prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ヘルボーイ ゴールデン・アーミー」

2009年10月28日 | 映画
ニューヨークの街で暴れた植物の巨人の死んだ身体からみるみる草木が生え綿毛が飛ぶシーンで、「もののけ姫」のデイダラボッチみたいだと思っていたら、後半、明らかに宮崎駿作品を思わせるシーンが続く。
世界を滅ぼしかねないので封印されたゴールデン・アーミーは「風の谷のナウシカ」の巨神兵だし、クライマックスの巨大な歯車の上の立ち回りはもろに「ルパン三世 カリオストロの城」(だいたい、ここで歯車出てくる必要はない)。

宮崎駿と共通するのはもうひとつ、自己犠牲もいとわない強い女性に対するフェミニズムで、これは真似ではなくギレルモ・デル・トロ監督の旧作「パンズ・ラビリンス」からしても、作者の本質から来ていると思う。

それにしても、出てくるクリーチャーたちのデザインの多彩で独創的なこと、あきれるばかり。見かけで怪物扱いされるヒーローの悲哀は、わざわざ「フランケンシュタイン」の実物を引用してくれてます。

ラブストーリーとしては、バリー・マニロウのCan't Smile Without Youを皮肉と見せて堂々と使っているのが目を引く。
(☆☆☆★★★)