
さて、お目当ての“軽井沢ライト・アップ”見物ですが、「軽井沢ハウス・デコレーション・マップ」を片手に、夜の軽井沢の街に出かけました。
初日の14日は、ちょうど夕食前後からみぞれが降りだしたので、万平ホテルのイルミネーションを眺めるだけ。午後5時から点灯というパンフレットのとおり、万平ホテルの正面玄関前も、すっかり日も落ちた5時ぴったりに点灯しました。
翌15日の夜は天気に恵まれたので、あらかじめ目星をつけておいた所をまわりました。と言っても、「軽井沢ハウス・デコレーション・マップ」に載っている35か所は、どれもこれもこの何年のうちに雨後の筍のように乱立したペンションのような所ばかりで(2つの教会と軽井沢プリンスホテルを除く)、場所も分からないしあえて見に行きたいという気にもならないので、すべて敬遠。
この「マップ」に載っていない所から、中軽井沢駅、ツルヤ裏の湯川公園、そして旧軽井沢ロータリーをまわってきました。
中軽井沢駅は信越線が廃線になってしまってからは寂れてしまい、われわれが行ったときも2、3台のタクシーが来る当てもない客を待っているだけでした。それでも(というか、それだけに却って寂しい闇の中に)駅前のクリスマス・ツリーと駅舎のネオンがひときわ輝いていました。
それから、夕食を取るプラン・デルブ(plein d'herbes ?)へ向かう道沿いのツルヤの裏のあたり(湯川ふるさと公園という所か、イングランドハウスウィンザーという所か不明)が青と黄色にきれいに浮かび上がっていました。
夕食後は旧道ロータリーをまわって帰ることにしました。このロータリーには、来年の夏には公衆トイレができるという噂なので、この冬が見納めかもしれません。なにやらクリスマスツリーだのトナカイだの小人の町のようなものだのが所狭しと並んでいて、しかも人間も多く、あまりお薦めのスポットとはいえません。そうそうに宿に帰ることにしました。
万平ホテルから、国道を中軽井沢駅へ、今度はバイパスを塩沢方面へ、そして六本辻から旧道ロータリーへと、約10kmかそこらのドライブ中に車窓から眺めた、木立や住宅地に点在するイルミネーションは、いずれも東京の街中のごてごてしたハウス・デコに比べると穏やかなものでした。
それにしても、ぼくたちが軽井沢に来はじめた昭和30年代には、(少なくとも千ヶ滝では)野鳥を守るために、そしてその野鳥の餌となる昆虫を守るために、街頭はすべて蛍光灯から裸電球に取り替えられ、別荘の庭からも誘蛾灯を取り除くようになっていました。あの頃を思い出すと、今回のイルミネーションは隔世の感があります。もっとも、冬の間はあんなに夜が明るくても野鳥や昆虫には影響がないのかもしれませんが・・。
そうは言っても、それをお目当てに出かけたぼくたちにはこんな催しを批判する資格はないのですが・・。イルミネーション見物にやって来たと言ったところ、あるお店のマスターが、「こんな催しでも効果があるんですね・・」と嘆息していたのが印象的でした。
(写真は、旧軽井沢・旧道ロータリーのデコレーション。)
2006・12・14