冗談半分に「鯨に追い出されてくれないかなあ」という話も。

 四隻の調査船団は小雨の降る中、九時半に港を出港してゆきました。

 調査の成功をお祈りします。


    ※    ※    ※    ※


 その後、お昼の時間に調査関係者と昼食を取りながら歓談をしていると、調査団長の携帯に連絡があり、一頭を捕獲したという知らせが入りました。

「幸先がよいですが、完捕(かんぽ)と言って完全に船の上に上げた確認を行うまではまだ油断はできません。ロープが切れたり、どんなアクシデントがあるかも知れませんからね」

 これに先だった記者会見では、「鯨から放射能は検出されないのか」という質問が出たそうです。

「鯨を食用にしようと思うと我々もそこは関心事ですね」というと、調査総括の東京海洋大学教授が、「それが補食される魚からはときどき放射能が検出されるのですが鯨自体からは検出されないんですよ」とのこと。

「三陸でのツチクジラという奴はとくに海底にいるイカなどを食べるので心配したのですが、ツチクジラからも放射能は出ません。食物連鎖の頂上にいることを考えると濃縮されるのかな、と思っていたのですが、排出しているのか、このあたりはもう少し研究が必要ですね」

 鯨の肉は市場に売られて、その収益の一部が調査費用に充てられています。

 釧路では9月に鯨肉普及キャンペーンを行ったり鯨祭を行うなど鯨食普及のための活動も行っています。頑張ってクジラを食べましょうよ。


    ※     ※     ※     ※     ※


 ところで、せっかくの機会なので捕鯨に関して普段訊けないことを訊いてみました。

「海の上で実際にクジラを見つけるのには、何か最新のレーダーとか音波探知機などが使われているのですか?」

 すると答えは、「いいえ、やっぱりベテランの目視が一番なんですね」
「へえ、そうなんですか」

「ええ、『マッチ棒が動く』という言い方をしますが、遠くでのほんのちょっとした兆候を見つけるんですから経験は大したものだと思いますよ(笑)」


 改めてこの機会に鯨に対する関心をもっていただきたいものです。   
 

 【船団って感じがするなあ】 
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