北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

ニセコにあった「ポテト共和国」

2016-07-11 23:07:27 | Weblog

 ニセコでのボランティアを終えて、せっかくここまで来たので友人夫婦とニセコのペンションにもう一泊することにしました。

 泊まったペンション「吟渓」はニセコアンヌプリスキー場の下にあって、かつてポテト共和国として独立したペンション群の一つ。

 今の釣り好きのオーナーが元のオーナーから譲り受けて、もう17年になるそうです。

「私の趣味ですけど、お酒と釣りが好きなので『吟醸酒』と『渓流』の二つから一文字ずつ取って『吟渓』としました。私がここを継承したころは私がこの地区で一番若かったんですけど、ということは周りのペンションのオーナーの方たちもだんだんに歳を取ってここを離れていきました」
「オーナーが離れたといいますが、今はペンションはどうなっているんですか」

「一軒は息子さんが継ぎまして、部屋数を少なくして家具や調度品も豪華にしましたね。食事も夕食をやめて周辺で食べてもらうようにして朝食だけを出すB&B(ベッド・アンド・ブレックファスト)形式で外国からのお客さんなんかが増えているみたいですよ」
「それ以外は?」

「ええ、外国の方が買われて外国人向けのペンションにしたり、日本人の管理人を雇って経営するかどちらかですね」

 ポテト共和国を始めたころは地区の皆さんが協力して、分散して修学旅行の受け入れなどもやっていたそうですが、外国オーナーのペンションではもうそうした協力にはあまり関心が内容で、今では地区での修学旅行の受け入れもなくなってしまったそうです。


 最近は日本人もあまりスキーに行かなくなったと聞いたことがあって、ペンション経営がちょっと心配になったのでその点を訊いてみました。

「最近は日本人のスキー人口が減っているようで、ペンションにくるお客さんが減っているということはないのですか?」
「はい、お客様が減っているということはありません。周辺のペンションで外国人を受け入れるようになったために、本当にペンションで日本人は自分一人だったなんてことがあるんですね。
 うちは日本語でコミュニケーションが取れない方はご遠慮を願っていまして、それで外人さんの多いところを避けてうちに流れてくるお客さんが増えてきましたよ(笑)」

「最近のお客さんの傾向って何かありますか?」
「ああ、中年より上の方でもお一人で来られる方が増えていますね。時代でしょうかね」

          ◆   

 ペンション経営も、日本人が冬にスキーにくるという典型的なレジャースタイルが時代とともに外国人が増えるなどの変化が起きています。

 その変化についていくか一歩先を行けば経営は安定しているようですが、かたやでその変化が速すぎてそれについてゆくのはなかなか大変そう。

 かたくなに自分スタイルを守って、それを支持してくれるお客さんだけがいればよい、という経営スタイルもありですね。

 ちなみに今年はニセコ周辺も気温が低いために渓流の魚の出が悪くて困っているとか。今年釣れないのはどうやら気温のせいですね。私の腕ではないようです。

 

 

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雨中の戦い、ニセコクラシック自転車レース

2016-07-10 23:19:03 | Weblog

 初めて参加した自転車レースの運営ボランティア。

 朝4時半に起きてお弁当を食べ、5時半に宿舎をバスで出発し、それぞれの持ち場におろされてそれぞれに課せられた役回りをこなします。

 道路誘導の補助や間違えやすいコースの案内と次々にバスを降りてゆく仲間たち。我々は140kmコースに二カ所ある補給所でスポーツドリンクと水のボトルを選手たちに渡すという仕事です。

 補給所は、70kmコースの5kmポイントでありかつ140kmコースの73kmポイントでもあります。スタートの遅い70km組の方が先に到着しますがこちらへは給水はしません。後から来る140km組の方にだけ給水サービスをするように指示を受けました。

 我々のポイントには70km組が先に到着しましたが、先頭集団はだらだらの上り坂にもかかわらず結構速いスピードで通過してゆきました。

 続いていよいよやってきた140km組。スポーツドリンクを黒のボトルで、水を白いボトルで提供しますが、先頭や先頭を追う集団は給水のための原則などはせず、差し出したボトルをもぎ取るように取ろうとします。

