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【cinema / DVD】『命ある限り』鑑賞@WOWOW録画

2015-02-17 22:11:38 | cinema / DVD

『命ある限り』鑑賞@WOWOW録画

録画→最近見た映画②『命ある限り』メロドラマといったら、これ以上にないくらいのメロドラマ!韓流も真っ青のメロドラマながら、何故か笑って感動しちゃうのはシャー・ルク・カーンのおかげ?ちょっと老けたけどw ロンドン舞台で、女性もずいぶん大胆になったけど、歌って踊ってあるのはウレシイ


 

ネタバレありです! 結末にも触れています!


「凄腕の爆弾処理班としてその名を知られたサマル。作業の際には防護服も身に着けず、素手で処理する彼を、人は命知らずと英雄視する。しかし、彼にはある理由があった・・・」という話で、これは10年に渡る壮大なメロドラマ。177分とインド映画らしく長尺だけど、そこも含めて壮大(笑) tweetしているとおり、韓流ドラマも真っ青というメロドラマだけど、そこはインド人の明るさゆえか、何故か笑えて感動してしまう。


ヤシュ・チョプラ監督は、インド映画界のメロドラマの巨匠として有名な方だったそうだけれど、2012年10月21日デング熱で亡くなってしまったのだそう。享年80歳。今作が監督の遺作となってしまったのだそう なんと・・・ でも、80歳の監督が撮ったと思えない若々しい作品。きっとエネルギッシュで、ロマンティックな方だったに違いない。ご冥福をお祈りします・・・


前述したとおり177分もあるのでエピソードは盛りだくさん! 全部書くのもなんだし、あらすじも書いたけど、大まかなストーリーを書いておく。映画は、難航する爆弾処理現場に颯爽とバイクで登場し、防護服も身に着けず処理作業に入り、鮮やかな手つきで除去し、また颯爽とバイクで去って行くサマルの姿から始まる。見守るインド軍の兵士たちから、彼が伝説の人物であることが語られる。その後、風光明媚な湖(ここ『きっと、うまくいく』にも出てきた?)に立ち寄ったサマルは、自信満々で飛び込んだものの、水の冷たさに驚き溺れた若い女性アキラを助ける。助けてもらったわりに上から発言のアキラを置いて、立ち去るサマル。しかし、毎日のように書いている日記を置いて行ってしまう。その日記を手にしたアキラが読み始めると、一気に10年前のロンドンに舞台が移り、壮大なメロドラマの幕開けとなる。


父親が亡くなり母親から世界に出るように言われ、ロンドンへやって来たサマル・アーナンドは、ある雪の日教会にやって来たインド人美女に一目ボレする。どうやら彼女はこの教会で交換条件をつけて祈ると、願いがかなってきたようで、今回もお見合いが失敗し、相手から断ってくれるよう祈っていた。この女性はミラ・ターパルで、彼女の父親はロンドンでも有数の会社を経営している。一人娘の結婚は重要。でも、ミラは結婚相手は自分で選びたいと思っている。そんな彼女の姿を盗み見て、ますます惹かれるサマル。偶然ロンドンで再会。初めは反発しながらも、サマルに惹かれてゆくミラ。まぁ、この辺りはありがちな展開。いくらなんでもロンドンでそんなに簡単に会えないだろうとも思うけれど、かなり頻繁に再会したり、ちょっとワガママなお嬢様にしか見えないミラに惹かれるのも?だけど、女性がドジで何の取り柄もないのに貴公子に愛される、もしくはちょっと高慢なお嬢様が、自分を特別扱いせず、でもしっかり見守る庶民男性を好きになるという構図は、いわゆる少女漫画系の恋愛ものの定番(笑) バカにしていません! 少女漫画で育っているから嫌いではないです!


