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ティム・バートン監督『ダーク・シャドウ』その3

2013-05-21 03:55:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 ホフマン博士による輸血をくり返し受けるバーナバスが、永遠の命を捨ててでも人間に戻りたいと言うと、博士は自分は1年で美しさが半減すると言い、バーナバスが「それでは以前はよほどの美人だったのだろう」と答えると、博士は「医者と患者の秘密を知ってる?」と言って、バーナバスにフェラチオを施します。一方、危機感を募らせるアンジェリークは、重役会でバーナバスと直談判すると宣言し、バーナバスの元を訪れ、工場を175万ドルで売れと言い、共倒れを回避し2人の赤ちゃんを作ろうと彼を誘惑します。彼女がヴィッキーを滅ぼすと言い張るので、バーナバスはしょうがなくアンジェリークとのセックスに応じ、激しくセックスした2人は部屋の中の物をほとんど破壊し尽くします。これ1回限りだと言うバーナバスに、私のものにならないと破滅させると言うアンジェリーク。
 両親に施設送りにされる悪夢を見たヴィッキーは、目覚めると、また幽霊に誘われて、ホールで後ろに倒れていく幽霊の姿を見ます。バーナバスは権力の証明として、町の人々を呼んで舞踏会を開こうと言い出し、ロジャーも賛成します。太陽光を嫌がりだすホフマン博士。キャロリンは成功させるにはサプライズが必要で、具体的にそれはミラーボールと大量の酒とアリス・クーパーだと言います。舞踏会の当日、大盛況の中、本物のアリス・クーパーが大階段で歌っています。クローク係の女はパパと部屋の中にいて、誰も入れるなと言われたと言うデヴィッドに、バーナバスはアリス・クーパーを見て来いと催眠術をかけ、部屋の窓からロジャーが客のコートから財布をすり、その後高級のハッパを吸わせていたクローク係と事に及ぶところを見ます。その後、ベランダにいたヴィッキーの元を訪ねると、ヴィッキーは彼には昔なじみのように何でも話せる気がすると言い、バーナバスがキスしようとすると躊躇して、彼女は愛されたことがないと告白します。本名マギー・エヴァンスは幽霊を見る能力があったため、両親に厄介払いされて施設に入れられ、電気ショック療法などを受けますが、脱出し、幽霊に指差された求人広告がここの家庭教師募集の広告だったと教えます。彼女は心安げる場所をここに見つけたと言い、今度はヴィッキーの方からバーナバスに熱いキスをします。舞踏会に乗り込み、窓の外からその様子を見て、窓の桟を引っ掻いて悔しがるアンジェリーク。
 ホフマン博士はバーナバスに無断で彼の血を自分に入れ不老不死になろうとしていたことを彼に知られ、大人1人分5?の血を7秒半で飲み干すと言うバーナバスに血を吸われ殺されます。ウィリーと、重りをつけた博士の遺体を海に捨てるバーナバス。バーナバスは隠し部屋へのスイッチを探しているロジャーを見つけ、デヴィッドのいい父になるか、出ていくか、どちらかを選ばせます。屋敷を出ていくロジャー。駆け出したデヴィッドは脚立に脚を引っ掛け、シャンデリアの下敷きになるところをバーナバスに助けられます。突っ立ったままで、太陽の光を浴びて燃え出すバーナバス。ウィリーがバケツで水をかけて火は消えますが、デヴィッドは逃げ出し、リズは彼を追い、驚いていたヴィッキーもバーナバスが触れようとすると逃げ出します。
 バーナバスは呪いを解くようにアンジェリークの元へ直談判に行きますが、あなたの飲み物である血を用意して待っていたというアンジェリークは、博士の輸血が受けられなくなったので人間に戻してくれと言いに来ると思っていたと言い、ビジネスの最後のオファーとして、2人がパートナー兼恋人としてこの地を支配していくか、もしくは鉄の箱に戻るかと言うと、バーナバスはいずれにもノーだと言って立ち去ろうとします。 扉を開けて部屋を出ていこうとすると、そこには棺が蓋を開けた状態で立っていて、バーナバスは強力な力でそこに納められると、鎖で自動的に縛られます。社員らが蓋をし、車に乗せると、アンジェリークは呪文をかけ、コリンズ社の工場のガスの弁を開き、火花を散らせ、工場を爆発させます。屋敷から炎を見るリズ。考え直したと言うアンジェリークは、自分が穿いていたパンティを引きちぎってバーナバスの鼻と口の上に置き、あなたの大事なものを破壊すると言い、200年後に会おうと言って、蓋を閉めます。古い墓所に納められる棺。足音を聞き、必死に訴えるバーナバス。蓋はデヴィッドによって開けられ、彼はママに聞いたのだと言い、バーナバスは彼に鎖をほどいてもらいます。(またまた明日へ続きます‥‥)