 うまくいく人もいますがタイミングが合わなくて取れない人も続出。給水は何人もがボトルを差し出しているので一人から取れなくても次の人も同じ色のボトルを差し出しています。

 なかには連続4人からの給水に失敗した人もいましたが、だからといって止まって水を再度受け取るような人はおらず、どんどん先へ進みます。

 なかなかスピード感と迫力のある瞬間だなあ、と感心しました。やってみないと分からないものですね。

 


     ◆

 ところで今日は天気が不安定で、70km組がスタートするころから急に強い雨が降ってきて断続的に土砂降りになります。

 雨が降ったり止んだりでしかも気温は20℃に届かないほどで、なかには低体温症になって回収される選手も出るほど。高速で濡れた体で走るのは相当辛かったに違いありません。

 自転車レースの過酷な状況や、それでも一生懸命に走ってレースを楽しんでいる様子も生で見ることができました。
 
 何人かの参加者に北海道の道路の舗装状況で、危ない思いをしたことがありませんか、と訊いてみました。

 すると「横断方向に割れ目(クラック)が入っているところがあって、高速で走るとショックがなんども来るので走っていて辛くなる」とか「マンホールが盛り上げているのが危なかった」、「砂が浮いているような道路があって、ブレーキをかけるのが怖かった」などという答えがありました。

 逆に、「危ない穴は避けるから大丈夫」という人もいて、(そこは避ければよいという話じゃないでしょう!)と思うこともあり、サイクリストの道路に対する意識も様々だとわかりました。

 今後はこうした声をどう拾ってゆくかを考えていきたいものです。

 雨の中、レースに参加された皆さん、ご苦労様でした。   

 

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ニセコクラシック自転車ロードレース~だんだんすごい大会になってきた

2016-07-09 22:42:50 | Weblog

 

 今日は、明日ニセコ地区で開催されるアマチュア自転車ロードレースである「ニセコクラシック」のボランティアスタッフとして働くために、ニセコへ向けて出発。お昼に比羅夫スキー場に到着して、別働隊と合流して準備作業に入りました。

 ニセコクラシックは2014に始まった自転車ロードレースで、今年で三回目。特筆すべきなのは、今年からこの大会が9月にオーストラリアのパースで開催されるグランフォンド国際選手権の国内予選大会になったこと。

 日本の選手はこれまで国外の予選へ参加しなければこの国際選手権への出場権が得られなかったのが、今年からはこのニセコクラシックで好成績を収めれば良くなったので、このレースの人気も上がろうというものです。

 今年は140kmと70kmのコースが設定されていて、600名以上の参加者を迎えました。

 例年は周辺自治体の職員がボランティアとして応援に駆けつけてくれるのですが、今年は参議院選挙と日程が重なったために自治体からの応援が期待できず、私なども含めた一般ボランティアが募集されたというわけです。

 私としては、ボランティア精神もさることながら、自転車のライダーたちに舗装路面の道路の現状をどう思っているかということを聞く良いきっかけになるかもしれないという思いもあって参加する気になったのでした。

 ボランティアスタッフの中には、本来ならこの大会に参加しても良いのにと思うようなサイクリストも多く、中には"ブルべ"と言って、90時間で1200kmを走りぬくという超人的なレースに参加して制限時間内に完走したという猛者もいて、すごいなあと感心するばかりです。

 今日のところは明日の給水所で選手に渡すためのスポーツドリンクと水をボトルに詰める作業をして、あとは明日の予定を確認しておしまい。明日は朝五時半に宿泊所を主発して各人の持ち場につき、大体昼頃までレースの面倒を見ることになっています。

