prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「H.G.ウェルズのSF月世界探検」

2020年04月17日 | 映画
同じくSFの父と言われるジュール・ヴェルヌ原作でサイレント映画時代にジョルジュ・メリエスが映画化した「月世界旅行」(月が人間の顔になっていて大砲の球が刺さって泣く、あれね)と混同していたのだが、こちらはH・G・ウェルズ原作の「月世界最初の人間」の映画化。

オープニングで人類初の月面着陸を果たした宇宙飛行士たちが、なんと月面でユニオンジャックの切れっぱしを見つけるという、「星を継ぐひと」ばりの壮大なつかみがあるのだが、その後は古式ゆかしい初期SFのテイストにまとまる。
原作にはいない女性キャラクターをつけ加えているのだが、月に行くというのにウェーブのかかったロングヘアにロングスカート姿で通しているのが、ほとんど冗談みたい。

反重力物質というのを塗ると重力の影響を受けなくなり、地球から飛び立てるという空想的なガジェットを使うわけだが、なんだかディズニー映画の「フラバー」みたい。というか、フラバーの方がウェルズよりもちろんずっと後だが。

後半に昆虫型の月人や月牛が出てくるあたりはレイ・ハリーハウゼンの特撮の見せ場になるが、月を舞台にするともっと奇想天外なクリーチャーが出てきそうで、空想的な楽しさがかえって薄れた。

月牛は「ラドン」のメガヌロンみたい、月人が住む地下空間の入口はこの映画の四年後(意外と製作時期が離れていない)に作られた「2001年宇宙の旅」の月面基地のように天蓋が放射状に開く。



4月16日のつぶやき

2020年04月17日 | Weblog