三船敏郎主演の「姿三四郎」というのはありそうでなかったのだがその代わりみたい(「赤ひげ」の翌年の加山雄三が三四郎で、三船が矢野正五郎というのはあった)。
もっともドラマとすると成長物語であるところの姿三四郎と違い、三船のキャラクターが最初と最後で変わらず、敵役の小堀明男や田崎潤との戦いはあるものの、ずうっと同じような好漢であり続けているのと、香川京子との淡い恋も淡いままでなかなか発展しないものだから、どうも全体とすると平板。
柔道というのは飛び技がある打撃系格闘技と比べると派手さに乏しく、それを見せ場にしようとしてところどころほとんどプロレスみたいになっている。
脇役で平田昭彦、佐藤充、中島春雄といった人たちが出てくるのはお愉しみ。
明治時代のセットが立派な出来。三船主演となると東宝としても当然一級作品だったのだろう。
明治時代のセットが立派な出来。三船主演となると東宝としても当然一級作品だったのだろう。