「最近の道路路面をどう思いますか?」と何人かに訊いてみたところ、はっきりと「走っていて怖いところが多いです」という答えが帰ってきました。

 面白かったのは、「国道230号線の定山渓から戻ってくる方が危ないです」という答えでした。

「あのあたりは定山渓へ向かう方も路面が悪いのではありませんか?」と訊くと、「いえ、定山渓へ向かう方は上りだからまだスピードも出ないのでまだ影響が少ないです。しかし定山渓から札幌へ向かう道は、下りでスピードも出るのでそこでガタガタ道になるととても危険だと感じました」

 路面の悪さは四輪自動車に乗る人たちよりも、細いタイヤの自転車乗りの方がはるかに強く影響することでしょう。

 サイクリング人口がどんどん増えている昨今、そうした方面からのニーズも馬鹿にできなくなる時代が近づいています。

 早めの道路メンテナンスで、北海道を快適サイクリング空間にしてサイクルツーリズムの聖地にしたいものです。

 明日は雨との予報ですが、気合を入れて頑張ります。

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見なきゃわからないじゃないですか~「見る」は「知る」の第一歩。

2016-07-08 23:39:58 | Weblog

 

 最近自転車通勤をするようになって、後ろからくる車への注意を払うことが多くなりました。

 ほんの一瞬、ちらっと後ろを見るだけでよくて、それだけで後ろから同じ車線上を車が近づいているかどうかを把握することができます。

 危ないと思ったら減速したり止まったりすればよく、安全ならばスピードを出せばよい。自分を中心にすえるのではなく、周りとの相対的な関係性を常に把握することで危険は避けられるのです。

 「見ること」は周囲に対する関心をもつこと。それはとても大事な情報収集の第一歩です。


       ◆


 掛川で助役として使えた榛村市長さん(当時)は、集会などで一番前の席に座ったときは必ず後ろを振り返って、誰が来ているかを見ていました。

 知っている人がいればもちろん「やあ」と手をあげたりして挨拶するのですが、挨拶をするために眺めるというよりは、どういう人たちが集まっているのかを知っておくことが大事だ、と思っているかのようでした。

 ここのところ、週末の選挙に向けていろいろな会合に呼ばれることが多いのですが、見ていると参加者の態度は大きく分けて二種類で、一つは周りをキョロキョロ見渡して知り合いがいれば挨拶をする、ときには近寄って旧交を温めあうという態度。
 そしてもう一つは、まるで「ここにいることを知られたくない」とでもいうかのように、うつむいて周りを見ようともせずただじっとしている態度。

 衆目の前で敢えて目立つ必要もありませんが、周りにどんな人がいるかということをおろそかにせず状況把握するのも生涯学習なのかな、と感心して、今では私も会合ではキョロキョロするようになりました。

 そしてそのお陰で、長く会えていなかった人を見つけたり互いに印象を深め合うこともできるのです。


    ◆


 まちなかを歩いていると、歩きスマホをしながら歩いている人を多く見かけます。

 ほんのちょっと頭をあげて周りを見渡すだけで危険かどうかや周りの迷惑になっていないかどうかがわかるのに、そういうチェックを怠っている人が実に多いのに驚きます。

 「まず見る」こと。それだけのことにも気合が必要で、それができるのがちゃんとした大人ということなのではないか、と思うようになりました。

 見ることは情報収集の第一歩です。

 最近自転車通勤をするようになって、後ろからくる車への注意を払うことが多くなりました。

 ほんの一瞬、ちらっと後ろを見るだけでよくて、それだけで後ろから同じ車線上を車が近づいているかどうかを把握することができます。

 危ないと思ったら減速したり止まったりすればよく、安全ならばスピードを出せばよい。自分を中心にすえるのではなく、周りとの相対的な関係性を常に把握することで危険は避けられるのです。

 「見ること」は周囲に対する関心をもつこと。それはとても大事な情報収集の第一歩です。


       ◆


 掛川で助役として使えた榛村市長さん(当時)は、集会などで一番前の席に座ったときは必ず後ろを振り返って、誰が来ているかを見ていました。

 知っている人がいればもちろん「やあ」と手をあげたりして挨拶するのですが、挨拶をするために眺めるというよりは、どういう人たちが集まっているのかを知っておくことが大事だ、と思っているかのようでした。

