prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」

2018年03月15日 | アート
まるでおもちゃの箱みたいな家の佇まいや自然光を生かした画作り、雪が降って積もるのを時間をかけて撮っているのが魅力的。
家全体が建っていた場所とノバスコシア美術館の屋内の両方に再現とレプリカが展示されているとのこと。屋内展示できるくらいの大きさなのだな、実際。

自動車は走っているけれど、家の中で電気はまったく使っていない、ただし海岸の道を通るところで電柱や電線は見えるので電気を使っている家はある、といったところから一体いつ頃の話だろうと思った。

後で調べたところではモード・ルイスは1903年生まれ、結婚したのは38年、絵が売れだしてテレビに取り上げられたのが65年(リチャード・ニクソン副大統領が買う、というセリフがあるが、アイゼンハワー大統領の下で副大統領を務めたのは53年から61年にかけて)、亡くなったのは70年。
しかしその間、暮らしぶりがまるで変わらない。シンプルライフそのもので、絵のいい意味での子供っぽさと見合っている。

イーサン・ホークの夫が無骨で乱暴で、しかし愛情はもっているという具合に安直に描かないでほぼ終始ぶすっとした調子で通しているのがいい。
サリー・ホーキンスがリュウマチの症状は少し作りすぎではないかと思ったが、実際の映像ではもっと重症みたい。

モードについては実はまるで知らなかった(日本に紹介されたのは2004年も大橋巨泉が買って)ので、カナダ大使館でモード・ルイス展をやっていたので見に行ったのだが(さすがに大使館だけあって、手荷物検査がありましたぞ)、不思議な気がしたのはモードの作品そのものではなく映画用のプロップが展示されていたこと。
そこにある物に描けるだけのスペースがあれば描いてしまうという感じ。

本来関係ないが、図書室に行くとノーマン・マクラレンの七枚組DVDなんて置いてあるのにひっくり返る。図書室とはいっても貸出はしてくれないだろうし、うーむ。
(☆☆☆★★★)

「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」 公式ホームページ

「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」 - 映画.com



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