先日91歳の母の買い物サポートをしたときの話。
スーパーマーケットを一巡りして食料などを買いそろえた後で母が「そうだ、トイレットペーパーを買わなくちゃ」と言いました。
「じゃ、こっちだね」
日用品のコーナーにはトイレットペーパーが何種類も置いてあります。
二枚重ねのダブルや一枚のシングルという違いがあったり、4巻パックや8巻パックなど選び始めるときりがありません。
そんななか母は、しきりにトイレットペーパーをとっかえひっかえして商品説明書をじっと読んでいます。
「なあに?そんなに商品の品質にこだわるの?」そう訊くと、「いやあ幅が105ミリのしか置いてないのかなあ」と言います。
私も一緒になって探して、「え?幅105ミリじゃだめなの? うーんと…、ああここに幅108ミリという商品があるよ」
母は「ああ、それそれ、それがいいんだよ」と言って8巻パックをカートに入れてレジに持ち込みました。
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その後私が「なんで108ミリ幅のトイレットペーパーがいいの?」と聞くと母は「うちのトイレのペーパーホルダーから落ちるのさ」と言います。
実家のトイレのペーパーホルダーは左右に突起があってそれを押せば奥に引っ込むようになっていることから、ペーパーを押しつけて突起の先を芯の空間に入れることでホールドされる仕掛けです。
ところがその幅が広いために105ミリでは突起幅が足りなくなって落ちてしまうのだそう。
ふーむ、それってステルス値上げのせいなのか? と思い、調べてみると、なんとJIS規格ではトイレットペーパーの幅は「114mm(±2mm)」と定められているのだそう。
105ミリはおろか108ミリだって全然違うじゃん!と言いたいところですが、紙の幅にはそれほど強い規制はないらしい。
逆に資源の有効活用/省資源の観点からは、『少しくらい幅狭くても用果たせるのではないか』という意見もあるようで、幅が狭くなっても安くなるならそれも消費者のニーズに合致していると考える人もいるようです。
実家などはホルダーを紙幅に依らないものに取り替えるのが一番なのですが、さてどうしたものか。