北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

こんなのに引っかかるとは… ~反省する証「家康のしかみ像」

2014-12-27 23:22:38 | Weblog


    【徳川家康のしかみ像】

 

 ある日の夕方に電話があって、「今お使いのインターネットのプロバイダよりずっと安くなるのでプロバイダを変更してはいかがでしょうか」という勧誘がありました。

 普段だったらまずこの手の営業には反応しないはずの私なのですが、このときはつい魔がさして「あ、いいですね、ではお願いしましょう」と言ってしまいました。

 一度口頭で契約を交わすと、「ではリモートでプロバイダの変更をしますね」と言われて、私のパソコンを遠隔操作して極めて短時間のうちにプロバイダの変更がなされました。

 今まで使っていたのはビッグローブという大手のプロバイダで、インターネットを始めてからずっとここのお世話になっていたわけです。

 しかし「今だとおそらく一か月に1500円くらい払っておられると思いますが、それが3年契約だと月に650円でお使いいただけます」という言葉に、(なるほど、それならいいかなあ)とつい変更する気になってしまった私。

 ところが実際には、前のプロバイダでのメールを替えたくはなくて、それを使いたければ以前のプロバイダに200円払う必要があったり、実はウィルスチェックなどのサービスは込みだったものが新しいところではオプションで別料金が発生するなど、よくよく考えてみると決してそれほど料金が下がるわけでもありません。せいぜい何百円の差。

 長年慣れ親しんで、大手ゆえに安心して使っていた契約相手を変える気になってみたものの、名の知れない新興のネット会社に委ねることのリスクに気が付いて一気に気が滅入りました。
 リモートで自分のパソコンを操作させたということもなんだか気持ちが悪いもの。

 ちょっとくらいの金額に目がくらんで信頼を打ち捨ててしまったようで自分でしたことながらいやな気分になったのです。


 契約解除をしようとビッグローブのサイトにアクセスしてみると、この手の電話でプロバイダ変更を勧誘する業者が増えていて、中にはそれによって要らないオプションをつけられて却って料金が高くなったりするなどのトラブルの声が多く寄せられるようになっているのだと。

 口頭ながらその時点で契約は成立していて、解約しようと思うと一万数千円の解約料金が発生し、この契約にはクーリングオフも適用されないので、頭を冷やしても時すでに遅いということも分かりました。

 ちなみに私に対して勧誘があった会社自体は、私に対して具体的な詐欺まがいの行為があったわけではありません。それは今回勧誘を受けた会社の名誉のためにもあえて強調しておきます。

 ただ、十分に考える時間を与えないままに契約手続きが完了していたり、本来不必要なオプションが最初の設定時にはついていたり、消費者を守るような制度の間隙をぬっている印象は否めません。

 私自身は、長年の信頼関係を自ら壊してしまったようでとても嫌な気分になったのです。

 
       ◆  


 (しまったなあ)と思ってから、一週間良く考えたうえで、改めてプロバイダを元のビッグローブに戻すことを決心しました。これ以上いやな思いをしないためには元に戻すことがベストと考えたのです。

 元のビッグローブへは解約を中止して契約更新の連絡し、今回契約したところへは契約の解除を申し入れました。

 契約解除は女性のオペレーターが出て「違約金がかかりますがよろしいですか」ときわめて事務的な対応。違約金は痛いところですがそういう契約である以上仕方がありません。

 おまけにプロバイダを自分自身で元のビックローブに戻そうと思うとルーターの設定変更のためにビッグローブやらNTT東日本に電話したりとこれまた結構な手間がかかります。

 私の方は意地でも元に戻す気でいるので何が何でもやってやる気でしたがこれで嫌気がさして心が折れてしまう人もきっと多いことでしょう。

 ちょっとした気の迷いのために、余計な心労と勉強代がかかってしまいました。

 妻からは「普通はそんなの絶対OKしないと思っていたのにどうしたの?」と不思議がられましたが、魔が差したとしか言いようがありません。

 同じような目にあうことのないように、このような電話勧誘には決して軽々しく口頭で契約などせずに、一度じっくり冷静になってそのうえで決断することをお勧めします。

 なおこのことについては、大手のプロバイダが集まって作っている(一社)日本インターネットプロバイダー協会や(独法)国民生活センターからも注意が喚起されています。

【遠隔操作(リモート)によるプロバイダー変更勧誘トラブルにご注意ください】
 

【相談激増!遠隔操作によるプロバイダ変更勧誘トラブルにご注意】


 ちょっと冷静になれば対応は変わります。

 こういうビジネスもあるのかととても勉強になりました。自戒を込めてここに記録にとどめておこうと思います。

 徳川家康は三方ヶ原の合戦で武田信玄に敗れてほうほうの体で逃げ帰ったときに、戒めのために絵師にその姿を描かせたと言います。今日のブログの一番上の写真がそれです。

【徳川家康三方ヶ原戦役画像(徳川美術館所蔵)】

 

 人間反省するときはきっちりとすべきだと思います。

 

 

コメント
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