奇しくも先日の「Arc」で不死の問題を扱ったのと軌を一にして、永遠の命を持つクローンのパク・ボゴムが奪取されたのを取り返しに行った元情報員コン・ユのロードムービー仕立てのバディもので疑似兄弟ものという骨格がしっかりしている。
その上で命の意義というをかなりマジメに問う一編。
回想シーンの処理がやや手際悪く、過去のいきさつを説明するのは画面にするより韓国らしくキリスト教の納骨堂の写真の前でセリフで処理した方が情感が出た。
超能力の描写が大友克洋の「童夢」か「AKIRA」かという迫力。
パク・ボゴムの童顔とコン・ユの適度にやさぐれた顔のコントラストがいい。
韓国映画の得意技というのか、見下した相手をとことんバカにする態度がむかつくし、そいつをやっつけるのが気持ちがいい。