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ティム・バートン監督『ダーク・シャドウ』その2

2013-05-20 03:50:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 一方、鎖でぐるぐる巻きにされたバーナバスの棺が工事現場で掘り出されます。調査のため、現場監督が鎖を斬って中を調べようとすると、棺は震えだし、蓋と棺の間から白煙が立ち上り始めた直後、中からバーナバスが空高く飛び出し、工員を次々と襲い出します。最後の工員の血を吸い終わって振り返ったバーナバスは、マクドナルドの看板を見て「メフィストフェレスのMだ!」と叫びます。
 森の中を歩くバーナバスは舗装道路に驚き、やって来た車を「悪魔の目玉」と呼んで立ち向かおうとしますが、避けられてしまいます。町へ入ると、“『スーパーフライ』上映中”と書かれた看板の映画館から若者らが出てきて、バーナバスは誰にも気付かれずに館に着きます。酔ったウィリーに会った血まみれのバーナバスは、今が1972年の10月だと聞くと、ウィリーに催眠術をかけ、今後は自分の僕となり、自分をきれいにしてコリンズ家の者に会わせろと命じます。リズに会ったバーナバスは屋敷を自慢して回った後、自己紹介をし合い、一族の呪いの話を始めます。今までお祓いの話をしに来た人は何人もいたと言うリズは、秘かにナイフを手にします。ホールにある秘密の部屋はリズの編み物(マクラメ)置き場となっていてバーナバスを幻滅させますが、彼がステッキの先を床の穴に入れてねじると、床や壁が一斉に動きだし、ホールから地下へと続く階段が現われます。彼は自分がヴァンパイアであることを認めますが、コリンズ家の者には手を出さないと約束します。父は秘密の部屋や廊下を作る才があったと言うバーナバスは、やがて財宝の山が隠してある部屋へリズを案内します。彼は再び家族の一員としてここに住みと宣言し、リズはその条件としてこの財宝のことは2人の秘密にしようと言い出します。握手して同盟を結ぶ2人。
 リズは家族にバーナバスのことを英国から来た遠い親戚のバーナバス3世だと紹介し、バーナバスは自分が一家の運も財産も蘇らせてやると宣言します。キャロリンは地元の漁船は皆エンジェル・ベイ社と契約していて、その会社が東海岸の港を牛耳っていると語ります。そこへヴィッキーが現れると、バーナバスは彼女がジョゼットと瓜二つであることに驚きます。
 パーシー・フェイス楽団の『夏の日の恋』が流れる中、エンジェル・ベイ社の社長アンジェリークが水産工場に出勤すると、工事現場で11人の遺体が発見され、皆ノドをかき切られていたことを伝えられます。現場で立ち尽くすアンジェリーク。彼女はリズを訪ね、町議会の代表として新しい客に挨拶に来たと言いますが、作り笑いをする彼女に会ったバーナバスは敵意をむき出しにします。「何をしてやろうか」と言うバーナバスに、アンジェリークが「待ってられない」とエロティックに答えると、リズは呆れます。応接間に入るなり、アンジェリークはバーナバスにキスし、世の中は変わり、今では自分の会社が町の支配者だと言い、姿を変えながら200年地元の名士であり続けたのだと言います。彼女に襲いかかろうとしたバーナバスはカーテンを開けられ、入ってきた日光を怖がります。彼女が去った後、呪いは愛情の裏返しだとバーナバスに言うリズ。
 カーペンターズの『トップ・オブ・ザ・ワールド』が流れる中、館の改装が進み、木製の工場も再生されます。ハミガキをするバーナバスの姿はは鏡には映らず、空中に浮かぶ歯ブラシだけが鏡に映ります。“エンジェル・ベイ・シーフード”を視察したバーナバスは帰宅するとテレビに驚き、キャロリンに馬鹿にされます。キャロリンと海岸で『ある愛の詩』を読むバーナバス。コリンズ水産株式会社を立ち上げ、リズとロジャーとデヴィッドは記者らのフラッシュを浴びます。漁師を雇うため、元締めのクラーニーの元をウィリーと訪れたバーナバスは、クラーニーに催眠術をかけ、船長仲間を何人か紹介させることに成功します。
 血のように赤い液体が動く飾りに見入るバーナバスをホフマン博士は自室に呼び入れ、催眠術をかけて、彼がヴァンパイアであることを突き止めます。猛然とリズに喰ってかかるホフマン博士に対し、珍しい研究素材なのだから他言するなと言うリズ。一方、バーナバスは最近の求愛術をキャロリンに教わった後、焚き火を囲んでマリファナを回し飲みする反戦家の若者たちと話し、自分の頃は娘の父に金か羊をやれば結婚できたと言い、今必要なのは愛だと聞くと、その直後、若者たちを皆殺しにします。(またまた明日へ続きます‥‥)

