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夕方、タロを散歩に連れて行くと今はもう水の無い田んぼの用水路からギャァギャァっていう子猫の声。よせばいいのにどんなかな、なんて見たのが運の尽き。親猫とはぐれたのか捨てられたのか、一匹で寂しく泣いていた。更にふっと持ち上げて顔を見たのがまずかった。「か、可愛い!」
家でのタロの反応はというと、ジーーッと見て尻尾振っていた。もしかしたら仲良く出来るのかなぁ、と思っていたらいきなりガブッ。まぁそんなこんなで飼うのは断念。だけど元の場所に戻すってわけにもいかない。そういう時に限って雷は鳴るわ雨は降るわで気温急降下。そこで心当たりに電話してみた。
「K君にお嫁さんを世話したいんだけど。」 「何それ。」 「この前猫が死んじゃったけどあれからどうした?」 「あのまんまだよ。」 「うちに子猫居るんだけどさぁ。」 「ダメ、ダメダメダメッ。」 まだ喪中だもんなぁ。 |
「Yさんに愛人を紹介したいんだけど。」 「えーーっ。」 「猫飼わない?」 「ね、猫はいいよ、もう2匹も居るんだもの。」 「それってあの時拾った猫?」 「そうだよ。」 「やっぱり飼う事にしたんだぁ。」 「そりゃぁだって仕方無いよぉ。」 「そっか、じゃぁどうしようかなぁ。」 「猫はどのくらいの大きさ?」 「まだ拳くらいだよ。」 「じゃぁ餌を1人で食べられないから死んじゃうなぁ、キツネに食べられちゃうかもしれないし。」 「言わないでよ、そんなの分ってるんだからぁ。」 |
翌日、近所の I ちゃんに電話したところ、「嬉しいぃ、縁があれば飼いたいと思ってたぁ。」と言われた。縁というのは捨て猫とか飼うのに困ってる猫が居れば、というやつ。じゃぁ、と気の変らないうちに見せに行ったら「カワイィィィ」
それにしても子猫とか子犬ってのは見たらもうダメだね、見た瞬間「飼おう」という心に変ってしまう。喩えていえばギリシャ神話のゴーゴンだな。日頃ペットっては責任持って飼うもんだと思ってるだけに、ここで子猫を放置しようものなら人でなし呼ばわりされちゃいそうだ。というわけで兎にも角にも万事丸く治まってホッとした。
タロは4匹の子供を産んだことがある。しかも飼い始めてから1年も経たない頃だ。その内2匹は引き取り手が見つかったけど、もう2匹は何としても見つからない。そしたら町田の東急ハンズで里親探しをしてくれるって言うんで持ってった。無事引き取って貰えたけど、もう2度とあんな思いはしたくない。檻の中に入った2匹を見るとねぇ。今回の猫もそういう所に引き取って貰うという選択肢があったけど、お世話にならずに済んで良かった。
猫が鼠を捕るために飼われてた頃、避妊なんて話は聞いたことがなかった。なので時期になると子猫があちこちで生まれたが、飼うわけにはいかないので家の誰かが川に捨てたりした。捨てる役の人は嫌な思いをしたことだろう。当時は可哀想と思ったけど、そのくらいの覚悟が無い限り犬や猫は飼わない方が良いんだな。ところで、捨てる神あれば拾う神ありって言うけど、捨てるのも神なのか。