prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「春画先生」

2023年11月04日 | 映画
今どき春画が「無修正」で映るというのが宣伝の一応の売りになるというのもなんだかなあで、ビデオが一応国内産は修正済というのがデフォルトな一方無修正が堂々とまかり通る中、ズレている感じは否めない。
永青文庫で春画の実物を見てはいるのだが。

とはいえ春画はあくまでモチーフで、内野聖陽扮する春画先生と北香那の教え子の組み合わせに、サブに柄本佑の編集者と安達祐実の一人ニ役がつく。

塩田明彦といったら「月光の囁き」以来の変態趣味を期待するけれど、あれより軽やか。

北が秘密クラブじみた所に招かれるシーンは、浮世絵に合わせてか和風の建物が多い中で洋風建築が描かれるという点で「アイズ・ワイド・シャット」をちょっと思わせる。

柄本佑がバイであることがわかるシーンや、安達祐実が墓を介して登場するもので一瞬幽霊かと思わせるシーンなど、いったんあれっと思わせる出し方が上手い。

北香那が自分では気づかないけれど魅力的という設定をよく生かした。