チャーリー·カウフマン監督脚本で初の人形(オブジェクト)アニメ。
アニメといってもほとんど生の人間と変わらないような演技で、内容も通常だったら実写でやるようなのをあえて人形でやっているようで、あちこちにデフォルメが入ってくる。
出てくるキャラクターが少しの例外を除いて全部同じ顔をしているのなど、人形でやった方がコピーという以上の実在感が出る。
そういうフレゴリの錯覚(早変わりとモノマネを得意としたイタリアの喜劇俳優、レオポルド・フレゴリ(1867-1936)の名にちなむ)という症状が本当にあるらしい。
人形が演じるセックスシーンなどかえって人間がやるより生々しくて気恥ずかしいくらい。
日本製のダッチワイフが人形と人間の結節点に置かれた格好。
「マルコビッチの穴」以来、奇想と奇手の一方で、意外と内容と心情はマジメだったりする。