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テレビでドラマを見ることがほとんどありません。ましてや夜のドラマの時間には大抵私はすでに夢の中です。おやつ時間に「NHKプラス」でニュースなどをチェックします。見逃した番組を好きな時間に見ることができます。連続ドラマはほとんど見ないのに、気になって見始めた夜ドラ「VRおじさんの初恋」でした。長く日本を離れていましたので、いまだに俳優がわからないのですが、題名に惹かれたのでしょうか?いえ、「VR」バーチャルの世界になど興味はありません。なのに初回から先日木曜日の最終回まで28放送を翌日に必ず見ました。
「ロストジェネレーション」世代の「直樹」さんは家族もなく、仕事場でもパッとせず、「VR」の世界が唯一の居場所です。「VR」の世界では女の子「ナオキ」です。この世界で会った「ホナミ」と言う女の子に初恋をするお話です。女の子同士のラブ、しかも舞台は「バーチャルワールド」。「ナオキ」の初恋の相手「ホナミ」は実世界では死を間近にした、家族と断絶している老人男性「穂波」です。現実と「VR」の世界を行き来しながらの話、漫画が原本だそうです。
話の流れで最終回が近づいていると思うと、寂しくなりました。連続ドラマにこんな思いをしたことはありません。現実世界の「穂波」は病で亡くなります。「VR」の世界での「ホナミ」との思い出を振り返りながら、「直樹」は生き生きとした表情を浮かべ番組は終わりました。
「直樹」さんのような人いるだろうと思います。自分を見出せる場所がない人、人との関わりがうまくない人。初恋の相手を亡くしてもその人「穂波」がくれた思い出や言葉は生きています。「直樹」さんの中では一生生き続けます。この番組、いい言葉をたくさんくれました。「穂波」が亡くなる直前に「春樹」に書き送った手紙の中の「心の輪郭」とい言葉もその一つです。ドラマが終わった後もずっと私自身の「心の輪郭」を考え続けています。
大きな感動ではないけれど、静かに心残った「VRおじさんの初恋」でした。