とっても面白いと思っていたら、今日の読売新聞の書評に出ていた。
最初の『ウェブ進化論』もおもしろかったのだけど、
2冊目の『ウェブ時代をゆく』はもっとすごく面白い。
著者は梅田 望夫さん。著者もかくじつに進化している。
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『ウェブ時代をゆく』 『ウェブ進化論』
書評を読んで、あらためて読み直した。
「序章」から「あとがき」まで、ポジティブな言葉がつづき
昔からリアル社会で「好きをゆく」「けものみちを歩く」という生き方をしながら、
3年間毎日ブログを書いているわたしにとって共感できるところが多い。
ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか
(梅田 望夫著/ちくま新書/777円税込み)
新しい事象を積極的に未来志向でとらえ、挑戦する若い世代を励ましつつアドバイスを与えることができる「知的で明るい大人」が増えなければ、未来の創造はできない。未来は能動的に変えることができるものだが、そのエネルギーはオプティミズムが支えるのだ。理解できない新しいものに直面したとき、達成を賞賛せずに、その不具合や問題点を探し、悪いところばかりをネガティブに捉え、せっかく生まれた新しい芽を摘もうとしてばかりいれば、誰も新しいものを創造しようとしなくなる。
私がオプティミズムを貫くのは、こうした精神的な姿勢のみを理由とするのではない。ネットという技術の持つ性格について次の5点で、大きな希望を抱いているからである。
(1)ネットが「巨大な強者」(国家、大資本、大組織・・・)よりも「小さな弱者」(個人、小資本、小組織・・・)との親和性の高い技術であること。
(2)ネットが人々の「善」なるもの、人々の小さな努力を集積する可能性を秘めた技術であること。
(3)ネットがこれまでは「ほんの一部の人たち」にのみ可能だった行為(例:表現、社会貢献)を、すべての人々に開放する技術であること。
(4)ネットが「個」の固有性(個性、志向性)を発見し増幅することにおいて極めて有効な技術であること。
(5)ネットが社会に多様な選択肢を増やす方向の技術であること。
ネットがなければ出会うすべもなかった見ず知らずの「ネット上の不特定多数無限大の人々」が協力して何事かが達成される「オープンソース」現象や「マス・コラボレーション」現象。これまでは表現の機会すら持たなかった無数の人々の知が集積されればその総体が専門家の知を凌駕する「群衆の叡智(Wisdom of Crows)現象。これらは、こうしたネットの性格をよく現すものである。・・・(P14~15 序章「混沌として面白い時代」より)
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新しいことが次々と起こる「時代の大きな変わり目」を、私たちは生きている。
いくら努力しても、未来を見通して安心することはできない。未知を楽しむ心が生まれない限り、「時代の大きな変わり目」を幸福に生きることはできないのである。私たちはたしかにさまざまな厳しい現実に直面しているけれど、聞けば読めば心が萎える言葉ばかりをシャワーのように浴びれば、せっかく生まれかけた意欲もすぐにしぼみ、未来を創造するエネルギーは生まれず、結果として厳しい現実は改善されない。
モノを書く意義は、それを読んだ人の心に何が生じたかに尽きる、と私は思う。
本書は、まじめでな若者たちの、そして昔そういう若者だった大人たちの心の中に、未知の世界を楽しむエネルギーが生まれてほしいと思いながら書いた。
未知を楽しむエネルギーが心の中に宿り、「志」を立てて、「はじめの一歩」を踏み出す力が出さえすれば、私たちの前にはさまざまな可能性が次々と訪れる。一生懸命何かをやりたいと思う人たちを、これまでの日本社会は、レールの上を走らせよう走らせようとしてきたが、そうでない道もあるのだ。・・・・(P243 あとがき より)
「自分の頭で考え続け、どんなことがあっても絶対にあきらめない」。
などきらりと光る言葉がそこかしこに。
本書は、ひとことで言えば「希望の書」である。
本書を読んで、わたしがなぜ毎日ブログを書き続けるのか、
少しだけ、わかった気がした。
新書版なので、ぜひ手にとって読むことをおすすめしますが、
まずは、「人気です」の書評を紹介します。
梅田望夫さんのブログ
『中央公論』2008年1月号にも紹介されています。