マーケットの魚屋で働いていたサマルは、気が利く人柄と真面目な働きぶりが認められ、レストラン経営者に引き抜かれたりと仕事も順調。ルームシェアの同郷の男性の窮地を救ったりと絵に描いたようなイイ男。メロドラマはこれでなくちゃ! 2人の仲も順調。インド映画と言えばのダンスシーンも、ロンドンの怪しげな場所で、ライダースジャケット&ミニワンピで踊りまくるミラ役カトリーナ・カイフがカッコイイ! 実はミラには彼女が幼い頃、別の男性と恋をして家庭を捨てた母親がいた。2人は彼女に会いに行く。そこで本当に愛する人と結ばれる幸せを知る。これは後の伏線。2人は結婚を決意するけれど、ミラには父親の腹心の部下との結婚話が持ち上がる。そんな中、サマルはミラの目の前でバイク事故を起こし、意識不明となってしまう。必死に神に祈るミラは、彼とは結婚しないという誓いを立ててしまう。サマルは無事、意識を取り戻したものの、あの誓いがあるため、ミラは父の部下と結婚すると去ってしまう。そして裏切られたとショックを受けたサマルは、ロンドンを去り常に危険と共にあることで、神に復讐する決意をするのだった。


と、ここまでが前半。アッサリ書いたつもりだけど長いね(笑) ここから舞台はインドとなるわけだけど、既に伝説の男になった後なので、どうやって爆弾処理のエキスパートになったのかは描かれない。いくらなんでも急に爆弾処理班に配属されるわけはないと思うけど、まぁ10年経っているので、そこら辺はツッコミなしということで(o´ェ`o)ゞ 


さて、冒頭に出てきたアキラという女性は、どうやらイギリスのテレビ局の現地採用スタッフらしく、番組を制作して認められ、ロンドンでの勤務を希望しているらしい。そのためにいろいろ勉強してきたのでしょうし、モデル並みの美貌とスタイルで自信満々。演じるアヌシュカ・シャルマはモデル出身だそうで、抜群のスタイル。足長い! 勝ち気で自信満々だけど、それが災いしてミスをして主人公に助けられ、彼に恋してしまうという女性は、少女漫画のライバルキャラ。なので登場時には見ている側をイライラさせる。サマルに取材対象としても男性としても興味を持ったアキラは、強引にサマルの密着取材をねじ込み同行する。彼女の魅力にサマルの部下たちはメロメロだけど、サマルだけは関心をしめさない。お約束ともいえる、アキラが現場の危険度を理解せず、爆弾を踏み抜きそうになり、サマルが助けるシーンなどもあり、ますますアキラの気持ちは盛り上がる。サマルに完全に恋したことで、少し態度を軟化したアキラに、サマルも優しく接するようになる。そして、ますますアキラの気持ちを盛り上がらせちゃう感じが王道!


さて、紆余曲折あってアキラのドキュメンタリー作品が完成。彼女はサマルの中にはまだミラがいることを悟り去って行く。ある日アキラから連絡が入る。彼女の作品が認められ、イギリスで放送される可能性がある。ただし、それにはサマルがロンドンに来る必要があるというのだった。その辺りがイマヒトツ分からなかったのだけど、本人の許可がないと放送出来ないってことかな? そんなの撮影した時点で契約しておけばいいことなのでは? とか思うけれど、意外にツメの甘いアキラが忘れたんだっけ? まぁ、その後の展開のためにサマルがロンドンに来ないとダメなので、ここは多少強引でも仕方がなし! この多少強引なのもメロドラマだし。バカにしていません!


一度は断られたサマルから、今ロンドンにいると電話が入り有頂天のアキラ。え、サマルの自腹なの?!とか思うけど、そのツッコミもなしで!(笑) で、大喜びのアキラは道に飛び出してしまい、彼女を庇ったサマルは車にはねられてしまい、再び意識不明となってしまう。えー?!2度も交通事故に遭うなんて「冬のソナタ」か?!とか思うけれど、まぁ同じカテゴリーということで バカにしていません! 2度目の交通事故で頭を強く打ってしまったため、1度目の交通事故以降の記憶を失ってしまったサマル。当然アキラのことは誰だか分からず、ミラと別れたことも思い出せない。急な刺激は良くないので、自然に思い出せるようにしなけらばならない。そのため、彼を救えるのはミラしかいないということになる。アキラは必死で彼女を見つけ出し、サマルを救ってくれるように頼む。なんとミラはまだ独身だった! 好都合( ̄ー ̄)ニヤリ


