キャラクターが文字通りすべて操り人形で、操る糸が丸見えというのが新機軸。操られていることをあからさまに見せてしまう点では通じるところのある日本の文楽と違って、操り師の姿は見えないのでキャラクターは運命に操られているとも、常に何かとつながっているとも見える。
糸が切られることが、命を絶たれることにも自由になることにもなる、多義的な表現。
途中から主人公の王子が放浪する羽目になり、貴種流離譚めいた展開になるが、実は自分の王家ももともと侵略者だったことがわかるあたり、何やらウルトラセブンの「ノンマルトの使者」みたい。
日本語吹き替えだとはむろん知っていたけれど、監督が庵野秀明とは知らないで見た(題名だけ知っていて、衛星放送を録画したのです)。人形はヨーロッパ製くさいのに、妙に日本っぽいと思ったら。
(☆☆☆★)