prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「おまえの罪を自白しろ」

2023年11月05日 | 映画
設定はすごく面白いのですけれどね。
やりようによっては「天国と地獄」か、せめて「身代金」位には持って行けたと思う。

そうならなかったのはドラマの軸を、孫を誘拐され代わりに政治家として当然のように犯してきた自分の罪を自白するよう追い詰められる堤真一ではなく、その次男で秘書を務めている中島健人にしたことで、情と立場の間でぎりぎりまで締め上げられるわけではないということに終わってみると気づく。

途中までは誘拐された子供の描写がしつこくないのがむしろ好ましく思えていたのだが、終盤真相が明らかになるとかなりずっこける。
話がずれてませんか。途中までは好調だっただけに残念。

あと、政治家の世襲制がかなり批判されるようになっている現在、世襲を当然のように認めているのも不満。





「春画先生」

2023年11月04日 | 映画
今どき春画が「無修正」で映るというのが宣伝の一応の売りになるというのもなんだかなあで、ビデオが一応国内産は修正済というのがデフォルトな一方無修正が堂々とまかり通る中、ズレている感じは否めない。
永青文庫で春画の実物を見てはいるのだが。

とはいえ春画はあくまでモチーフで、内野聖陽扮する春画先生と北香那の教え子の組み合わせに、サブに柄本佑の編集者と安達祐実の一人ニ役がつく。

塩田明彦といったら「月光の囁き」以来の変態趣味を期待するけれど、あれより軽やか。

北が秘密クラブじみた所に招かれるシーンは、浮世絵に合わせてか和風の建物が多い中で洋風建築が描かれるという点で「アイズ・ワイド・シャット」をちょっと思わせる。

柄本佑がバイであることがわかるシーンや、安達祐実が墓を介して登場するもので一瞬幽霊かと思わせるシーンなど、いったんあれっと思わせる出し方が上手い。

北香那が自分では気づかないけれど魅力的という設定をよく生かした。





「唄う六人の女」

2023年11月03日 | 映画
タイトルになっている六人の女って、結局何だったのか。
「黒い十人の女」に似た感じのタイトルなので、ああいうオフビートな内容なのかと思っていると、果たせるかな女たちがカラーコンタクトを含めてそれぞれけったいな扮装で登場し、無言のまま異様なことをする。
ただしその異様さがどういう方向に向かうのか、要領を得ない。

女たちが竹野内豊と山田孝之のふたりを監禁して虫を入れたお吸いものをムリに食べさせたり(食べるにしても、あれくらいの量で足りますかね)、庭で仰向けになって手足をばたばたさせたり、どういう意味だ?

竹野内豊の死んだ父親がひょっこり(イメージで)出てくるので、実は死んだと見せたのは偽装なのかと思ったぞ。
このあたりの回想やイメージシーンの挿入の仕方は相当に不手際。

そのうち自然を守りましょうといういやにまっとうなテーマが前面に出てくるのが興ざめ。

小動物が頻繁に出てきたりするのも自然の表現ということか?あげくに人が蛇になっちゃったり(冗談に聞こえるかもしれないが、本当です)なんなんだ。

カラーデザイン含めて美的には見どころがあるけれど、いかんせんわけがわからん。




「沈黙の艦隊」

2023年11月02日 | 映画
原作ではロシア(連載当時はソ連)の存在がさりげなく混ざっているが、ここではアメリカの第7艦隊だけが残っている。

今のロシアとウクライナの状況は映画の準備していた頃に始まったわけではないだろうから、「亡国のイージス」の映画化で潜入したテロリストが北朝鮮のだということをボカした脚色のように、うるさいことを言ってきそうなところは切るという方針らしい。

潜水艦ではほとんど音だけが頼りなので、モーツァルトの「ジュピター」をかけるシーンは原作より音をうまく生かした。全体に音響効果は秀逸。
ただ画面で見せる方もスペクタクルに仕立ててあるので、ちょっとちぐはぐな感じは残る。

原作では空母名はカール・ビンソンだが、映画ではロナルド・レーガンになっている。
唯一、日本を母港にしている空母ということもあるだろう。

ボイスという艦長がやまとが核を搭載しているかどうか確認できないと日和るシーンは、原作ではジャップを連発しながらカウボーイのノリで攻撃してくる。かなり違う。
アメリカ側の役者は知名度は低いが、アメリカで上映することは考えていないのか。

大沢たかおの軍服姿が背後から何度も写される。
長身で格好いいとも思う一方で何を考えているのかわからないとも思う。

現実にはアメリカとの一体化(というか属国化)がますます深まる中、原潜の独立を宣言するという(字幕が“シーバット“から“やまと”に変わる瞬間には軽く興奮を覚えた)コントラスト。





2023年10月に読んだ本

2023年11月01日 | 
読んだ本の数:27
読んだページ数:5561
ナイス数:0

読了日:10月01日 著者:小野寺 拓也,田野 大輔




読了日:10月01日 著者:プチ鹿島




読了日:10月02日 著者:村山 斉




読了日:10月02日 著者:中川 右介




読了日:10月02日 著者:井上 ひさし




読了日:10月02日 著者:森永 卓郎




読了日:10月07日 著者:アレックス・バーザ




読了日:10月12日 著者:高村 薫




読了日:10月12日 著者:高村 薫




読了日:10月13日 著者:堤 未果



読了日:10月13日 著者:ちばてつや




読了日:10月13日 著者:ちばてつや




読了日:10月13日 著者:ちばてつや




読了日:10月13日 著者:ちばてつや




読了日:10月13日 著者:ちばてつや




読了日:10月13日 著者:ちばてつや




読了日:10月13日 著者:ちばてつや




読了日:10月13日 著者:ちばてつや




読了日:10月13日 著者:ちばてつや




読了日:10月13日 著者:ちばてつや




読了日:10月16日 著者:長谷川 修司




読了日:10月17日 著者:黒川博行




読了日:10月20日 著者:八木 毅








読了日:10月24日 著者:内田 樹




読了日:10月29日 著者:松島眞一




読了日:10月30日 著者:辻野弥生