まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

殺して...

2007-03-25 | フランス、ベルギー映画
 大阪から戻った翌日の夜、突然の発熱。地獄の悶えで夜を明かし、朝に熱を測ったら、あわわ、3、39度!
 仕事、休みで良かった~!フラフラと近くの病院に行く。幸い、インフルエンザではなかった。点滴を打ってもらい、家に帰って大量の薬を飲み、ベッドで仮死睡眠...
 夕方、目が覚めると、おやおや!すっかり熱は引いて、ほぼ平常のコンディションに。
 ほっとした反面、ケロリと治ってしまう自分の丈夫さが、何か味気ないというか...私、ほんと長生きしそう...
 
 お松の第2回独りフランス映画祭②
 「石の微笑」
 大好きなブノワ・マジメル主演のサスペンス。
 ブノワが主演というだけでなく、あの怪傑作「沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇」に続いて、ルース・レンデル原作&クロード・シャブロル監督と、まさに私の食指を3拍子でソソる作品。期待せずにおられやうか!
 主人公のフィリップは、母と2人の妹を養う堅実な青年だが、フローラと名づけた石像を、恋人のように扱っている異様な一面も。そんな彼が、妹の結婚式で出会った、センタという謎めいた娘と恋に落ちる。センタはフィリップに、愛の証として、互いに殺人を犯そうと言い出し...
 シャブロル監督のサスペンスは、ハリウッド映画のような、いかにも観客を引き込もう、驚かせようというアザトいドギツさなんて全然なく、常に淡々としてるのに、退屈しない。一見、まっとうでフツーの人々&生活の中にある、ひそやかな狂気が、静かに、ゆっくりと、ミシミシ音を立ててヒビ割れていく怖さ、面白さに、いつしかクギづけになってしまうのです。
 「沈黙の女」「ココアをありがとう」「悪の華」も、まるで「ジョーズ」の、あのBGMが聞こえてきそうな、来る、来る、来る、き、来たー!!なラストに、何だろう?じわじわ膨らんでいた風船が、ついに&やっと爆発してくれた!ああ~すっきりした!みたいな、奇妙なカタルシスを得ることができる。それこそ、シャブロル監督のサスペンスの醍醐味かも。
 シャブロル監督の近年の作品は、キャストも大いなる楽しみのひとつ。
 「悪の華」で、チャーミングなブルジョアお坊ちゃまを好演したブノワを、シャブロル監督はお気に召したのでしょうか。再びブノワに、その魅力と演技力を、遺憾なく発揮させています。
 
 フィリップという青年。クールだけど、優しく面倒見の良いところは、まさに理想の息子or兄って感じ。そして、センタへの狂おしく情熱的な耽溺は、まさに理想の恋人って感じ。
 そんなフィリップを演じるブノワ、カッコいいというより、可愛いと思えたのは、「ピアニスト」以来。相変わらずクールでシャープな男前なんだけど、家族との微笑ましいやりとりや、センタに翻弄され一喜一憂、思いつめたりルンルンになったり、いつもより演技が感情豊かな感じ。笑顔が超可愛い!
 明るく健全な面と、サイコでダークな面。フィリップの持つ二面性を、いかにも異常な二重人格者!みたいな分りやすい単純演技などではなく、なにげない表情や言動で、こいつヤバいかも...と微かにゾっとさせるところが、さすがカンヌ男優賞俳優&あのエリカ先生と闘った男!
 石像にキスしたり、抱きしめたりする姿も、ホントならキモいのに、ブノワの夢見るような、うっとりした表情が素敵で、石像にジェラシー!センタへの恋に陶酔しきった様子も、危なげだけど可愛い!
 さらに、今までで一番濃厚と思えるブノワのラブシーンも
          
 まさに口を舌を吸い合う!といった、見てると何だかモヤモヤしてしまうほどの、フィリップとセンタのキス。求め合う恋人なら、当然の濃密さ。セックスシーンでは、丸出しなブノワのお尻も楽しめます。可愛いケツじゃ~(最近、コレばっか...)ちょっと胸毛のある、ムッチリガッチリした裸も、セクシイ
 とまあ、ブノワのファンには、かなり萌え指数が高い映画。でも...狂気のファムファタール、ヒロインのセンタが... 
 フィリップを、狂気の一蓮托生に引きずりこむ魔性の女は、もっとスゴい美人にしたほうがよかったのでは。決してブスじゃないんだけど、野暮ったいオバサンみたいなんだよなあ。彼女に一目惚れするか~?美貌じゃなくても、いかにも危険な妖気があれば、まだ理解できるけど、それもないし。キャラが面白いので、それが惜しい。まあ、妙な色気はある。猥淫な感じ。
 演じるローラ・スメットの両親は何と、フランスの国民的スター、ジョニー・アリディ&大女優ナタリー・バイ!スゴいサラブレットです。ナタリーおばさまに、ちょっと似てるけど、ママンのほうが可愛い。日本でいえば、さしずめ寺島純子&しのぶ母娘みたいな?脱ぎっぷりの良さも、しのぶ級でアッパレです。
 センタが狂ってしまった原因が、ちょっと???なので、ルース・レンデルの原作を読んでみよっと。
 「悪の華」で、おいしいところを独り占めした名女優シュザンヌ・フロンが、ブノワの会社に何かとクレームをつけ、寂しさを紛らわせてる、裕福だけど孤独な老婆役で登場。本筋とは関係ないチョイ役ですが、何か笑えて、またいい味だしてます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
コメント (3)
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