みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

続報・つくばみらい市講演中止事件で波紋/県立高校が「DV防止の出前授業中止/次なる狙いは長岡市!?

2008-01-27 07:21:20 | ジェンダー/上野千鶴子
議員と市民の勉強会で、名古屋のウイルあいちに来ています。

つくばみらい市講演中止事件の続報です。
【抗議署名】は明日までなので、まだの方はぜひご協力を。

【抗議署名】つくばみらい市における平川和子さんの
講演会直前中止に抗議し、改めて実施を求めます(1/22)

【抗議署名】メッセージ(againstGFB)

つくばみらい市のDV防止法関係の講演会の中止事件の影響で、
茨城県内の高校で、デートDVの講座が中止になっています。

若い人たちに、DVのことを伝えるのは、
被害者になることも加害者になることも未然に防ぐために
必要なことなのに、とんでもない波紋です。

勉強会の準備などでアップできなかったのですが、
関連の続報も含めて、お伝えします。


「DV出前授業:茎崎高で中止に 「入試前、混乱避けるため」/茨城」  
(2008.1.23毎日新聞)

 つくば市茎崎の県立茎崎高(平井丈史校長)は28日に予定していたドメスティックバイオレンス(DV)に関する市民団体の出前授業を中止した。つくばみらい市で今月中旬、DVをテーマにした講演会が反対する市民団体の抗議で中止になったのを受けた措置で、松井泰寿教頭は「入試前の混乱を避けるために仕方なかった」と説明している。
 出前授業は市民団体「WESTらいず」(中条美智子代表)が計画し、デートDVを取り上げ、生徒たちに被害者にも加害者にもならないよう話すことになっていた。つくばみらい市でDV講演会に反対するメールが100通以上届き、市役所前で数人が拡声器を使って抗議する騒ぎになったことから、騒動の飛び火を恐れた学校側が21日、らいず側に中止を伝えた。
 中条代表は「生徒の安全を第一に考える学校としてはやむをえないのだろうが、残念だ」と話している。【原田啓之】
(毎日新聞 2008年1月23日)

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「DV講演中止理由説明求める つくばみらい」 
(2008.1.23朝日新聞)

 ドメスティックバイオレンス(DV)をテーマにした講演会をつくばみらい市が中止した問題で、講演予定だったDV被害者支援団体・東京フェミニストセラピィセンター所長の平川和子さんは22日、一連の事態について市に文書で説明するよう求めたことを明らかにした。
 平川さんは市に提出した文書の中で、講演が中止された理由を「16日に起きた数人による威嚇や、講演会妨害活動の予告にある」とし、「これは講演会主催者と私、参加市民に対する暴力だ」と主張。文書による説明と、市民への啓発活動と暴力に対する危機管理のあり方について、市に再考を求めた。
 市に示威行動をした団体が「DV被害者支援団体が一時避難施設で女性を洗脳し、男性側に被害を生じさせている」などと主張していることについて、平川さんは「私がかかわってきた中で、そのような人たちは全くいない」と反論。また、同団体が講演会で自分たちの主張を述べさせるよう求めていたことについては、「一方的に私たちを誹謗(ひ・ぼう)中傷する人たちと議論ができるのでしょうか」と批判した。
   ◇
 一方、つくば市の県立茎崎高校は、28日に予定していたドメスティックバイオレンス(DV)の被害者支援団体による出前授業を中止した。つくばみらい市が予定していた同様の講演会が、DV防止法の反対者などの抗議活動で中止に追い込まれたことを受け、生徒の安全や入試の混乱防止に配慮したという。
 同校によると、出前授業は県西でDV被害者支援などに取り組む「WESTらいず」がボランティアで講師を務め、1年生全員にDV被害者、加害者にならないための心がけなどを教える予定だった。
 同校への抗議活動はなかったが、入試時期が近いこともあり、抗議活動による生徒の危険や混乱を未然に防ごうと21日に中止を決めたという。
(2008.1.23 朝日新聞)
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「DV防止の出前授業中止 茨城の高校、影響広がる」 
(中国新聞2008.1.23)

 茨城県つくば市の県立茎崎高校が、二十八日に予定していたドメスティックバイオレンス(DV)被害者を支援する特定非営利活動法人(NPO法人)による出前授業を中止していたことが二十二日、分かった。
 隣のつくばみらい市が別の団体代表によるDV講演会を、抗議が殺到したのを理由に中止したのを受けた決定。この代表の講演を予定する新潟県長岡市にも多数の抗議が寄せられ、影響が広がり始めている。識者から「DV防止法の根幹にかかわる事態」と危惧(きぐ)する声が出ている。
 茎崎高校によると、茨城県内のNPO法人が一年生約六十人を対象に、若い世代で多発している「デートDV」についての知識を広め、予防するための講義を予定していた。
 松井泰寿教頭は「学校に抗議があったわけではないが、公的機関であるつくばみらい市の判断を重視し、生徒の混乱を避けるため中止した」と説明した。
 一方、新潟県長岡市によると、つくばみらい市で中止となった「東京フェミニストセラピーセンター」所長平川和子さんによる講演会を二十七日に予定している。中止を求めるメールや電話が三十件以上寄せられているが、主催する市教育委員会は「粛々と行いたい」としている。
 平川さんの講演をめぐっては、つくばみらい市に「DV防止法は家族を破壊させるための欠陥法だ」などと主張するグループなどから百件を超える抗議があった。
(中国新聞2008.1.23)



