ほとんどカメラとパソコンだけで作ったみたいなドキュメンタリーで、製作費の低減によってこれまで撮れなかった世界がその世界にいる人間によって撮られることになった。
12年にもわたって記録するというのも現場を通り越して現地の人間でないと難しいだろう。
こうなると外から撮りに来るジャーナリストのあり方もさらに問われることになりそう。
編集時のシンクロ用に手を叩かせて音を録る。アナログ以前の手作業という感じ。
被写体になる人間が撮られることにかなりあからさまに抵抗や違和感を訴えるのも、どういう世界なのかを知らせる。
昔のニューヨークみたいに見るからに物騒という感じではないが、目につかないところがいつの間にか荒廃しているあたり、近い将来の日本にも通じそう。