prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「マイ・ボディガード」

2005年01月22日 | 映画
なんでこう画面を悪く凝りますかねえ。ちゃかちゃかコマをとばして昔の8ミリじみて色を不安定にしたりして、見ずらくっていけない。だものだから肝腎の芝居やアクションが良く見えなかったりする。

後半、誘拐事件で人質が殺されて(と思われて)から、やたらハードなヴァイオレンス描写に突っ走ってそれ自体が目的化したみたいで、仇討ちが口実じみてくる。
エンドタイトルでわざわざメキシコ・シティに謝辞を出しているのは、警察まで誘拐団とぐるというヒドい状況の描き方に対するエクスキューズみたい。同じ監督の「リベンジ」と凄惨さでは近い。

デンゼル・ワシントンの手の甲の煙草を押し付けたようなヤケドの跡、あれは一体何なのか。
(☆☆☆)


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マイ・ボディガード- Amazon

「ターミナル」

2005年01月22日 | 映画
本来宙ぶらりんでドラマになりようがない状況にムリに悪玉善玉がかった設定をしてドラマに仕立てている。主人公がニューヨークに出ていくクライマックスにせよ、本当に求めていたわけではなくて、周囲が勝手な善意からお膳立てしただけなもので、一向にカタルシスがない。
実話の方だと空港に暮していた男は現地のフランス語をまるで覚えようとはしていなかったというが、それくらい一種の狷介さがあって当然のオハナシだろう。

出るなと言われた空港から出ないのは、先生に言いつけられた小学生みたい。それを周囲が助けてやるという展開なのだが、子供ならともかく大人に周囲がお節介をやくのは見ていて周囲の自己満足じみて見える。
もちろん政治的な重さや不条理は、要求するだけヤボというもの。

エンドタイトルを見ていると、編集にムヴィオラを使っている。「プライベート・ライアン」ではスタインベックをつかったそうだが、デジタル編集が当たり前になった現在、わざわざアナログなやり方をしているのはスピルバーグらしい。
(☆☆☆)


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