「27日に予定のDV防止講演会 長岡市に抗議続々 茨城で中止、影響広がる」
新潟日報 1/23)

 ドメスティックバイオレンス(DV)問題をテーマに、「東京フェミニストセラピィセンター」所長平川和子さんによる講演会を27日に予定している長岡市に、中止を求めるメールや電話が30件以上寄せられていることが22日、分かった。
 隣のつくばみらい市が別の団体代表によるDV講演会を、抗議が殺到したのを理由に中止したのを受けた決定。この代表の講演を予定する新潟県長岡市にも多数の抗議が寄せられ、影響が広がり始めている。識者から「DV防止法の根幹にかかわる事態」と危惧(きぐ)する声が出ている。
 平川さんの講演をめぐっては、今月20日に計画していた茨城県つくばみらい市が「DV防止法は家族を破壊させるための欠陥法だ」などと主張するグループなどから百件を超す抗議が殺到し、中止とした。つくば市の県立茎崎高校も混乱を避けるため、NPO法人による28日の出前授業を中止した。
 影響が広がり始め、識者からは「DV防止法の根幹にかかわる」と危惧する声が出ている。主催する長岡市教育委員会では「粛々と行ないたい」としている。
 つくばみらい市によると、昨年12月に市の広報紙に予定を掲載したところ、「(平川さんの活動は)思想的に偏りがあり、公費を使った講演はふさわしくない」などとする抗議が百件以上寄せられた。さらに、今月16日には、講演に反対する数人が市役所前で拡声器で中止を求める騒ぎとなり、市が同日、中止を決定した。
(新潟日報 2008.1.23)



[配偶者間暴力]「人権侵害」は重大だ
沖縄タイムス社説(2008年1月26日)

 県警に寄せられた二〇〇七年の配偶者間暴力(DV=ドメスティック・バイオレンス)に関する相談件数は五百二十八件(対前年比60・5%増)で、DV防止法が施行された〇二年以降最多を記録した。
 十万人当たりの発生件数が全国二位であった〇六年(三百二十九件)を大幅に超えたことを考えれば、今回の件数が全国ワーストになるのではないかという関係者の危惧もうなずける。
 被害者と加害者の関係をみると婚姻関係にある者が63%、内縁関係20・3%。元婚姻関係にあったのが12・4%、元内縁関係は4・3%である。被害者は圧倒的に女性で五百十九人。加害者のほとんどは男というわけだ。
 言うまでもないがDVは犯罪だ。たとえ夫婦間であっても、加害者が被害者の人権を著しく侵害するという構図に変わりはない。
 「夫婦喧嘩は犬も食わない」とよく言われる。だが、度を越した場合、暴力につながる恐れがあるのはこれまでの調査からもはっきりしている。
 犯人が配偶者になる殺人事件が全国で年間約二百件も起きているからだ。DVを単純な夫婦喧嘩として受け止めてはなるまい。
 同時に加害者に対し「暴力は犯罪である」という意識をどう植え付けていくか。被害者の保護策をさらに進めていくのは当然として、再発防止に向けた加害者教育もまた重要だろう。
 〇七年十月―十一月に行われた内閣府調査によると、「精神的暴力」や「身体的暴力」はともに80%を超え、九割に近い。
 私たちはまた「デートDV」にも目を留めなければならない。恋人同士で男性から暴力を振るわれることの深刻さは同じだからだ。
 今月十一日に施行された改正DV防止法に基づく「接近禁止」や「退去命令」などの保護命令が発令されたのは四十五件(対前年比四件増)。保護命令違反は五件である。
 気になるのは傷害や暴行、住居侵入などで摘発された百件のうち、加害者が酒を飲んだ上で暴力を振るうケースが七十三件あることだ。
 私たちにはDVを許さず、見逃さないという姿勢が求められている。被害者に対するケアと救済策をどう構築していくのか。県と市町村、警察が一体となった対策が急務だということを数字は教えている。
 DVは家庭内の経済問題と深くかかわっているともいわれる。とはいえ、夫婦が共に人権を尊重し支え合うのは当たり前のことだ。そのことをまず肝に銘じたい。


(1/27追伸)長岡市の講演会は無事、開催できたようです。
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「抗議相次いだ講演、混乱なく」

 ドメスティックバイオレンス(DV)防止法を批判する団体から抗議のあっ
た、DV被害者支援団体「東京フェミニストセラピーセンター」の平川和子所
長の講演会(長岡市教育員会主催)が27日、同市で行われたが、混乱はなかっ
た。
 講演会は市民ら約120人が参加。平川さんが、DV被害に遭った子どもの支
援の在り方を、実践から語った。講演を聴いた見附市の女性会社員(31)は「暴
力の連鎖を止めようという思いが伝わった。混乱を心配したが、何事もなくよ
かった」と話した。
 平川さんの講演は、20日に茨城県つくばみらい市が予定していたが、抗議が
殺到し中止した。
新潟日報2008年1月27日

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まずは、よかった。

長岡市の毅然とした態度が、バックラッシュ派に
付け入るスキを与えなかったようだ。

福井県も、長岡市の爪の垢でも煎じて飲んでもらいたいものだ。


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最後まで読んでくださってありがとう
2008年も遊びに来てね 
 また明日ね
 


コメント
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