尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

道灌山散歩

2018年11月23日 20時38分46秒 | 東京関東散歩
 散歩というより「途中下車」程度だけど、昔からどんなところだろうと思っていた「道灌山」を歩いた。JR山手線で一番新しく1971年に作られた西日暮里駅。地下鉄千代田線開通に伴い、乗り換え用に作られた。以来JRと地下鉄を何百回も乗り換えたが、駅を出たことがなかった。駅の真ん前にある高台が「道灌山」である。江戸時代には景勝地として知られ、多くの浮世絵に描かれた。
  
 西日暮里駅の道灌山方面出口を南へ上ると「西日暮里公園」がある。ここに道灌山の昔をしのぶ解説パネルが立っている。右に絵や写真、左に解説が書かれたパネルが3セット。「道灌山」の説明、「日暮里船繋松」(ふねつなぎのまつ)、「道灌山虫聴き」である。ここは武蔵野台地の東端で、西は富士、東は筑波の眺望で知られた。秋になると虫聴きの名所として有名だった。「道灌山」の名前は江戸城を作った太田道灌の出城があったという説と鎌倉時代の豪族、関道閑の館跡という両説があると書いてある。てっきり太田道灌だと思ってた。
 
 西日暮里公園から少し南へ歩くと、もう谷中の寺町。日暮里は今は谷中方面の散歩で始終賑わっているが、西日暮里となると人が少ない。荒川区立第一日暮里小学校前に高村光太郎の書で「正直親切」の碑が建っている。その近くに一番古い美術団体の「太平洋美術会」があった。この一帯は今は山を切り開き鉄道と道路が作られたので、山という感じはない。西日暮里公園だけが多少昔をしのばせている。公園を出ると、階段になる。下の道路が道灌山通り、向こうの建物が開成学園、反対側を見るとJRの西日暮里駅。
    
 階段を下りて歩道橋を渡って道灌山通りの北側へ出る。そのまま線路沿いに上っていく道が「ひぐらし坂」。坂の途中に「道灌山遺跡」の解説版がある。開成学園の校庭工事で弥生時代の土器などが出土したという。坂を登りきると、下の線路を一望。JRの山手線、京浜東北線に加えて、東北・上越新幹線や東北線も通っている。遠くにはスカイツリーも見える。少し行くと北区で「田端台公園」があり、田端駅南口も近い。公園から左へ下りると「道灌山坂」がある。
   
 その坂の途中に「道灌山学園」があった。東京の東の方で高校教員をしていると、「道灌山学園」の名をよく聞く。特に保育士を目指す生徒の進路先として有名。「道灌山学園保育福祉専門学校」では保育士、幼稚園教諭、介護福祉士などの資格が取れる。僕は「道灌山」と聞くと、一番最初にここを思い出すんだけど、一般的には西日暮里駅に近いところにもっと広い敷地を持つ「開成学園」の方が有名だろう。毎年のように、東大合格者ナンバーワンになるあの「開成」である。僕は初めて見たんだけど、ここにあったんだ。学校用地が「向陵稲荷坂」をまたいで橋で結ばれていた。
 
コメント
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