みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

花粉症、突然「デビュー」/花粉飛散8割増/黄砂も悪影響

2009-03-18 14:20:26 | ほん/新聞/ニュース
おとといから山に霞がかかっているように曇っていて、
大陸から飛んでくる黄砂の影響らしい。

こんな日は花粉もたくさん飛んでいるだろうなぁ、と思っていたら、
案の定、「花粉症」の記事にアクセスが多い。
わたしは花粉症はないのだけど、周りには花粉症の人が年々増えていると感じる。

と思っていたら、
昨日の毎日新聞の夕刊にこんな興味深い記事が載った。

特集ワイド:花粉症、突然「デビュー」
毎日新聞 2009.3.17

低年齢化…今や1歳児でも 
 スギ花粉の飛散がピークを迎えた。周囲を見渡すと、今年初めて花粉症にかかった人や数年ぶりにぶり返した人もいる。幼児が発症するなど、低年齢化も進んでいるようだ。【山寺香、小松やしほ】

 ◇心配しすぎ、予防に逆効果も
 それは突然のことだった。2月とは思えない暖かさで、各地で夏のような気温を記録した14日。外出先で記者(小松)の鼻水がとまらない。「なぜ急に」と思ったが、寒暖の差によるものと軽く考えていた。
 ところが、帰宅した途端に今度はくしゃみの連発。しかも目もかゆい。初めは人さし指でまつげをなぞるように、上品にこすっていたのだが、それでは治まらない。ついには、手のひら全体でゴシゴシ。それでもかゆくてしようがない。「もしや」と不安に駆られ、耳鼻科に駆け込んだ。血液検査で「スギとヒノキのアレルギー症状が出てますね」とのお墨付きをもらった。こうしてめでたく?花粉症デビューしたのだった。
 ■
 これまで症状がなかったのに、この年(アラフォー)になって突然、発症したのはなぜか。その疑問を解明する前に、花粉症について簡単におさらいしておこう。
 人間の体には従来、侵入してきた異物に対抗するための免疫機能が備わっている。花粉は体にとって有害ではないが、免疫機能が花粉に過剰に反応し、くしゃみで吹き飛ばしたり、鼻水や涙で洗い流そうとする。これが花粉症の症状だ。
 花粉が体内に入ると、花粉をやっつけようとするIgE抗体が作られる。このIgE抗体が蓄積され限界値を超えると、コップの水があふれるように、症状が表れると考えられている。
 限界値は人によって異なるため、同じ環境でもすぐに発症する人と、なかなか発症しない人が出てくるというわけだ。中には、IgE抗体が作られないという、うらやましい体質の人もおり、その人は花粉症になることはないという。
 つまりは、突然の発症と見えて、実は体内では徐々に進行していたということになるが、中国から海を越えて飛来する黄砂が、花粉症を悪化させるとの指摘もある。
 大分県立看護科学大の市瀬孝道教授(環境毒性学)たちは06年、中国のゴビ砂漠で採取した黄砂を、スギ花粉症を起こす物質と共にモルモットの鼻に垂らす実験をした。その結果、スギ花粉症を起こす物質だけを与えたモルモットより、黄砂を加えたモルモットの方がアレルギー症状が悪化したという。
 市瀬教授は「黄砂に含まれる微生物やカビの死がい、大気汚染物質などが症状を悪化させていると考えられる。花粉の飛散量が少なくても、黄砂と一緒に吸い込むことで症状が重くなったり、今まで花粉症でなかった人が突然発症する可能性もある」と話す。
 ■
 花粉症で苦しむのは大人だけではない。花粉症について詳しい、小児科医でもある相模原病院臨床研究センターの海老澤元宏・アレルギー性疾患研究部長は「10~15年前にも花粉症の低年齢化が言われたが、当時は小学生を指していた。しかし、今や小学生は当たり前。1歳でも花粉症になる子供もいる。昔の常識ではあり得ないと言われていたことです」と話す。
 海老澤医師たちは、相模原市内で生まれた3631人を対象に、アレルギーの子供がどれだけ増えたかを追跡調査。3歳児で花粉症は3%だったのが、5歳児では約1割を占めた。
 花粉症が低年齢化している原因については、諸説ある。食生活の変化▽下水道の整備など衛生環境の向上▽昔のように体内に寄生虫がいる人が減った▽自動車の排ガスや黄砂が花粉症を悪化させる……などさまざまだが、はっきりした理由は分かっていない。
 子供の花粉症の特徴は、大人と異なり鼻よりも目のかゆみや充血といった症状が強く表れるという。子供の場合、症状が出ても外で遊び続けたり、かゆいとこすり続けたりするため、悪化してから来院するケースも多く、海老澤医師は早めの受診を呼びかけている。
 だが、親が心配しすぎるのは逆効果だと理化学研究所、谷口克・免疫アレルギー科学総合研究センター長は言う。
 「子供に特に健康上の問題がなく、インフルエンザなどの感染症の流行期でなければ、親が過度に子供の衛生に神経質になる必要はない」
 早期に託児所に預けられている、兄弟姉妹が多い、家庭でイヌやネコを飼っている--などの環境で育った子供の場合、そうでない子供に比べて花粉症を発症する割合が低いという疫学調査があり、その結果を基にした指摘だ。子供を無理に不衛生な状況に置くのは論外だが、幼いころに細菌感染の経験があるほどアレルギーを起こしにくいと谷口センター長はみている。
 ■
 花粉症の症状がある人は、20代=31・3%▽30代=35・5%▽40代=39・4%▽50代=33・1%▽60代=21・8%▽70代=11・3%とのデータもある(「09年版 鼻アレルギー診療ガイドライン」ライフ・サイエンス社)。今や花粉症は国民病ともいえるのだ。
 現在の花粉症の治療は、抗ヒスタミン剤などの薬物療法が中心で、根本的な治療法はないのが現状だ。減感作(げんかんさ)療法と呼ばれ、花粉症の原因物質を注射で体内に入れて体を慣れさせるという治療もあるが、治療期間が長いことなどからあまり広まっていない。
 国は、理研の谷口センター長らを中心に花粉症を予防・治療するワクチンの開発を進めているが、実用化にはまだ10年近くがかかるという。
 環境省によると、今年の花粉の飛散は5月まで続く。花粉症の人にとってはつらい春が続くが、今のところは日々の花粉情報をチェックし、マスクの着用を忘れないなど、地道な対策を重ねるほかなさそうだ。
==============
 ◇「特集ワイド」へご意見、ご感想を
t.yukan@mbx.mainichi.co.jp
(毎日新聞 2009.3.17) 