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ティム・バートン監督『ダーク・シャドウ』その1

2013-05-19 04:56:00 | ノンジャンル
 ティム・バートン監督の'12年作品『ダーク・シャドウ』をWOWOWシネマで見ました。
 “リバプール 1760年”の字幕。「“血は水より濃い”という言葉がある。血が人を意味づけ、結びつけ、呪うのだ」というナレーション。(以下、「」はナレーションを表します。)乗船を促されるバーナバス少年。「ある者は血によって富や特権を保証され、ある者は服従を強いられる」 召使いの娘アンジェリークはバーバナスとの理不尽な別れに怒りを禁じえません。「私が幼い頃、我がコリンズ家は事業拡大を目指し、新大陸へ渡った。英国の産業技術でメイン州の未開地に水産会社を創設。当時の米国では画期的だった」
 “1年後”の字幕。「商売が栄えるにつれてコリンズポートの町も栄え、我が家はこの地への定住を決めた。15年の歳月をかけて築いた愛する我が屋敷“コリンウッド”」城のような見事な屋敷。「だが我が家の成功を分かち合えぬ者もいた」 アンジェリークは呪いをかけ、その結果、バーナバスの両親は屋根からの落下物で死にます。「肉親の死は事故ではないと確信し、私は黒魔術や古代の呪術の研究に没頭した。だが深い悲しみの闇にも、一条の光が差した。最愛の恋人と巡り会ったのだ」とバーナバスのナレーション。恋人の名はジョセット。魔女アンジェリークは再び死の呪いをかけると、自殺の名所・やもめ岬の崖で「助けて」と無表情に言いながら、ジョゼエットは後ろに倒れて落ちていきます。バーナバスも後を追って崖から飛び降りますが、何故か助かり、やはりアンジェリークの呪いによって、牙を持ち爪の尖ったヴァンパイアにされてしまいます。生きたまま棺に入れられ、埋められるバーナバス。
 “1972年”の字幕。列車に乗る娘。娘は“家庭教師求む”という新聞広告を見ています。まずマギー・エヴァとして自己紹介する練習をした後、スキーの広告を見て、今度はヴィクトリア・ウィンターズとして自己紹介の練習をする娘。駅で降りてヒッチハイクし、ハイクしてくれた人たちに、自分はニューヨークから来て、コリンズポートの昔馴染みに会いに来たと教えます。