みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

気軽に借り合う「猫の手」~色川大吉さん(歴史家) /朝日「アスパラクラブ」

2008-07-29 08:40:14 | ほん/新聞/ニュース
朝起きてすぐ、朝日新聞を開き、
「アスパクラブ」のページを見てみたら、
載っていました。色川大吉さんの大きな記事。

色川さんからお知らせを受けて、心待ちにしていたのです。

八ヶ岳の森のなかで破顔一笑、
清々しい色川さんの写真もステキです。

気軽に借り合う「猫の手」
色川大吉さん(歴史家)
 

 「猫の手くらぶ」は猫好きの集まりではない。「猫の手でも借りたい。でも、謝礼などで気兼ねしたくない」と考える中高年たちが育てた互助組織である。メンバー29人は山梨県八ケ岳南麓に住む。今年で発足8年。代表は歴史家の色川大吉さん(83)だ。
 「近所のひとり暮らしの女性から『海外出張の間、犬の散歩をお願いできませんか』と頼まれたのがきっかけです。この地区は夫婦2人だけやひとり暮らしが多い。不便や不安は日常的ですが、役場は遠いし、頼りになる友だちがいない人もいる。気軽に助け合える会を作ろうと誕生しました」

 3人で始まり、翌年は10人、翌々年は20人に増えた。会員間だけで通用する通貨「ニャン券」を発行している。1ニャンは500円相当で、入会時に10ニャン券を買ってもらう。駅までの送り迎えは2ニャン、薪(まき)割りなど力仕事は4ニャン……。ニャン券は会員たちの間をぐるぐる回っている。
 当初は最寄りのJR駅までの送迎が多かったが、近年は留守中の家の見回りや庭仕事、病気のときの手伝い、花の水やりが中心だ。家のカギの場所を教え合っている仲間もいる。桃の花見、そうめん流し、映写会、紅葉狩り。様々なイベントの呼びかけや出欠は電子メールでやりとりしている。
 全国各地に似たような会はあるだろう。だが、なぜ長続きしているのか。色川さんの説明は明快だった。
 「過去や経歴は本人が言わない限り探り合わない。今の人柄を尊重しています。自慢話も嫌われます。会則も会費もなし。意思疎通を大切にしたいので会員も増やさない。つまり、仲間割れする余地がないのです」
 色川さんは八ケ岳を「終(つい)の棲家(すみ・か)」と決めている。10年前「肝硬変直前」と診断された。化学療法ではなく、免疫力を強めて肝炎ウイルスと闘うことにした。手がけている仕事を全うするため、東京の住まい、縁や義理などを捨てられるだけ捨てて、ひとりで移り住んだ。しかし、真冬はマイナス15度に冷え込むこともざらで、薪ストーブを5カ月間たいた。
 「孤独には慣れているつもりでした。でも、今度のひとり暮らしは死ぬまで続く。そう覚悟したとき、窓の外の景色が違って見えたのです。雪はいつかやみ、寒さもゆるみます。同じように春を待っている仲間が近所にいると気づいたのです」
 2年前、隣町に「犬の手くらぶ」が誕生した。「猫」と「犬」のメンバーの交流は盛んで、冬はスキー、初夏はホタル狩りなどを楽しんでいる。
文・写真 古舘謙二
(2008.7.29 朝日新聞)


前にブログでも書きましたが、ここで紹介されている、
「八ヶ岳南麓 猫の手くらぶ物語」は、とても美しい本です。


『八ヶ岳南麓 猫の手くらぶ物語』/色川大吉さんの最新刊(2008.6.13)
 
朝日新聞「アスパクラブ」のホームページから応募すれば、
色川さんのサイン本を「20人にプレゼント」だそうですから、
あなたも応募してみてください。

それより、買って読んだほうが早いと思うけど・・・・(笑)。

ご注文は、山梨日日新聞社出版部へ。


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