チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

京都たる源のおひつ

2015年09月08日 | きれいな形

小雨,26度、85%

 4日ほど家を空けました。帰ってみると,日本から大きな包みが届いています。宛名は主人と私、送ってくださった方もよく存じ上げている方なのに、主人は電話でも何一言荷物には触れません。送った人は荷物が無事に着くかどうか心配するものです。ましてや国際便ですから,頂くと直にお電話なりメールを送ります。男の人ってこんなものです。もちろん荷解きなどされずに置いてありました。

 自分の旅の荷物を解く前にこの大きな箱と格闘します。何だろうと見たい気持ちが先走ります。真綿に包まれたように大きな箱小さな箱の中から出て来たのは、きれいな白木のおひつでした。

 大きな私の手のひらにすっとのる大きさです。なんとも軽く女性的な優しい線のおひつです。蓋が閉まる音が,また優しい,ふっとおひつの中の空気が抜けて来ます。京都たる源のおひつです。

 随分以前,このたる源のおひつをグラビヤ写真で見たことがありました。あー、欲しいなと思いますが,我が家にはどっしりしたくり抜きのおひつがあります。毎日使うおひつではありません。ぐっと欲しい気持ちを抑えました。その時、確かこのおひつは半年待たないと手に入らないと、書かれていたように記憶しています。注文して作られるおひつです。

 白木のおひつといえば,旅館のご飯を思い出します。大きなおひつに艶々のご飯が入れられて出て来ます。あの蓋を開けた時のご飯が微笑んでいるような感覚が大好きです。10年ほど前に親子3人で伊豆の旅館に泊まりました。息子がまだたくさん食べていた頃ですから,仲居さんが気を利かせて,ご飯をたくさん入れてくれてありました。おひつに残ったご飯,主人と息子におにぎりがヘタクソだと言われながら,次の日の車の中ででも思い握りました。あれが親子3人で旅した最後です。

 昔は,お風呂の風呂桶、湯桶,たらいも木で出来ていたのに,ある頃から急にプラスチックに変わりました。年末になると,湯桶の新しいのを風呂桶屋さんに買いに行った記憶があります。元旦からは,新しい湯桶です。

 私が買った初めての白木の桶は寿司桶,そんなに高いものではありませんが,私の行く先々付いて来てくれて,ここ香港でも健在です。寿司桶一杯にいなり寿司を作って,バザーに出したこともありました。この寿司桶を買った時,台所洗剤で洗わないでください,みがき粉と亀の子だわしで洗ってくださいと言われました。この私馬鹿正直に守っています。実は,頂いたおひつの荷物の中から、 出て来ましたみがき粉です。何から何までお気遣いありがとうございます。

 日本に帰ったら,昔のように土鍋かお鍋でご飯を炊こうと思っています。主人と二人の食卓には,この手のひらに載るおひつがあるはずです。蓋の下には,きっちりと和ふきんを噛ませて使います。思わぬ頂き物、大事に使って行きますね。

コメント (2)
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