わが舗装協会の会員企業は全道各地にいるのですが、地域ごとに集まって札幌からの情報提供と地域における現状の情報共有・意見交換をする「地区懇談会」が始まりました。
今年は全道四カ所で開催しますが今日はその初日を旭川で開催。
札幌を中心にして収集した情報を提供して、逆に現場で仕事をしている各企業からの現場の意見をもらうことはお互いに今後の参考になることでしょう。
先日東京へ行って中央要望をしてきたということも情報提供しました。
その資料の中に、道路の維持管理がおろそかになると道路はどんな状態になるのか、という劣化状況の写真資料をつけていました。
今日の懇談会の中で、「この資料にあるような視点を多くの人に持ってもらいたいですね。このままだと、道路というのはこんな風に傷んでいるのが当たり前だ、と思うような人が増えてしまうのではないでしょうか」という意見がありました。
道路は夏の暑さでアスファルトが柔らかくなるものです。そんなときに重たい車が何台も走ると柔らかくなったアスファルトが沈んでしまいます。これが「わだち掘れ」。
自転車に乗る人に言わせると、雨の時はこの窪みに水がたまり、さらにそこに尖った石などが流れ込んでくると、走った時にその石のせいでパンクすることがあるそうです。また自動車の運転時もハンドルを取られることに繋がります。
【わだち掘れ】
次は「パッチング」。これは修理の仕方なのですが、わだち掘れのように低くなったところにアスファルトを敷き詰めること。部分補修なので、その前後でがたつきを生じます。道路にツギを当てるようなものですが、それでは走っているときのガタガタが収まりませんね。
【パッチング】
次が「亀甲クラック」。これはアスファルトの下に砕石を敷き詰めて締め固めたはずの路盤部分も傷んだ時に生じる症状です。こうなるともうアスファルト部分だけを直しても同じところがすぐに傷んできます。こうなるまえの早めの修繕が必要なのです。
【亀甲クラック】
さらにアスファルトの下の路盤に水がしみて道路の下の支えが失われるとポッカリと道路に穴が空きます。これが「ポットホール」。こうなったところに自動車のタイヤがはまるとパンクしたりしますし、自転車だったらさらに危険なことになるでしょう。これも穴をふさぐだけではまた穴が空きかねません。
【ポットホール】
道路に並行に同じような感覚でひび割れ(クラック)を生じることがあります。これが「温度応力クラック」と呼ばれる損傷です。これは冬に道路が冷えることでアスファルトが収縮して割れてしまう症状で、北海道の冬の寒さゆえの道路の傷み。
割れたところを放っておくとそこに草が生えたりもします。北海道の道路は暑くもなれば寒くもなる環境で痛みやすいという厳しい気象条件なのです。
【応力横断クラック】
最後はひび割れや縁石との隙間に雑草が生える「雑草侵入」。舗装の痛みとはまた毛色が違いますが、隙間を放っておくとどんどん植物が侵入してさらに痛みが増します。
【雑草侵入】
◆
こんな道路の症状を見かけたらそれは道路が傷んでいる証拠です。本当はすぐにでも修繕をしてあげたいのですが、残念ながら予算がそれには足りないのが現状。
しかし修理が必要な個所は黙っていても治ることはありません。どんどん積み残しがたまってゆくと、このままでは北海道はどこを走ってもガタガタ道ということになりかねないと、関係者は皆心配をしています。
作ったものをちゃんと管理する。壊れたら修繕する。そういうことがちゃんとできる社会であってほしいものです。
北海道を走っていて「道路がひどいなあ」という思うことはありませんか?