主演・松田優作、風吹ジュン、脚本・橋本綾、監督・崔洋一、撮影・浜田毅、音楽・梅林茂による、土曜ワイド劇場枠で1983.12.3に放映された二時間ドラマの再放送。ちょうど、「探偵物語」「家族ゲーム」が公開された年。
ビデオも廃盤になった作品だったが、田村正和主演の「疑惑」が近々放映される宣伝代わりに松本清張つながりで再放送されたもの。
優作の役は、女たちの間を渡り歩きながら女名前の銀行通帳に金を出し入れしているから、女を殺して財産を奪っているのかと思うと、そういうわけではなくて、女たちが勝手に死んでもほったらかして去ってしまうので、結果として殺した格好になってしまう、というもの。
男の出自がよくわからずセリフが少ないハードボイルドタッチもあって、男の謎の部分を常に意識させる作り。通帳に使われている「明子」という名前が誰のものなのかも複数あって、いずれにせよ男が「帰る場所」につながっているには違いないけれど、それがどこなのか、逃げ水みたいにわからなくなっていく。
銀行内部がああも個人情報を杜撰に扱うのは、今ではもちろん、当時でもちょっと乱暴。
心中未遂で生きのびた優作が、女と手首同士を結んだ赤い糸(実際は紐だが)を切るアクションを何度もアングルを変えた短いカットでぱっぱと重ねて見せるところで、この男、まったく他人の「縁」を結ぼうとしないのだなとわからせる。
望遠で捕らえられた神社の階段や、ラストの埠頭のカットなどシャープな画が随所に見られる。
それにしても、昼間の二時間ドラマの再放送というのはほとんど見ないが、のべつ番宣のテロップは出るわ、CMのたびに田村正和は現れるわで、番組見ているのか番宣見ているのかわからない。録画でCM飛ばせなかったら、我慢できなくなりそうなくらい。
本ホームページ
ビデオも廃盤になった作品だったが、田村正和主演の「疑惑」が近々放映される宣伝代わりに松本清張つながりで再放送されたもの。
優作の役は、女たちの間を渡り歩きながら女名前の銀行通帳に金を出し入れしているから、女を殺して財産を奪っているのかと思うと、そういうわけではなくて、女たちが勝手に死んでもほったらかして去ってしまうので、結果として殺した格好になってしまう、というもの。
男の出自がよくわからずセリフが少ないハードボイルドタッチもあって、男の謎の部分を常に意識させる作り。通帳に使われている「明子」という名前が誰のものなのかも複数あって、いずれにせよ男が「帰る場所」につながっているには違いないけれど、それがどこなのか、逃げ水みたいにわからなくなっていく。
銀行内部がああも個人情報を杜撰に扱うのは、今ではもちろん、当時でもちょっと乱暴。
心中未遂で生きのびた優作が、女と手首同士を結んだ赤い糸(実際は紐だが)を切るアクションを何度もアングルを変えた短いカットでぱっぱと重ねて見せるところで、この男、まったく他人の「縁」を結ぼうとしないのだなとわからせる。
望遠で捕らえられた神社の階段や、ラストの埠頭のカットなどシャープな画が随所に見られる。
それにしても、昼間の二時間ドラマの再放送というのはほとんど見ないが、のべつ番宣のテロップは出るわ、CMのたびに田村正和は現れるわで、番組見ているのか番宣見ているのかわからない。録画でCM飛ばせなかったら、我慢できなくなりそうなくらい。
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