ボロボロの門扉を開け、廃車が前に置いてある古い屋敷を訪ね、 出てきたただ1人の使用人ウィリーに、自分は家庭教師の面接で来たヴィヴィクリア・ウィンターズだと名乗ります。玄関ホールにはバーナバスの巨大な肖像画が飾られ、出て来た女主人のリズ(ミシェル・パイパー)は暖房費の節約のために閉めている無数の部屋があり、別の棟は現在は使っていないと言います。住人は7人で、私と娘のキャロリン、弟のロジャーとその息子のデヴィッド、使用人のウィリー、老人のジョンソン氏と女性のホフマン博士(ヘレン・ボーナム・カーター)。デヴィッドの母は彼が3年前の5歳の時に海で亡くなり、彼のセラピーのためにホフマン博士が呼ばれたのだとリズはヴィッキーに教えます。ニクソンやベトナム戦争、男女同権の話をして、気が合いそうだとヴィッキーに言うヴィクトリアは、16になったらマンハッタンに住むと言う娘のキャロリンにヴィッキーを紹介すると、キャロリンは1週間ともった人は今までいないと言って、バタンと自室のドアを閉めます。そこには「入るな」の札が掛けてありました。
 巨大な食堂での食事中もロックのレコードをかけて1人踊るキャロリン。遅れて食堂に入ってきたロジャーは「その雑音を止めろ!」と言って、キャロリンに音楽を止めさせ、やはり遅れてやって来たホフマン博士はヴィッキーを見ると「恐ろしい秘密を持っている顔だ」と言います。シーツを被って現われたデヴィッドは?ぃっきーを驚かそうと思っただけだと言うと、ヴィッキーはとても驚いたと言って笑ってあげます。そもそもコリンズ家は水産業を営み、大きな缶詰工場を持っていて、今でも漁船を持っているのだとリズは話しますが、キャロリンは「誰も借りないボロ船だ」と言い、「船底にはデヴィッドのママもいる」と言い、上に行けとリズに言われます。デヴィッドばかり大切にされると言ってキレるキャロリン。
 デヴィッドは今でもママはしょっちゅう話しかけてくると言い、それを否定するリズらに対し、ヴィッキーはデヴィッドの味方になってあげます。ヴィッキーが自室に戻ると、シーツを被った人が現われ、ヴィッキーがシーツを取ると、中には半透明な娘の幽霊がいました。幽霊が「彼が来る」と言って去ろうとし、廊下を滑るように移動していくのをヴィッキーが追うと、幽霊はホールのシャンデリアの上から「彼が来る」と言いながら背中から落ちて消えてしまいました。(明日へ続きます‥‥)