かつてのルームメイトは、サマルがロンドンを去る際に置いて行った貯金を元手にレストランを開店、妻の料理の腕もあり今では大成功し人気店となっている。当然家も豪邸。ミラがサマルを刺激しないようと、彼の成功譚をでっち上げてしまったため、その嘘を本当にしようと、ルームメイトの全面協力を得て、豪邸に2人で引っ越してくる。夢のような暮らしが始まるけれど、ミラの罪悪感は増すばかり。彼を救うためとはいえ嘘をついていること、そして彼とは決して結ばれないという誓い・・・ そして、サマルは記憶を取り戻す! えと、あまりに壮大でどうやって記憶取り戻したか忘れちゃった でも、まぁ取り戻すということで! 記憶を取り戻した上で、彼はミラに結婚を申し込む。しかし、彼女は例の誓いがあるので踏み込めない。でも、そんなものは関係ないと力強いサマル。彼はその誓いがあるために、いつも危険に身を晒してきた。でも、無事だったことが何よりの証拠。うん! メロドラマ 2人は結婚する。結婚後サマル初めての任務。もちろん防護服もなしでの爆弾処理。まさか死んじゃうのか?!と思ったけど、そこまでメロドラマではなく、無事に処理して2人抱き合ってTHE END! めでたし、めでたし イヤ、ここのところ重めの映画が続いていたので、王道メロドラマを見れて少し心が和んだ!


キャストは2人の美女が良かった。ミラは登場時には、現代的な女性に描かれていたけど、さらに現代的な女性の登場と、10年の月日がすっかり大人の落ち着きのある女性となっていて、その変化は良かったと思う。カトリーナ・カイフのちょっと大人っぽ過ぎるように感じた顔立ちも、10年後にはしっくり。最初はどうなることかと思うくらい自己中心的なアキラのアヌシュカ・シャルマは、最終的にはサマルを思って身を引く健気さを表現。切なさも感じさせて良かった。とはいえ、この映画はインド映画界の大スター、シャー・ルク・カーンによる、シャー・ルク・カーンのための映画。現在49歳なので、登場時のおそらく20代と思われる設定はかなり無理がある でも、いいのです! これはシャー・ルク・カーンの映画だから! ということで、隅から隅まで大スターを感じさせて見事


なんだかバカにしているような記事になっているけど、決してバカにしてません! 映画は本来娯楽作品の側面もあるわけだから、何も難しい問題を扱った作品だけが高尚で、評価されるべきというわけでもない。こういうメロドラマに徹した作品が評価されてもいいと思う。メロドラマは別に嫌いではないけど、韓流ドラマはドタバタし過ぎで苦手 でも、適度なドタバタ感と緩急で、インドのメロドラマは好きらしい(笑) まぁ、それもヤシュ・チョプラ監督の手腕あってのものかも? 


メロドラマ好きな方オススメ! シャー・ルク・カーン好きな方是非!


『命ある限り』Official site

 

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【cinema / DVD】『鉄くず拾いの物語』鑑賞@WOWOW録画

2015-02-17 01:08:03 | cinema / DVD
『鉄くず拾いの物語』鑑賞@WOWOW録画
 

録画しといて最近見た映画の感想①『鉄くず拾いの物語』ボスニア・ヘルツェゴビナで実際に起こった出来事を、ご本人たち出演で映画化。ロマ、旧ユーゴなど根深い問題はサラリと見せつつ、生きるだけで精一杯の家族の、それでも笑顔のラストに救われる。淡々とした語り口でも、実話だけにズッシリ

 


ネタバレありです! 結末にも触れています!


現在開催中の第65回ベルリン国際映画祭に合わせて、WOWOWではベルリン映画祭特集を放送中。今作は、2013年の第63回ベルリン国際映画祭にて、銀熊賞ダブル受賞(審査員グランプリ・主演男優賞)とエキュメニカル賞特別賞の三冠に輝いた作品。ボスニア・ヘルツェゴビナに暮らすロマ族の一家に実際に起こった出来事を、『ノーマンズ・ランド』のダニス・タノビッチ監督が、本人たちの出演で映画化。新聞記事を読んだ監督は怒りを覚え、自ら映画化に動いたのだそう。ご本人たちが実際に演じているためか、ドキュメンタリー映画のような感じ。淡々としているからこそ、ズッシリと心に響いてくる。


「定職を持たず鉄くずを拾って生活しているナジフは、貧しいけれど気立ての良い妻セナダと2人の幼い娘と幸せに暮らしている。ある日仕事から帰ると、セナダが腹痛で寝込んでいた。出血もしているため、車で遠く離れた街の病院へ連れて行く。彼女は流産しており手術が必要と言われるが、ナジフには手術代を払えない・・・」という話。これはちょっと衝撃的な話だった。