梅田望夫『ウェブ時代をゆく』を語る 僕はよく楽観的すぎると批判されますが、 問題意識としてはまったくオプティミズムではないんです ――インターネット世界の急激な変貌と、現実社会への影響を読み解いた前著『ウェブ進化論』は37万部のベストセラーになりました。新著はウェブの新しい現象を紹介するのではなく、その時代をどう生きるかについて描いています。なぜ『ウェブ進化論2』を書かれなかったのでしょうか。 『ウェブ進化論』を発表した後、多くの編集者から、「一つのカテゴリーを創造しましたね」と言われました。確かに、ウェブに関するテクノロジーを解説した本は新書だけでも大量に出版されましたね。しかし、そういう類の情報はネットにも溢れているわけで、自分にとってはカテゴリーを作ったところでもう終わりかなと。 それに、『ウェブ進化論』で提示した枠組みを変えなければならないような大きな出来事は、その後も起きていないと思います。ユーチューブもフェースブックも、同じ枠組みに埋め込めます。次に大きな動きがあったときには、僕よりずっと若い人が「決定版」を書いてくれればいい。 今回、ウェブ時代の生き方、働き方を書いた背景には、若い人たちの影響があります。 03年から2年近く、CNETというサイト上でブログを書いていました。そこで当時20代だった担当編集者から求められ、ウェブで何が起きているかというテーマの合間に、若者へ向けたキャリア論を扱ったところ、反響があり、多くの記事を書きました。 また、僕はJTPAというNPOを創設し、毎年30歳以下の若者約20人を招く「シリコンバレーツアー」に関わっています。その参加者は大変優秀な子ばかりなのに、充実した将来への希望を持てていない。僕が「シリコンバレーなんて好きなことをしている奴ばかり。自分を信じて好きなことをやればいい」とアップルCEOのジョブズの言葉などを引用しながら話すと、泣き出した子がいました。そんなことを言われたのは初めてだと。また、その場で「スタンフォードに留学します!」と宣言した学生もいました。 20年以上生きて、親や教師とも話し合ってきたはずなのに、日本の教育は何をしているんだろう、若者と真剣に対峙しているのか。彼らのためにも、この本を書かなければいけないと思いました。 ――「ウェブ時代」とは、端的に言ってどのような時代なのでしょうか。 根本にある現象は、知と情報についての巨大なアーカイブができるということです。僕が「もうひとつの地球」と呼んでいるものですね。それは単なる図書館のようなものではなく、生身の人間が繋がっており、日々情報が更新され続ける。個人が全世界のありとあらゆる情報に、いつでもアクセスする力を得る時代です。 ウェブ時代では、勉強したければどこまでも際限なく勉強することができる。脳の限界を取り払うもの、能力の増幅器と考えてウェブを使いこなす人と、そうでない人の差がとても大きくなる時代です。 ――魅力的である反面、とても厳しい時代でもありますね。 そう、とんでもない利便性と自由を得る一方で、これまでにない「新しい強さ」を求められます。 ウェブを活用することで、自分の志向性に従い、高速道路を走るように学習を進められるものの、グローバル化でその先の道は大渋滞になっている。「グローバル」という言葉が日米欧だけを示していた牧歌的な時代は去り、インドや中国から大量に競争相手が参入してくる時代ですから、専門を究める「高く険しい道」を上りきることは本当に困難になる。それでも自分の志向性を活かすためには、人間の総合力で勝負する「けものみち」の人生を歩むしかない。本書ではそのためのヒントとして「ロールモデル思考法」を提示しています。いずれにせよ、自由競争の中では、自分の志向性を見つけることが重要になる。対象にどれだけ没頭し、勤勉になれるかの競争になるからです。 僕自身も、また周囲の友人を見ていても、10年前より圧倒的に長時間働くようになっています。仕事とは情報の処理ですから、IT化とグローバル化によって情報量が爆発したうえに、いつどこでも仕事ができるようになったことが原因です。 Rubyというプログラミング言語の開発者である、まつもとゆきひろさんに聞くと、寝ている間も海外からメールが入るので、朝目覚めると一晩で200通も溜まっていたりするそうです。彼がつくづく言っていたのは「嫌いなことを仕事にしてはいけませんね。病気になります」。生存ということを考えても、好きなことを仕事にしないといけないと確信しましたね。 一方で大企業は、個人が今まで以上に仕事を選べない組織になると思います。中国をはじめとしたBRICsやアフリカなど、体力を要求される国に突然赴任させられるほか、事業が急に縮小されたり会社が合併されたり、突発事が飛躍的に増えています。大企業に勤めるためには、「与えられた課題に喜んで取り組む能力」がますます必要になります。