まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

恋の立ち往生

2007-03-26 | フランス、ベルギー映画
 能登半島の地震、怖いですね。被害に遭われた方々に、心からお見舞い申し上げます。
 TVに映る無残に倒壊した家屋が、なぜか我が身と重なって...ちょっとしたことに、揺らいだり壊れそうになる心は、まさに耐震性のない欠陥マンションみたいです。

お松の第2回独りフランス映画祭③
 「シェフと素顔と、おいしい時間」
 「ブッシュ・ド・ノエル」など、フレンチ人情コメディの名手、ダニエル・トンプソン監督作品(共同脚本は、監督の男前令息クリストファー・トンプソン)。
 ストや悪天候で、飛行機が欠航となり、混雑するシャルル・ドゴール空港。立ち往生する中、ひょんなことで知り合った男女が、互いの人生や恋愛を見つめ直すことに...
 空港でのバタバタ&セカセカした二人のやりとりが楽しく、笑わせてくれます。さりげなく人生や愛の機微に触れる、二人の小粋な会話も面白い。空港で足止めくらうのはイヤだけど、人生たまには立ち止まって、自分を見つめ直すことも大事なのかもしれません。急ぎ足で進んでると、大切なものを見落としてしまいがちに...
 主演は、ジュリエット・ビノシュとジャン・レノ。
 エステティシャン役のJBは、何だかケバいメイクで登場し、まるでトウの立った街娼みたい。ゴテゴテケバケバした衣装や化粧が、ヒロインの混沌とした人生を表しているよう。中盤、メイクを落としてスッピンになるJBの顔、地味だけど可愛いです。でも...それを見て、ジャン・レノがハっと惹かれるんだけど、そこまでは可愛くはないぞ。
 JB扮するヒロイン、かなりトボけたオチャメなキャラで、可笑しい。かなり不思議ちゃん、いや不思議おばちゃん?朝は恋人とも一緒にいたくない、独りがいい、というジャン・レノに、それって夜は勃起するけど朝は萎えるってことね♪と、サラリと笑えることを言ってくれたり。
 ジャン・レノは、ちょっと神経症気味の堅物男。のほほん女のJBに、迷惑困惑しながらも、だんだん心ほだされていく姿が、楽しいです。
 JBもジャン・レノも、良い役者だし、好演してたけど...やっぱラブコメは、可愛い女優&男前な男優のほうが、おいしい映画になるよなあ、と二人を見ていて痛感。人生いろいろ系な味わいはあっても、ロマンチックでスウィートな空気は、まったく醸さない二人でした。ハリウッドでリメイクされるとしたら、おキャメ&ブラピがいいかも。
 携帯電話が、小道具として巧く使われていたのにも、感心。やたらめったら無駄使いするだけの韓国ドラマとは、大違いです。
 トンプソン監督の新作“Fauteuils D'orchestre”も、小粋&心温まるコメディみたいですね。セシル・ド・フランスが可愛い!名女優シュザンヌ・フロンは、この映画が遺作になってしまいました脚本だけでなく、出演もしてるクリストファー・トンプソン。やっぱシブくて男前~話題の豪華キャスト映画「輝ける女たち」の脚本も手がけた彼。母子そろって、才人なんだなあ。
 
コメント
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