 ここのところ、週末の選挙に向けていろいろな会合に呼ばれることが多いのですが、見ていると参加者の態度は大きく分けて二種類で、一つは周りをキョロキョロ見渡して知り合いがいれば挨拶をする、ときには近寄って旧交を温めあうという態度。
 そしてもう一つは、まるで「ここにいることを知られたくない」とでもいうかのように、うつむいて周りを見ようともせずただじっとしている態度。

 衆目の前で敢えて目立つ必要もありませんが、周りにどんな人がいるかということをおろそかにせず状況把握するのも生涯学習なのかな、と感心して、今では私も会合ではキョロキョロするようになりました。

 そしてそのお陰で、長く会えていなかった人を見つけたり互いに印象を深め合うこともできるのです。


    ◆


 まちなかを歩いていると、歩きスマホをしながら歩いている人を多く見かけます。

 ほんのちょっと頭をあげて周りを見渡すだけで危険かどうかや周りの迷惑になっていないかどうかがわかるのに、そういうチェックを怠っている人が実に多いのに驚きます。

 「まず見る」こと。それだけのことにも気合が必要で、それができるのがちゃんとした大人ということなのではないか、と思うようになりました。

 見ることは情報収集の第一歩です。

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北海道の食をめぐる旅商品

2016-07-07 23:24:55 | Weblog

 ある知人が夕張に泊まろうとして「生まれて初めて満員だ、と断られそうになった」と驚いていました。


 ようやく泊まった夕張のホテルでは、日本人は彼ひとり。彼以外はみな外国人の観光客だったそう。

 不思議に思って「ここに泊まって何をするんですか?」と訊いてみると答えはなんと、「夕張メロンを食べに来ました」だったのだそう。

 これまで北海道観光といえば、大倉山シャンツェだとか旭山動物園だとか、施設をめぐる周遊がほとんどだったのですが、ここへきて『何をするか』『楽しむとは何か』というレベルの上がった観光が増えているようです。

 そして同時に北海道の食材は十分に観光コンテンツとしてのブランド力がついている。「○○を食べに北海道へ行こう」が旅のキーワードになるのです。

 これまでも「カニ」「寿司」「ラーメン」などは目的となる食としての役割を果たしてきましたが、そのすそ野がさらに広がっていることを感じさせます。


 もっとも京都などは、もともとそれほど取れない京野菜や周辺地域の食材を少量使って料理することで「京料理」という食のブランドを確立させました。そこには歴史と伝統という積み重ねがあればこそ。

 北海道も、まずは食材そのものの美味しさで誘いつつそれに付加価値をつける料理ブランドをじっくりと作り上げていきたいですね。

 それにしても夕張メロン、おそるべし。これまたブランドを守る努力の賜物ですね。

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昭和のヒーロー、ウルトラセブン誕生秘話

2016-07-06 23:44:44 | Weblog

 NHKBSプレミアムはときどき素晴らしい番組を見せてくれます。

 今日の「アナザーストーリー」は「ウルトラセブン伝説」で、ウルトラシリーズでも最も人気のあったウルトラセブンを取り上げました。

 初代のウルトラマンが終了したのはなんと「制作に時間がかかったため」なんだとか。

 なにしろ模型を作るのに十日、撮影した映像を編集するのに一週間かかるのが当時の特撮の現状。それでも世界で最も進んだ特撮技術だったのだそう。

 ウルトラマンが怪獣相手の戦いで怪獣ブームが生まれたのですが、ウルトラセブンのテーマは「侵略」。だからウルトラセブンが戦う相手は地球侵略をもくろむ宇宙人が多い。
 しかも物語には哲学的なテーマが多く、ファンが多いこともうなづけます。

 そして最初に監督と主演の森次晃司さんが取り組んだのが、ウルトラマンの「シュワッチ」を超えるウルトラセブンの「ジュワッ」という声だったとか、子供心に憧れのアンヌ隊員はもともとの女優さんの代役だったとか、裏話が満載。