映画は何とかしてセナダに手術を受けさせようと、ナジフが奔走する姿を追いつつ、彼らの置かれた状況を見せるような形で進む。ロマ族のナジフは旧ユーゴスラヴィア内戦時に兵士として戦ったけれど、一切恩給はなかった。ロマ族(Wikipedia)の彼は定職に就けず、保険証もない。保険証がないため、セナダの手術には980マルク(500ユーロ=約67,000円2015.2.16現在)かかる。そんなお金は持っていないナジフは分割払いを願い出る。担当医が掛け合ってくれたけど、院長の許可が下りない。セナダは流産していて掻爬手術すれば元気になる言うのだけど、お金が払えないなら手術をすることは出来ないと病院は断るわけで、これはビックリ。ちょっと調べてみたのだけど、欧米では自然流産を奨励しているそうで、日本では掻爬手術しか選択肢がない病院が多いのだそう。自然流産というのは、既に死亡してしまった胎児が自然に降りてくるのを待つという形らしい。となると、セナダの場合も自然流産を待てばよいという選択肢もあったのかな? 要するに緊急性はない? ちょっとその辺りがよく分からなかったのだけど、セナダは目に見えて具合が悪くなって行く。


ナジフは支援団体のような所へ行き、窮境を訴える。そこの女性職員は、お金がなくても病院は手術をする義務があると言い、自分が同行するのでセナダを病院に連れて行こうと話す。ところが、既に2度断られているセナダは、あの病院に行くのは嫌だと断る。女性職員は自分がちゃんと話すからと説得するけど、セナダはあくまで拒否する。本人が嫌がるものを強要は出来ないということで、職員は帰ってしまう。うーん、セナダの気持ちは分かるのだけど、そんなことを言っている場合なのか? それはセナダの無知ゆえなのか? 失礼な言い方だけど、セナダだけの問題じゃなくて、こういうことっていろいろ手段はあるのだろうと思うのだけど、それを知らないから簡単に諦めちゃうというか・・・ 結局、セナダの妹の保険証を借りることを思いつく。要するに妹になりすまして掻爬手術を受けたわけで、それって見つかったら犯罪になってしまうのでは? セナダの中で職員と同行して説得してもらうのはイヤで、妹になりすまして手術を受けるのはOKというバランスが分からないのだけど、その辺りもボスニア・ヘルツェゴビナの状況とか、ロマ族の置かれている環境とか、きちんと調べたら根深い事情があるのかもしれない。


手術は無事成功し、セナダも家に帰れることになる。医者からは薬を忘れずに飲むように言われるけれど、ナジフには薬代もない。家に帰ったナジフは動かなくなってしまった自分の車を、近所に住む弟と一緒に解体する。その鉄くず代は、セナダの薬代と、止められていた電気代に変わってしまう。再び電気が通り、娘たちが大好きなドラマが映った朝、一家は幸せそうに肩を寄せ合って終了。うーん。彼らはこれからも、ギリギリの生活が続くのかもしれない。でも、ナジフは必至で家族を守ろうとしている。その姿には感動した。


日本には保険制度があって、保険料さえ収めていれば、その恩恵に与ることが出来るけれど、それだって万全ではない。重い病気にかかり、長期入院となれば費用は高額になる。個人で保険に入ったりして、それに備えている人も多いと思うけれど、そうできない人たちもいる。そうなった場合、やっぱりセナダのように病院から断られてしまうのかしら? 遠い異国の話と思っているけど、ちょっぴり怖くなったり


登場人物はほぼナジフ一家と弟。そして隣人たち。手術を拒んだ医師以外は全て本人たちが演じているのだそう。監督としては演技をさせるつもりはなかったんじゃないかと思うけれど、その素朴な"演技"が、どこかで社会的弱者であることを諦めつつ、それでも生きていこうとする強さを感じさせて良かった。


公式サイトの監督インタビューによれば、監督が描きたかったのは"差別"についてだそうだけれど、意外に他人事ではないと思ってしまった作品だった。映画の面白さというのは、監督の意図したこと、そして意図していなかったことまで観客に感じさせることなのかもしれない。良い作品だった。


ロマ族の方々、旧ユーゴスラヴィア、ボスニア・ヘルツェゴビナに興味のある方オススメ。ダニス・タノビッチ監督作品好きな方是非!


『鉄くず拾いの物語』Official site

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