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スティーヴン・キング『1922』

2013-05-18 00:38:00 | ノンジャンル
 スティーヴン・キングの'10年作品『1922』を読みました。長編『1922』と短編『公正な取引』を収めた本です。
 『1922』では、「1930年4月11日、ネブラスカ州オマハ マグノリア・ホテル 関係各位」から始まる告白文という形で物語が語られます。わたし・ウィルフレッドは祖父、父の代から80エーカーの農地を持つ農場主でしたが、新たに100エーカーの農地を相続した妻・アルレットが、農地を豚肉加工業者に売ることを強く主張したため、1922年6月、14歳のヘンリーの助けを借りて、妻を殺し、古井戸に遺体を捨てました。ある日、加工業者の弁護士のレスターが訪ねてきますが、わたしは体よく追い返します。わたしはネズミに食べられ腐敗していく妻の遺体を隠すため、新たに古井戸に年老いた牛を落として銃殺し、土で埋め、保安官の目を欺きます。その後も、レスターは2度やって来ましたが、成す術もなく帰っていきました。ある深夜、牛の悲鳴が聞こえて牛舎に行くと、そこでは妻の腐肉を食べていた巨大なネズミが牛の乳房を喰い破っていて、わたしはそれが逃げ込んだ穴をコンクリートで塞ぎます。
 やがてヘンリーが親しく付き合っていた娘シャノン・コッタリーが妊娠していることが判明し、シャノンは父のハーランの意向でオマハにある養育院に送られることになります。そこでの経費300ドルのうち、その4分の1に当たる75ドルを負担するようにわたしに言ってくるハーラン。わたしは妻が帽子の箱に隠していた40ドルを発見しますが、残りの金は借りる以外なく、銀行に相談しに行く前に、シャノンが養育院に送られたこと、ハーランに要求された金額75ドルの半分の38ドルをヘンリーが払うようにヘンリーに告げますが、ヘンリーは生返事しかしません。その後、実際にわたしは銀行に行き、足りない文の35ドルを借りようとしますが、銀行はどうせなら土地を抵当に入れて750ドルを借りないかと言ってきます。
 数日後、ヘンリーはシャノンの後を追って家出します。彼が出ていった時に乗っていたトラックは州道で発見されますが、彼はなかなか見つかりません。しばらくしてカウボーイ・スタイルの若い男性が食料雑貨店兼ガソリンスタンドを襲い、23ドルを奪う事件が発生します。その男はその週、オマハの質屋で拳銃を買い、翌日その拳銃を使い、銀行強盗をして200ドルを奪います。一方、わたしは忙しく立ち働けば妻のことを考えなくて済むと思い、銀行から750ドルを借りることにします。200ドルを現金で銀行から持ち帰った私は、家の修理に必要なものを買い、残った160ドル弱の現金を妻の帽子の箱に隠そうとすると、そこにいた例の巨大ネズミに手を噛まれます。傷を消毒したにもかかわらず、患部の腫れは広がり、高熱にうなされ、やがて目の前に無数のネズミたちに導かれた、腐敗した妻が現われ、ヘンリーのことを教えてくれます。ヘンリーはオマハのはずれの小屋に身を潜め、シャノンのいる養育院のそばのキャンディ・ストアのそばの路地で、養育院に入れられた娘の誰かが出てくるのを待ち、やがてそうした娘の1人を買収することに成功すると、シャノンへ手紙を渡してもらい、深夜、脱走してきたシャノンとともに車による逃避行に出るのでした‥‥。
 『公正な取引』では、末期癌のストリーターが空港沿いの無人の道を車を運転している時に出会った、“公正な延長”という看板を掲げた露店商に、誰か犠牲者を名指した上、今後の収入の15%を支払うのであれば、少なくとも15年の幸福な人生の“延長”を保障すると言われ、表面的には親友ながら、これまで美味しいところを全て持っていかれていたグッドヒューの名前を挙げると、その後、ストリーターの癌は奇跡的に完治し、彼と彼の家族の人生も次々に開けていくのと対照的に、グッドヒューの人生は度重なる不運に見舞われ死の直前まで追いつめられますが、それでもストリーターは次なる幸運を夢見るという物語でした。

 『1922』は、この後ヘンリーとシャノンによる『暗黒街の弾痕』ばりの逃避行が描かれ、その後、大どんでん返しも用意されています。『1922』の以後のあらすじを知りたい方は、私のサイト(Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto))の「Favorite Novels」の「スティーヴン・キング」のところにアップしておきましたので、そちらを是非ご覧ください。

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スティーヴン・スピルバーグ監督『戦火の馬』その4

2013-05-17 06:13:00 | ノンジャンル
 月刊雑誌「ソトコト」の6月号に「ジェーン・バーキン」の特集記事が載っていました。今でも元気な彼女の写真を見たり、話を読めたりします。お好きな方は是非手に取って欲しいと思います。