 第一話が完成したのは放送の三日前だそうですよ。

 見逃した方は、7月12日に再放送があります。昭和生まれは必見ですな。

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あなたが感じてきた思いは誰かに伝わりますかね

2016-07-05 23:05:14 | Weblog

 今月号の「致知」、八月号が届きました。

 人は人の生きざまに感動し、感化されて初めて我が身を振り返り成長します。

 良い言葉も人を感動させますが、真に人の心の中に燃えたぎる情熱を生み出すのは実際に生きた人の生きざまにほかなりません。

 「致知」今月号の特集テーマは「思いを伝承する」。文章の最初に「瀉瓶(しゃびょう)」という初めて見る見慣れない単語が出てきました。

 瀉秒とは、かめの水をそのまま他のかめに移し入れること、なのだそう。これが転じて、師匠が己の一道を通じて体得したものすべてを弟子に注ぎ込む、弟子もまた一滴もこぼさぬようにこれを受け止める、という意味があるのだと。
 師と弟子の思いを伝承する究極の姿を凝縮した一語です。


 しかし世の中のタイミングというものは全てその様にうまくはいきません。習いたいときには良い師匠がいないかもしれず、教えてあげたいときには弟子がやる気になっていない…。

 短い人生の中で、師匠と弟子が出合い双方の意気が合うというのは案外難しいのかもしれません。

          ◆  

 吉田松陰が生涯に一度も会えなかったことを惜しんだ橋本佐内が述べている「人物を磨く五つの要諦」が紹介されていました。

 一、稚心(幼稚な心)を去れ、
 二、気を振るえ
 三、志を立てよ
 四、学に努めよ
 五、友を択べ

 どうでしょう。このような先哲の言葉を読んで改めて背筋を伸ばしましょう。

 あなたのこれまで生きてきた思いは誰に伝えますか?

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狸小路は異空間への入り口か

2016-07-04 23:46:36 | Weblog

 今日は妻の誕生日で、夜に職場近くのイタリアンレストランでお祝いの食事をしてきました。

 帰りがけに狸小路を西側にずっと歩いていると、ちょっと昭和っぽいレトロ感覚のお店や、異空間に入り込んでしまいそうな飲み屋街までずいぶん変わったお店が多いことに改めて気が付きました。

 ともすると東側の一丁目から五丁目くらいまでの賑やかさが印象的ですが、実は西側へ行けば行くほどちょっと変わったお店が増えてきます。

 私の父は昭和の初めに幼くして両親に死に別れたのですが、引き取ってくれた親戚の叔母は一時狸小路でキャラメルを専売して生計を立てていたのだそうで、今でも時々懐かしそうに当時の話を聞かされます。

 私の人生にちょっとだけ所縁のある狸小路。まずはここだけでもちゃんと探検しておくのも面白いかもしれません。

 …で、なぜ「狸小路」と呼ばれたのか。

 諸説あるようですが、狸小路商店街のホームページでは、1891(明治24)年発行の『札幌繁昌記』を引用して、こう書かれています。


「狸小路とは綽名なり。 創成川の西側、南二条と三条との間の小路をいう。このところ飲食店とて、西二丁目三丁目にて両側に軒をならべ、四十余の角行燈影暗きあたり、一種異体の怪物、無尻を着る下卑体のもの、唐桟の娘、黒チリ一ツ紋の令嬢的のもの、無りょ百三四十匹、各衣裳なりに身体をこしらい、夜な夜な真面目に白い手をすっくと伸ばして、北海道へ金庫でも建てようと思い込みかつ呑み込み、故郷を威張ってはるばる来た大の男子等を巧みにいけどり、財布の底を叩かせる。ハテ怪有な動物かな、その化かし方狸よりも上手なれば、人々かくは『狸小路』となんよべるなり」。 


