おはようございます。
東慶寺のきんさん、ぎんさんにお会いしてから、切通しの山越えして、海蔵寺へ。お目当ては萩と紫苑(シオン)。でも、山門前の萩は、もう、おわってしまったようで、わずかに咲いているだけだった。
山門をくぐると、紫苑がこれまでみたことのないほど真っ盛りで、芙蓉も花を添えていて、見事なものだった。萩の見頃過ぎに来るのもいいもんだ。
反対側から見る
鐘楼を背景に
これだけで、満足なのに、金木犀の大木がお堂の横に。これまで、気づかなかった。これもずらして来たおかげか。
本堂の縁側に腰掛けていたら、妙なる横笛の音が。ひばりさんのリンゴ追分。堂内で演奏会のようだ。そういえば、入り口に、こんな案内があったっけ。
うるわしい音色を聞きながら、前のりんどうの庭園を眺めていたら、はっと気付いたことがある。あの松がない!
切株。突然の別れ。なんてこった!
在りし日の”網タイツの逆立ち美脚松”(ぼくがつけた名称)。うつくしいおみ足、いや松だったのに、残念なことだ。もうみられない。ぼくがこちらに越してきてから、十年になる。十年ひと昔と、よく言うけど、ほんとにそうだ。八幡さまの大イチョウは倒れたし、ぼくの近所の桜の古木やヤシの木が切られてしまった。そして、今回。さみしいことだ。
竜胆が、涙をいっぱい貯めたような、大きなつぼみをつけていた。
つがるむすめはないたとさ つらいわかれをないたとさ リンゴの花びらが風に散ったよな 、りんご追分がおわり、今日の演奏会は仕舞いになったようだ。つぎつぎとお客さんが本堂から出てきて、演奏者に挨拶をして、帰って行った。
ぼくも、美脚松とのつらいわかれになきながら、海蔵寺を出たのであった。
彼岸花とほととぎすがなぐさめてくれた。
それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!