 さて、またまたまた昨日の続きです。
 疲れきって撤退する馬たち。倒れこんだトップソーンは、やがて目を閉じ、「敵だ!」と叫びながら逃げ出すドイツ兵らを尻目に、ジョーイはトップソーンの側に残ります。やがて戦車がやって来て、逃げ出すジョーイ。逃げ場を失ったジョーイは戦車を飛び越えて、その後ろ側に出ると、敵の塹壕の中を走り抜け、砲弾の飛び交う中を逃げ、やがて有刺鉄線にからまって倒れます。フェイドアウト。
 潜望鏡で敵の塹壕の手前に馬を発見する英国兵士のコリン。敵と味方の双方が口笛を吹いたり舌を鳴らしたりして馬を呼びますが、馬は動けません。馬を助けようと、コリンは白旗を掲げて塹壕を出てます。挑発して発砲するドイツ軍の兵士。やがてドイツ兵士のペーターが現われ、有刺鉄線を切るカッターを貸してくれますが、コリンは切る順番が分からないので、ペーターは味方が投げ入れてくれた多くのカッターのうちの一つを手にして、2人でペーターの言う順に有刺鉄線を切っていきます。ようやくジョーイが立ち上がると、2人はコイントスで引き取り先を決め、勝ったコリンが自軍にジョーイを連れ帰ります。オーバーラップ。
 塹壕に雪が舞う中、歩いて行くコリンとジョーイ。アルバートは毒ガスで目をやられ、白い布が顔に巻かれています。軍医はジョーイが破傷風を起こしているとして、射殺を命じますが、コリンは戦争で生き残った“奇跡の馬”として、それを思い留まらせようとします。しかし、軍医の命令で下士官がジョーイを撃とうとしたその瞬間、聞こえてきたフクロウの声にジョーイが反応すると、射殺は一旦中止されます。ジョーイと再会するアルバート。アルバートがジョーイの特徴を言うと、泥が洗い落とされたジョーイの体にはアルバートが言った通りの白毛が現われます。下士官は拳銃を仕舞い、軍医は負傷兵と同じように、できるだけのことをしようとアルバートに約束します。
 戦争は終結し、4年ぶりに教会の鐘が鳴らされます。しかし将校の馬以外は競売にかけられることになり、目が治ったアルバートは同僚から29ポンドのカンパを受け、いい馬を独占買いしている業者との一騎討ちを制して、アルバートが30ポンドでセリ落とすことが決まりかけた時、老人がいきなり100ポンドと言い出し、足りなければ今着ているコートを売って110ポンド、それでも足りなければ農場を売って1000ポンド出すと言い、その老人が落札してしまいます。アルバートは英国に戻れば2倍のお金を出すので譲ってくれと言いますが、老人はこれは孫娘の馬で、彼女の遺品なのだと言います。しかし、老人がジョーイを連れていこうとすると、ジョーイはアルバートのところへ戻ってきてしまい、それを見た老人はアルバートにテッドの大隊旗を返し、馬も返すと言って、こちらに背を向けて立ち去りながら「孫の名はエミリーだった」と何度も言うのでした。ジョーイの顔を抱くアルバート。オーバーラップ。
 夕暮れの大地を帰り来る人馬の影。手を顔にかざして、それを迎える母。アルバートは母と抱き合うと、父に大隊旗を返して、握手し、抱き合います。それに寄り添う母。夕陽に輝くジョーイ。フェイドアウト。“WAR HORSE”のタイトル。そしてジョン・ウィリアムスの音楽が流れる中、エンディング・ロールが流れ、映画は終わります。

 蓮實重彦先生が映画ゼミでサミュエル・フラーの『最前線物語』の馬が見事だったと言っていたことを思い出しながら見ていましたが、私が見る限り、この映画でも見事に“馬”が撮られていたように思いますし、“ショット”からなる映画でもあり、またラストは丘の上から帰郷者を迎える母を仰角で撮るというフォード的画面も見ることができました。これだけ詳細にあらすじを書いた映画も久しぶりだと思います。スピルバーグの最良の一本なのではないでしょうか?

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