 言葉巧みな商売女たちの化かし方が狸よりも上手だったので『狸小路』と名付けられたのだそう。

 遊びすぎて帰ったら、財布の中身が葉っぱだらけにならないように気を付けましょう。剣呑剣呑。

 

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クラウンに乗ってるときは儲かってないんですよ

2016-07-03 23:22:32 | Weblog

 外壁を修繕中の我が家。修繕をお願いしている建築業者の社長さんが、朝一番にやってきて今後の方針について打ち合わせをしました。

「通気をよくして下地を取り換えればもう変な劣化はなくなると思うので、それでいいですか」
「わかりました、それでお願いします。日曜なのに朝からすみませんね」

「貧乏暇なしですよ(笑)。こういう確認だけはほかの人に任せられなくて私自身で来ておかないとね」
「いつもすみません。それにしても、普段は使い込んだ白いバンだけど今日は黒のクラウンですか。いい車ですね。こういうのに乗ってくると『儲かってるんだなあ』と思われちゃいますよ」

 そういうと社長は、「あのね、これはただの鉄の塊。たまに動かさないと調子が悪くなっちゃうから動かしているだけ。本当に儲かっているときは、白いバンに資材をたくさん積んで動かしているときさ」と冗談めかして爆笑。

 "モノが動かないと儲かっていない"という表現が面白く感じました。我が家の修繕依頼も少しはモノとお金を回すことに貢献しているのかな。

 少しはマケテほしいんだけどね(笑)
 

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アウトドアで「あの人はベテランだ」と思われるために

2016-07-02 23:19:06 | Weblog

 "オピネル"というアウトドアでは相当に知られたナイフのブランドがあります。

 ホッケ釣りに行ったときに、同行してくれたアウトドアガイドのみずき君がサクッと持ち合わせているナイフで活〆をしてくれたおかげで一夜干しが美味しく食べられたのに感動。

 (そうか、食べられる魚釣りをするならば良いナイフがいるなあ)と思い、先日の支笏湖での釣りの前に「秀岳荘」で買い求めて、勇躍支笏湖キャンプへと参加したのでした。

 夜に宴会をしている最中に半分自慢気にナイフをちらちらと見せると、「お、小松さん、オピネルじゃないですか!」と気が付いてくれる友人がいて、「へへ、買っちゃいました」と言うと、「あー、新品ですねー」とちょっと笑われる。

「まだ買ったばっかりなんですよ」というと、「ふふん、小松さん、帰られたらネットで"オピネル"、"黒錆"で検索してみてください。ステンレスじゃない刃をつけているこのナイフは外で使うと簡単に錆びるので紅茶と酢でわざと黒い錆をつけるんです。そうすると錆びないし、黒光りしてかっこいいんです。そうするとナイフを持っていても"ベテランに見えますよ"」

 "ベテランに見えますよ"という言葉はちょっとハートをくすぐります。家でネットを調べると、なるほど、一度ナイフを分解して、刃の部分の脂分を丁寧に取った後で紅茶と酢の溶液につけて黒く錆びさせるという方法がすぐに検索できました。

 これはもうやってみるしかない、というわけで、必要なシリコン除去スプレーを買ってきてからナイフを分解。要領がわからない最初は苦労しましたが、ネットを丁寧に読み込むとちゃんとわかるように書いてくれていました。


          ◆  


 なんとかナイフをバーツごとに分解して、刃のブレード部分は#1200の耐水ペーパーで錆を徹底的に落とし、それから脂分を除去して紅茶溶液に漬けました。

 その間に柄の部分は刃の隙間をヤスリで広げたり、クルミ油を塗って耐久性の向上を図ります。

 外での用事をたして帰宅してからブレードを取り出すと、おお!見事に真っ黒になっています。

 慎重にティッシュで余分な黒錆を落としてから分解と逆の工程で慎重に組み立て行くと、黒くて風格のあるオピネルナイフに変身です。

 ふふふ、これで次回からはちょっとベテラン面してナイフをチラ見せできますぞ。

 自分の道具をちょっとカスタマイズして嬉しくなった雨の土曜日でした。

 

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