気ままに

大船での気ままな生活日誌

小さな喫茶店

2007-10-01 10:14:53 | Weblog
雨の大町、苔巡りの帰りに、本覚寺近くの、小さな喫茶店”井川”に寄りました。地元のミニコミ誌に、ここの喫茶店のことが紹介されていて、是非一度、入ってみたいと思っていたのです。

閉店近くだったせいか(早々と4時に閉めてしまうのです)、ボクの外、お客さんは誰もいませんでした。カウンターの向こうにお二人の女性がおりました。若い方の方が注文をとりに来られたので、ブレンドコーヒーを頼みました。もうひとりの年配の方が、おそらくあの方だろうな、と推測しました。ボクの母ぐらいの年齢(80代前半)のはずですが、お若くみえました。細面の上品な顔立ちで、それに、うちの母と違って(笑)、スレンダーなお身体、さすが元女優さんは違うなと思いました。

おいしいコーヒーを飲みながら、お二人の会話を聞くともなく聞いていました。さすが、元女優さんですね、ファッションのお話が中心でした。歳をとっても、服装には気をつけなければね、と話していました(うちのワイフにも帰ってから教えてあげました、たぶん効果はないでしょう、涙)。その他のお話しからも、彼女が松竹大船の女優さんであった、井川邦子さんであると確信しました。井川さんは引退後、1970年から、ここ鎌倉でコーヒー屋さん開いているのです。

途中、図書館に寄って、調べたことなのですが、井川さんは木下(恵介)学校の優等生と言われ、木下作品にずいぶん、出演されています。「二十四の瞳」では大石先生(高峰秀子)の教え子のひとりを(大人になってから、先生の歓迎会にかけつける川本松江の役)、「喜びも悲しみも幾年月」では石狩灯台職員の奥さん、「遠い雲」では高峰秀子さんのお姉さん役、等々重要な役を演じました。他社作品では、「三太物語」の主役の花萩先生、銭形平次では長谷川一夫・平次の女房、お静を演じています。ボクの好きな小津作品、「麦秋」にも安田高子役で出演なさっています。

コーヒーもおいしく、店内も静かな雰囲気ですし、また訪れたいと思います。出来れば、今回のように、井川さんに直接コーヒー入れてもらいたいですね。前述のミニコミ誌の紹介記事によると、いつもいらっしゃるということではないらしいのです。運が良かったです。苔ちゃんのお陰ですね。


・・・・・
小さな喫茶店 In Einer kleinen Konditorei

作詞 E.Neubach
作曲 F.Raymond
訳詞 青木爽

それは去年のことだった
 星のきれいな宵だった
  二人で歩いた 思い出のこみちだよ

なつかしい あの 過ぎた日の事が浮かぶよ
 このみちを歩くとき なにかしら悩ましくなる
  春さきの 宵だったが

小さな喫茶店に はいったときも二人は
 お茶とお菓子を前にして ひとこともしゃべらぬ
  そばでラジオが甘い歌を やさしく歌ってたが
   二人はただ だまって むき会っていたっけね







コメント
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