僕もかつては特性がないながら大企業に在籍していましたが、今はもう完全に無理ですね。(笑) ――本書の中で、グーグルは食事から家事、さらに散髪や医療まで、すべての「生活上の些事」を会社で提供し、仕事に没頭できる環境を整えていると紹介されています。これは恐怖の未来図とも感じてしまったのですが。 ウェブ時代の働き方がどこに行き着くのか。この本にも答えは書いていません。言えるのは、この大変な時代をサバイバルするためには、自分の志向性にあったことをやっていくしかないだろうということです。僕はよく楽観的すぎると批判されますが、問題意識としてはまったくオプティミズムではないんです。きちんと読んでもらえれば、そのことが分かると思います。(以下略) (『中央公論』2008年1月号「中公読書室・著者に聞く」より) |
刺激的な『新ネットワーク思考』もおもしろい。
この本、ブログに載せようと必死に探していたのだけど、
どうやら図書館の本だったらしい(返却済みだ・笑)。
![]() (アルバート・ラズロ・バラバシ (著), 青木 薫 (翻訳) ----------------------------------------- Amazon.co.jp 最新ネットワーク理論が自然界、ビジネス界、医学界、人間界に及ぼす影響をはじめて詳説した、衝撃の1冊。 1980年代、ジェイムズ・グリックの『Chaos』(邦題『カオス―新しい科学をつくる』)が、初めて「複雑系」という概念を世に紹介し、大きな話題をさらった。それに匹敵するのが、アルバート・ラズロ・バラバシによる本書である。これは、科学界の次の主役がまぎれもなく「ネットワーク理論」であることを実証した1冊だ。 私たちはごく小さな世界に住んでいるのではないか。この世のすべてのものが、1つにつながっているのではないか。長いこと、人間はそう思って生きてきた。実際、地球上のネットワークは、今このときも果てしなく広がり続けている。人間の脳からインターネット、経済、それに個人的な友人関係に至るまで。しかも、このつながりは決して成り行きまかせのものではない。つまり、すべてのネットワークは、純然たる秩序とシンプルな法則によって成立していたのだ。この事実に、科学者たちは少なからず衝撃を受けた。これらネットワークの構造と様式を理解すれば、私たちには驚くべき力が備わるだろう。たとえば、だれもが自分の力を発揮できる最高の社内組織を編成する、壊滅的な被害を受ける前に病気の蔓延をくいとめる、といった魔法のようなことが現実となるのだ。 著者アルバート・ラズロ・バラバシは構造物理学者。つねに革新的な意見を発表し続けるネットワーク理論研究の第一人者でもある。その彼が、本書ではネットワーク理論の最新知識を一般向けにわかりやすく解説、研究最前線で活躍する科学者たちの横顔にせまっている。彼らは、科学界全般に共通するネットワークの法則は、社会的ネットワーク、企業内ネットワーク、細胞内ネットワークにもあてはまることを証明。「この世の中のすべての事象は相互連結している」というきわめて重要な概念をさぐりあてたのだ。さらにバラバシは語る。この知識を応用すれば、サイバーキラーによるインターネット被害も、カゼによる新種ウィルス流行も回避可能、これからの民主政治の行方を左右することだって可能だ、と。権威ある学者による、実にわかりやすい解説が魅力的な本書は、科学の新世紀の幕開けを告げる、高揚感あふれる1冊だ。 「ネットワークに注目しよう」― 本書のメッセージはいたってシンプルだ。これは、ネットワーク理論の誕生、特徴、進化について詳しく解説した本である。本書でバラバシはこう主張する。ネットワーク理論を、自然、社会、テクノロジー全般にまであてはめて、統一されたフレームワークを構築しよう。そのうえであらゆる事象をよりよく理解し、インターネットから身体的病気に至るまでのさまざまな問題を解決しよう。ネットワークはいたるところに存在する。つまるところ、私たちに必要なのは、それを見きわめる「目」だけなのだ、と。(以下略) |
活字が切れると手が震える(マサカ!)ほどではないけれど、
ネットが知と情報の魅惑的な世界でも、やっぱり活字も手放せないわたしです(笑)。
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最後まで読んでくださってありがとう
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2008年も
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