4月1日(火)
今年も4月を迎えた。去年、一昨年と「退職」の1年目、2年目というのを書いてきた。今年も書きたいこともあるけど、まあいつでもいい感じになってきた。3月の初めは結構寒かった。だけど、1か月後には桜も咲くだろうし、消費税も上がるしプロ野球も開幕することは判っていた。でもロシアがクリミアを併合するとか、鶴竜が横綱に昇進するとか、袴田巌さんが釈放されて4月を迎えるとかは予想していなかった。
映画の話は書いたばかりなんだけど、紹介しておきたいと思って。映画サービスデーだから何を見ようかと思って、ロードショーもいいけど早稲田松竹でやってる「ゼロ・ダーク・サーティ」と「キャプテン・フィリップス」を見ようかと思っていたのである。でも長い映画だし、実を言えばあまり見たいわけでもなく、ビンラディンの暗殺作戦とかの情報を、アメリカ映画を通してみておいた方がいいかなという義務感みたいなものが大きかった。だから、どうも息が乗らなくなって、飯田橋のギンレイホールに行くことにした。ここは2本立て2週間上映で、いい映画をやってるけど、最近は行ってない。11日まで、「もうひとりの息子」「少女は自転車にのって」。
「もうひとりの息子」は東京国際映画祭グランプリで、フランスの女性監督ロレーヌ・ラヴィという人が作った「子どもの取り違え」ものである。と言えば、昨年カンヌで受賞した是枝裕和作品「そして父になる」も同じなんだけど、この両作を比較して考えてちゃんと書きたいと思う。何しろ、イスラエルの国防省に務める男の長男と、パレスティナの封鎖された町ラマラの自動車修理工場の次男が取り違えられたという話である。一人はユダヤ人として、もう一人はパレスティナ人として育てられて、もう18歳である。というこの設定がすべての物語だけど、これは緊迫した佳作で見る価値がある。12~18に早稲田松竹でも上映がある。
一方、これは拾い物だと思ったのが「少女は自転車にのって」で、サウジアラビアの女性監督の映画という貴重な作品。でも岩波ホールでやった時、岩波は世界を紹介する意味で、「良心作」だけど映画としては薄味ということがあるので、これは見なくていいやと思ってしまったのである。でも、ハイファ・アル=マンスールという1974年生まれの女性監督の手腕は確かなものがあった。思えば、サウジアラビアの女性の部屋とか女学校は、真に世界の秘境である。アマゾンやチベットはお金と健康があれば見に行けるが、サウジの女性の部屋は僕には絶対見ることができない。同国人の女性映画監督の作品以外では。自転車に乗るかどうかが問題という、日本では昭和の初めみたいな状況で、母親は夫を待ちわびるという「蜻蛉日記」みたいな世界。自転車に乗りたいと思う女の子は、学校の宗教コンクールに出場する。コーランの知識と朗唱を競うものである。少女は学校の「宗教クラブ」に入れてもらい、頑張りはじめる。賞金欲しさに。で、どうなるか。女性の目で見たサウジアラビアの現代は驚きの連続である。
今年も4月を迎えた。去年、一昨年と「退職」の1年目、2年目というのを書いてきた。今年も書きたいこともあるけど、まあいつでもいい感じになってきた。3月の初めは結構寒かった。だけど、1か月後には桜も咲くだろうし、消費税も上がるしプロ野球も開幕することは判っていた。でもロシアがクリミアを併合するとか、鶴竜が横綱に昇進するとか、袴田巌さんが釈放されて4月を迎えるとかは予想していなかった。
映画の話は書いたばかりなんだけど、紹介しておきたいと思って。映画サービスデーだから何を見ようかと思って、ロードショーもいいけど早稲田松竹でやってる「ゼロ・ダーク・サーティ」と「キャプテン・フィリップス」を見ようかと思っていたのである。でも長い映画だし、実を言えばあまり見たいわけでもなく、ビンラディンの暗殺作戦とかの情報を、アメリカ映画を通してみておいた方がいいかなという義務感みたいなものが大きかった。だから、どうも息が乗らなくなって、飯田橋のギンレイホールに行くことにした。ここは2本立て2週間上映で、いい映画をやってるけど、最近は行ってない。11日まで、「もうひとりの息子」「少女は自転車にのって」。
「もうひとりの息子」は東京国際映画祭グランプリで、フランスの女性監督ロレーヌ・ラヴィという人が作った「子どもの取り違え」ものである。と言えば、昨年カンヌで受賞した是枝裕和作品「そして父になる」も同じなんだけど、この両作を比較して考えてちゃんと書きたいと思う。何しろ、イスラエルの国防省に務める男の長男と、パレスティナの封鎖された町ラマラの自動車修理工場の次男が取り違えられたという話である。一人はユダヤ人として、もう一人はパレスティナ人として育てられて、もう18歳である。というこの設定がすべての物語だけど、これは緊迫した佳作で見る価値がある。12~18に早稲田松竹でも上映がある。
一方、これは拾い物だと思ったのが「少女は自転車にのって」で、サウジアラビアの女性監督の映画という貴重な作品。でも岩波ホールでやった時、岩波は世界を紹介する意味で、「良心作」だけど映画としては薄味ということがあるので、これは見なくていいやと思ってしまったのである。でも、ハイファ・アル=マンスールという1974年生まれの女性監督の手腕は確かなものがあった。思えば、サウジアラビアの女性の部屋とか女学校は、真に世界の秘境である。アマゾンやチベットはお金と健康があれば見に行けるが、サウジの女性の部屋は僕には絶対見ることができない。同国人の女性映画監督の作品以外では。自転車に乗るかどうかが問題という、日本では昭和の初めみたいな状況で、母親は夫を待ちわびるという「蜻蛉日記」みたいな世界。自転車に乗りたいと思う女の子は、学校の宗教コンクールに出場する。コーランの知識と朗唱を競うものである。少女は学校の「宗教クラブ」に入れてもらい、頑張りはじめる。賞金欲しさに。で、どうなるか。女性の目で見たサウジアラビアの現代は驚きの連続である。