尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

柴又の𨗉渓園と山本亭ー東京の庭園⑧

2019年12月19日 22時40分54秒 | 東京関東散歩
 東京もそろそろ散歩の季節が終わりつつあるが、関東の冬には時に「陽だまり散歩日和」がある。今年は特に暖冬らしいから、まだまだ庭園散歩ができるかもしれない。都立庭園9つのうち7つに行ってみたが、紅葉の季節にはスタンプラリーもあって動機付けになる。しかし、東京には国営(新宿御苑や皇居東御苑)もあれば、区営や私営の庭園もある。夜に浅草で浪曲と落語を聞いた日、昼間は暖かな一日だったのでしばらくぶりに葛飾の柴又へ行ってきた。ここにも庭園がある。

 今年は「男はつらいよ」公開から50周年。なんと新作が公開されるということで、柴又も観光客が多くなりそうだ。「男はつらいよ」シリーズを見ていると、柴又帝釈天は東京中の人がよく行く一大観光寺院のように思えてくる。時々偶然のように寅さんとマドンナが柴又で再会したりするが、柴又はそんなに誰もが行くとこじゃない。地元の人を除けば、映画で知られたところだと思う。(客が多いのは浅草がダントツで、次は巣鴨のとげ抜き地蔵だろう。)僕も柴又に行ったのは2回だけ。一回は千葉県市川市に住んでいたときに「矢切の渡し」を使って往復した。だから京成線柴又駅を利用するのも2回目だ。

 柴又全体の話はまた別にして、今回は庭園に絞って。まず「𨗉渓園」(すいけいえん)だが、「すい」の字が「遂行する」じゃなくて難しい。誰も書けそうもない庭園で、名前を言われても判らない人が多いだろう。これは柴又の中心、映画では笠智衆が御前様を演じていた「帝釈天」つまり「経栄山題経寺」(きょうえいざん・だいきょうじ)のお庭のことである。そんなものがあるのかと思う人がいるかもしれない。「彫刻ギャリー」とセットで有料になったゾーンである。本堂の奥の方に回廊で続いている。
   
 上の写真で判るように、この庭園はとても素晴らしい。ウィキペディアで調べると、向島の庭師永井楽山の設計により1965年に作られたという。いわゆる池泉回遊式だが、今までに訪れた庭園は自分で歩き回るが、ここは周りの回廊から見る形式である。そこが不満でもあるが写真としては面白い面もある。まあ時間的には少し短いかな。本堂から回廊を歩くと、こんな感じで建物に入る。
   
 彫刻ギャラリーも含めて庭園の回廊めぐりも、靴を脱いで回る。靴下だけだから冬は寒いかもしれない。途中に休憩できる場所がある。それが最初の写真2枚目と下の写真1枚目。ちょっと庭に突き出た場所にある。無料でお茶を飲めるから、ここで休んで写真を撮ってる人が多い。400円掛かるが、柴又帝釈天へ行ったら是非寄ってみるべきところかなと思う。
 
 そこから少し歩くと「山本亭」がある。元は瓦工場があったが関東大震災で倒壊し、その後台東区でカメラ製造をしていた山本栄之助氏が庭園を整備した。1933年頃に完成したらしい。近代和風建築と純和風庭園が見事に調和とパンフに出ている。葛飾区が1988年に取得し、お庭を見ながら緋毛氈に座って抹茶を飲める喫茶をやってる。最近、外国人観光客に人気が出ていて注目されている。
   
 喫茶なしなら100円、近くの葛飾寅さん記念館との共通券は550円。僕はお茶は飲まなかったが、それはこのレベルなら他にもあると思ったからだ。ガラス戸越しに庭園を見るだけだから、はっきり言って日本人には面白くない。それだけで庭に出られないのである。正直、なんだという感じ。裏を回って「寅さん記念館」に行ける。その道も案外つまらない。今回は「庭園散歩」を目的にしているので、全然散歩にならないのでガッカリなのである。外国人観光客には珍しい日本情緒なんだろうが。隣が「柴又公園」でその下に「寅さん記念館」がある。その公園に登ると、山本亭が見晴らせる(最後の写真)。
   
コメント
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