装幀
2011年07月08日 | 本
晴れ、29度、84%
電子書籍がずいぶんと出てきました。見ているとなかなか面白い物です。でもやっぱり、紙に印刷された本が好きです。紙の感触、ページをめくるときの音、かすかなにおい。内容はそれぞれ好みもありましょうが、なぜかしら本の装幀や写真が気にかかります。本を開くと、すぐに奥付を見てしまうのもそのせいでしょう。
ここ10数年、料理の本やグラビアの多い本の装幀(今はブックデザインというようですが)をなさっている人で気になる方がいます。若山嘉代子さん、レスパースというデザイン事務所の方です。文化出版局の本が多いように思います。
この本は、後藤加寿子さんの「茶懐石に学ぶ日々の料理」文化出版局です。今まで、若山さんの手がける本はどちらかというと、料理で例えれば、フレンチという感じです。本の大きさ一つ、時折あっと思うような物を作られます。決して奇抜ではありません。オーソドックスでもありません。本屋さんで本を手に取ったとき、あれ?違うなと何か感じます。
そして永年、一読者として若山さんの装幀を見ていると、不思議に、ほんの背を見ただけで解ります。
ところが、今回この「茶懐石に学ぶ日々の料理」は、奥付を見るまで若山さんの装幀とは気づきませんでした。
本の装幀って何だろう?と思います。気にならない人は、きっとなんでもない物かもしれません。もちろん、本の内容より出しゃばる物はいただけません。本を居心地よくする物でしょうか。挿絵ではなく、装幀ですから。カバーの紙質、文字の書体。読み手にとって、心地よさを与えてくれる物かもしれません。
装幀の好きな本は、本棚に並べたくありません。コーヒーテーブルの片隅に置いてしばらく楽しみます。