気ままに

大船での気ままな生活日誌

パリ・グリュニー中世美術館

2012-05-02 16:15:01 | Weblog
その美術館は、リュクサンブルグ公園からセーヌ川のシテ島に向かって歩いていく途中にあった。パリ大学、カルチェラタンも近いので、学生の姿をよく見かける地域である。そんな賑やかな町の真ん中に、3世紀にセーヌの船主たちのギルドでつくられたローマ公衆浴場の遺跡が残っていて、金網の塀からみることができる。そういえば、ローマ帝国はここまで侵攻していたのだ。その遺跡を買い取ったのがグリュニー大修道院長で、遺跡を残しつつ館を建てた。14世紀のことである。フランス革命後は、美術蒐集家のものになり、彼の死後、国の所有となり、現在の中世美術館となった。

中世期(5~10世紀)の彫刻、レリーフ、調度品などの豊富な作品群が、24もの部屋に展示されている。なかでも、二階、第13室の”貴婦人と一角獣”という6枚連作のタピスリーが有名だ。このタピスリーは1882年に中部フランスの城で発見された、1400年代の作品で、作家ジョルジュ・サンドが取りあげたことで有名になった。一室をぐるりと囲むように展示されている、6枚のタピスリーにはそれぞれ意味があり、味覚、聴覚、視覚、嗅覚、触覚の五感、そして欲望を表現しているという。真紅の地に、角が一つの想像上の動物である一角獣と貴婦人が中心に描かれ(織りこまれ)ている。最後のタピスリーは、貴婦人が首飾りを宝石箱にしまう様子が描かれ、欲望を断ち切るという意味があるようだ。離れてみるのもいいし、近づいて、精密な織りのすばらしさを堪能するのもよい。撮影可能だったのがうれしい。以下、写真で紹介したい。

こういうふうに展示されている


6番目(最後)のタピスリー。貴婦人の右隣りにいるのが一角獣。一角獣は獰猛だが、美しい処女の膝に枕すると、おとなしくなるという(爆)。


いろいろな動物や千花模様が描かれている。


細密な模様


中世末期の絵画作品の傑作といわれる”タラスコンのピエタ”


中世の武具


いろいろ




ローマ浴場の跡


外からもみえる


コメント
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