尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

真姿の池と武蔵国分寺跡ー国分寺散歩

2019年12月02日 22時47分26秒 | 東京関東散歩
 中央線国分寺駅前にある「殿ヶ谷戸庭園」を見てから、しばらく南へ歩く。都立庭園に国分寺散歩マップが無いのは困るけど、あちこちに「国分寺跡」の表示があるので間違えないだろう。「不動橋」(一里塚信号)を右(西)へ曲がって、気持ちいい道を歩く。「お鷹の道」までは案外遠いが、落ち着いた家並みが続くので飽きない。やがて「お鷹の道」入り口が見えてくる。尾張藩の鷹狩りの狩り場だったところで、そこに整備された小道が素晴らしい。ホタルのためにカワニナ保護の看板がある。
   
 ここは「お鷹の道・真姿の池湧水群」として環境庁(当時)の「名水百選」に選ばれている。選定は1985年のことだから、ずいぶん昔のことだ。僕はそれ以来日本各地で、多くの「名水」を訪ねてきた。「水」が好きなのである。それなのに、ずっと前から行きたかった国分寺は初めてである。初めて来て、こんなに気持ちのいい道が東京にあったのかと思った。湧水が豊富なうえ、透きとおっている。「お鷹の道」を歩くのは楽しい。やがて「真姿の池」方向への曲がり道になる。
   
 遠くに赤い鳥居が見える。「真姿の池」はどこだと思うと、その鳥居の場所だった。鳥居から池の中へ道が通り、向こうにお堂がある。池の水は透きとおっているが、樹に囲まれて薄暗くてよく見えない。池を通って先へ行くと階段があり、何があるんだろうと登ってみたら、旧国分寺の「僧寺北東地域」だった。何もない場所だけど、説明板があった。戻って「お鷹の道湧水園」へ入る。
   
 この「湧水園」は2009年に作られた施設で、入園料100円が必要だが入る価値がある。(入園料はすぐそばの史跡の駅「おたカフェ」で払う。一帯は国分寺崖線に面したところで、園内に湧水もある。この地区の地主の家だった場所で、入り口は風格ある門(2階に上れる)になる。庭の端には旧国分寺にあったという「七重の塔」がミニチュアで復元されている。また「武蔵国分寺跡資料館」(3枚目の写真)がある。旧武蔵国分寺を知るためには必見で、発掘で見つかったという観音像も展示されている。瓦などは別にして、旧国分寺由来の仏像としては唯一のものだそうだ。
   
 「武蔵国分寺跡」はすぐ近い。もっとも国分寺の区域全体は広いので、相当あっちこっち行かないといけない。今は何もなくて「解説板」があるだけだから、まあ金堂講堂があったところだけでいいだろう。日本中に作られた国分寺だが、そのまま残っている寺院はない。諸国の国分寺も中世になって荒廃したところが多い。武蔵国分寺は鎌倉末期の「分倍河原(ぶばいがわら)の合戦」(新田義貞と鎌倉幕府の戦い)で焼け落ちた。その後再建された「武蔵国分寺」も近くにある。そこには楼門や万葉植物園があるが、古代から続く寺院ではない。「国分尼寺」の跡はちょっと離れているので行かなかった。
   
 大分疲れてきたので、駅に戻ることにする。駅と言っても今度は西国分寺。駅の方へ行く道は広大な「都立国分寺公園」になっている。「都立多摩図書館」もある。まっすぐな道は古代の「東山道武蔵路」で、線路近くに展示施設が作られている。何だかよく判らないけど、発掘した昔の道跡だ。線路の北側に「姿見の池」がある。せっかくだから寄っていこう。やっとたどり着くと、鴨が泳いでいた。静かな池である。このように湧水が多い理由を書いてある説明板があった。(写真の最後)
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