写真をクリックすると拡大。その右下のマークをクリックするとさらに拡大
人気ブログランキング(社会・経済)に参加中 
応援クリックしてね
 


朝日新聞にも、今年は花粉飛散が去年より8割も多いという記事が載っていた。
やはり、黄砂の影響もあるようです。

環境省 黄砂飛来情報

とはいえ、この環境省の黄砂飛来情報、名古屋がないです(笑)。
東海地方の人は東京をみればよいのか、大阪を見ればよいのか・・・・

記事もこちらには載ってないので、松山の地方版のようです。

花粉飛散 昨年より8割増 環境省予測
2009年03月15日


環境省は、県内の花粉飛散量が今春、昨年に比べ8割も増えると予測している。これを受け、県内の薬局チェーンでは、販売する対策商品を拡充、ヒット商品も生まれた。春先には大陸から黄砂も飛来する。花粉症に悩まされている人にとって、マスクを外せない日々がしばらくの間、続きそうだ。 (伊藤喜之)

 環境省によると、1月末から5月末までの県内(松山市)のスギ、ヒノキ花粉の飛散量は、昨年に比べ79・6%増の大幅アップとなる見通し。平年比でも2割程度、増える見込みだ。
 飛散量の予測は前年7~8月の気温や日照量、降水量をもとに推計する。気温が高く、日照量が多く、降水量が少ないほど飛散量が増えるという。同省は昨夏、松山市内が水不足となるなど、県内の8月の日照量が多かったことで、平年より増えたと見ている。県内では早くても4月末、遅ければ5月初旬まで、花粉の飛散は続く見通しだ。

 ●黄砂も悪さ
 花粉症の症状悪化に、春先、大陸から舞い込む中国の黄砂が影響しているという近年の研究もある。微小なカビなどの異物が付着した黄砂が花粉症が発症した鼻に入り込むと、鼻炎のさらなる悪化を誘うのだという。
 黄砂が引き起こすアレルギー疾患を研究している大分県立看護科学大学の市瀬孝道教授は、「花粉症に黄砂が加わると通常のくしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状のほか、頭痛や血混じりのたんが出るなどの症例が報告されている。また、黄砂がきっかけで花粉症を発症する人もいる」と警鐘を鳴らす。
 環境省は昨年4月から、観測した黄砂飛来情報をリアルタイムでホームページ(http://soramame.taiki.go.jp/dss/kosa/)に提供し始めた。

●新型マスク
 県内の薬局では花粉症対策商品の充実を図っている。松山市に本社があるドラッグストア「メディコ21」の束本店(同市枝松1丁目)では、先月、花粉症対策の特別コーナーを設けた。
 同店によると、売れ筋は医療メーカー「バイオインターナショナル」(松山市)が開発、販売する新型マスク「ピットストッパー」(14個入り、税抜き2200円)。鼻の両穴に耳せんのように挿入することで、顔が隠れてしまう通常のマスクに比べて目立たない。鼻からの呼吸も確保しながら効率的に鼻への粉じん吸入を防ぐことができるという。「コーナーに並ぶとすぐに売り切れるヒット商品。今月初めから入荷が追いつかない」状況だという。
(朝日新聞 2009.3.15) 



花粉症:関東はマスクで対処 他地方は薬や食べ物で対応
毎日新聞 2009年3月7日 

 関東人はマスク好き? ウェザーニューズ(東京都港区)が男女約2万5000人を対象に実施した花粉症対策の調査で、マスクで対処する人が関東地方に集中していることが分かった。他の地方では薬や食べ物で対応する人が多かった。
 同社の携帯サイト利用者に対して、花粉症対策(複数回答)とそれにかける費用を尋ね、回答者の居住地ごとに集計した。
 「マスク」を挙げた人が最も高かったのは茨城で61.4%。続いて神奈川61.1%、千葉60.8%、東京58.6%、静岡57.7%と、上位に関東の各都県が入った。「薬」は鳥取、「目薬」「食べ物」「飲み物」はいずれも秋田が1位だった。
 対策費用が最も高かったのは青森で、1カ月あたり2380円。一方、隣の秋田は1091円で最下位だった。同社は「両県の花粉の飛散量は22位と23位でほぼ同じだが、かける金額が違うのは県民性の違いではないか」と分析している。
 同社は全国約500地点での計測データをもとに、花粉の飛散量と予報をインターネット上の「花粉チャンネル」(http://weathernews.jp/pollen/)で提供している。【元村有希子】
毎日新聞 2009年3月7日 


「花粉チャンネル」(ウェザーニューズ)

花粉症に悩んでいるひとは、「黄砂飛来情報」と「花粉飛散情報」の
両方を見なければいけないから、いそがしい。

なんとか無事、この季節を乗り切ってくださいね。

最後まで読んでくださってありがとう
「一期一会」にクリックを 
 明日もまた見に来てね
  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする