気ままに

大船での気ままな生活日誌

黒澤明監督の素顔

2011-06-19 11:14:28 | Weblog

鎌倉市川喜多映画記念館で4月1日から6月26日まで、特別展”黒澤明の世界”が開催されている。その中で、講演会が五つほど計画されていて、昨日が最後の講演会、黒澤和子さんによる”父、黒澤明”だった。演者は黒澤監督の長女で56歳、映画衣装デザイナーとして活躍中で、最近では”武士の一分”の衣装を担当した。家族でしかわからない黒澤監督の素顔を知ることができ、とても楽しいトークだった。

はじめ、今話題の原発問題から入った。父ははじめから原発反対論者でした、あんな人間の力を越えるものは、いずれ制御できなくなり、大変な問題が起こると、フクシマを予測するような発言をしていたという。実際に、原発、原爆問題を映画にも取り入れたそうだ、”夢”とか”生きものの記録”。”夢”は8話からなるオムニバス形式のものだが、その中の”赤富士”がまさに原発事故を扱っている。帰ってからYOU TUBEでみてみた。赤い富士山の向こうに噴煙が次々と上がる。富士の噴火ではなく、逃げまどう群衆の中から”原発6基が次々と爆発をしてるんだ”との声が上がる。プルトニウム、ストロンチウム、セシウムと、その影響などが男によって語られる。”原発は安全だと、ぬかした奴らは許せない”の子供を背負った女の絶叫も。20年も前の映画である。

父は家庭でも”厳格な人”と思われていますが、ぜんぜん違います。一言でいうと子供のような人です。自分の好きなお菓子があれば孫と争って食べたりします(爆)。ひとりでは何もできません。母がめんどうみすぎたこともありますが、電車の切符もまともに買えないときもありました。和子さんはお若いのに、お料理歴は50年だという。黒澤家は外食はせず、黒澤組の集まりなども、すべて家食です。だから、6歳からお料理のお手伝いをしました。母はラテン系の性格だったこともあり、人のよく集まる家で、見知らぬ人まで食事をさせていました(笑)。

お母さんが亡くなられたあと、黒澤監督の世話は和子さんがするようになり、また黒澤組に入り、衣装担当になる。前述の”夢”がはじめての仕事となる。和子さんの目からみると、黒澤監督の仕事ぶりは、家庭内の黒澤監督とそう違和感はなかったという。みなさんが”厳格”というのは、ただ、子供がおもちゃを欲しがるように、完全な仕事をしたいということで、どこまでも凝る、それが外からは”厳格”にみえるだけだという。

人をみる目は確かで、裏表のある人はすぐ見破り、絶対つきあわない。(でも映画製作の前交渉でそういう人とつきあわなければならないときは引きこもりになるらしい;爆)。もちろん風見鶏なぞ一番軽蔑する。肩書きとか学歴なぞには一切、重きをおかない、ひとの真心だけを直視する。

また元に戻るけど、どうでもいいことは、どんなあほやろうの意見を聞いて決定してもいいけれど、原発導入などの、人類の存亡にかかわる重大事項は、黒澤明監督のような動物的勘の鋭い人の意見を聞いてから決めてほしかった。

黒澤明監督は、裏表のある人の他に、カエルが嫌いだったそうです。

 

 

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風見鶏

2011-06-19 08:16:13 | Weblog

 政界の風見鶏といえば中曾根さん。サンデー毎日のぼくが週刊誌”サンデー毎日”の記事を読んでぶっとんでしまった。

元東大総長の小宮山さんとの対談記事。その見出しが原子力の次は太陽光だ。なななんと、ひと月半ほど前の朝日新聞のインタビュー記事で、昭和29年に密かに出した、原子力予算は先見の明があった、今回の原発事故は遺憾千万だが、原発推進は変えてはならない、と言ったばかりではないか。

さすが、天下の風見鶏。世間の風が脱原発になってきたので、早速、風に合わせてきた。風力といわず太陽光利用と言ったのにはわけがある。風力といえば、また風見鶏か、と揶揄される。じゃあ、太陽光にしておこう、そんな程度だろう(笑)。風見鶏と言われるのが厭なら、太陽光に合わせて日和見としておこう(爆)。

さらに、こんな言葉も中曾根さんから。元祖太陽族の石原慎太郎君にもがんばってもらわなければ。(爆)ブラックユーモアかな。

原発推進の元祖でありながら、今回の原発事故に正式な謝罪もせず、平気でこんなことを言える神経がぼくには理解できない。それに対談者も科学者でありながら、”中曾根さんが提出された、はじめの原子力予算は非常に賢明な選択だったと思います”。はあ?こんな方々が政界や学界のトップにいたんだから、あほんだら政治家やぼんくら学者が充満するのは無理もないか。

。。。。。

これは鎌倉のあるお宅の風見鶏です。

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旧華頂宮邸のハートと報国寺の苔

2011-06-19 06:07:26 | Weblog

鎌倉街道を挟んで、浄妙寺の向いに、竹の寺として名高い報国寺と、その先に旧華頂宮邸(国の登録有形文化財)がある。浄妙寺の二匹の猫に会ってから、近くのカフェできのこスパゲティーを食べて、そちらに向った。まず、奥の洋館へ。

旧華頂宮邸。NHK連続テレビ小説の”おひさま”のロケ地として(地元では)有名だ。主人公、陽子(井上真央)の女学校の親友、相馬真知子(マイコ)の家がここだ。陽子の兄、春樹(田中圭)が真知子に恋心をいだき、戦地に向う前に、真知子宛の恋文を陽子に託す。一方、真知子の婚約者が海外で亡くなる。現在は、こんな状況である。

裏側の庭に回ったら、建物の左側の木がハート型に剪定されていた。珍しいのでカメラを向けていたら、建物の横から、植木職人さんが出てきて、同じようにカメラを構えた。ぼくが剪定したんですよ、証拠写真にね、とニコリと笑った。ついでに、ロケのことを聞いてみた。2月にロケがあったとのことだ。真知子の実家の設定だ、とちゃんと知っていた。ハート型にしたのは、春樹と真知子(君の名は、みたいだな)の関係を表したのですかと聞こうとしたが、ぐっとこらえた(爆)。

薔薇はもうすっかり終わり、庭園には何もなかった。紫陽花が建物の脇に、いくつかある程度で、人影も、ぼくと洋館前のベランダで読書する上品な若い女性がひとり居るだけだった。声をかけようとしたが、ぐっとこらえた(爆)。

旧華頂宮邸正面

裏側の庭園

右側の人が剪定した

報国寺は竹の寺として名高い。たぶん、映画のロケ地として使われたこともあるだろうが、ぼくは知らない。映画監督のスピルバーグも訪れたことがある、と何かの本で読んだことがある。たぶん、彼が尊敬していた黒澤明監督も訪れただろう 。何故、いきなり黒澤監督かというと、このあと、川喜多映画記念館で娘さんのトークを聞きにいったからだ。

一方、報国寺は苔の寺、と言ってもよいほど山門から境内に入る道の回りの苔がきれいだ。ビロードのように石や土に貼りついている。竹林に入るのには拝観料が必要だが、苔だけだと不必要だ。本堂へのお賽銭だけで、苔見物だけして帰ることが多い。この日もそうした。

 

コメント (4)
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