みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

化粧品の「白斑」 被害に対応誠意を示せ/被害者、募る不安/白斑被害はカネボウだけの問題なのか

2013-08-11 16:59:18 | 健康/くらし/薪ストーブetc
7月に、カネボウの「美白」化粧品で、肌が白くなるどころか、
肌がまだらに白くなる「白斑」という症状が出た、
という衝撃的なニュースがありました。

化粧品には無縁なので「白斑」ではありませんが、
お肌トラブルの渦中にいるわたしとしては、とても他人事だとは思えません。

「美白」化粧品をシミやそばかすを抑えられると信じて使い、
ありえないような被害を受けた人たちは、どんなにか悲しくショックなことでしょう。

「被害に対応誠意を示せ」の中日新聞に同感です。

  【社説】化粧品の「白斑」 被害に対応誠意を示せ  
2013年7月29日 中日新聞

 カネボウ化粧品の「美白」をうたった製品の利用者に「白斑」が拡大したのは、被害者の情報を個人的な病気と判断した当初の対応ミスだった。原因の究明と被害回復に万全を尽くしてほしい。

 「肌の色が白くまだらに抜けた」。製品を使った後に、顔や首などに白斑の症状が表れ、どんなにショックを受けたことだろう。

 カネボウが今月十九日までに把握した被害者は六千八百人。そのうち、白斑が三カ所以上に表れたりした症状の重い人は二千二百五十人に上る。

 原因とみられるのは、同社が二〇〇八年に開発した医薬部外品の有効成分「ロドデノール」。しみやそばかすを抑える効果があるとして、化粧水や乳液、美容液など多くの製品に使われてきた。

 同社は今月四日、発症のメカニズムはまだ分からないとしながらも、健康被害を引き起こす可能性があるのを理由に、この成分を使った製品名を公表し、五十四製品四十五万個の自主回収に乗り出した。異常を訴える人が相次いでいるが、そもそも、対応はずっと後手に回ってきた。被害を拡大させた罪は深い。

 問題が発覚するきっかけは、今年五月。皮膚科の医師からカネボウに「製品を使った患者三人に白斑の症状が出た」と連絡が寄せられたことだった。

 同社が過去に寄せられた利用者からの被害相談を調べたところ、一一年以降、三十九人から相談を受けていたことが分かった。当時、対応した担当者は「個人の体質による問題だ」と判断し、社内の被害情報システムにも登録していなかった。

 成分を厚生労働省に承認申請する際の試験では白斑は出ていなかったという。だが、製品となって流通すると、予測しなかった問題が起きる可能性はある。当初から利用者の訴えを軽視せず対応していれば、被害も少なくすんだ。

 カネボウは日本皮膚科学会と協力して専門医の紹介もしている。異常が疑われる人はまずは早く、専門医の診断を受けたい。

 美白商品はブームに乗って、化粧品市場二兆円のうち、二千億円規模に膨らんだ。各社とも製品開発にしのぎを削るが、忘れてならないことは言うまでもなく、安全性を守ることだ。それは企業生命にかかわる。

 被害が起きたら即座に対応する。カネボウ一社の問題にとどまらず、それぞれの企業が共有すべき教訓としたい。


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以下は、「白斑」事件の関連の、詳細な記事です。

  白斑被害はカネボウだけの問題なのか
2013/08/08 東洋経済オンライン

厚労省”お墨付き”、医薬部外品の大事故は2度目
長瀧 菜摘 :東洋経済 記者
 

肌がまだらに白くなる――。カネボウ化粧品が引き起こした美白化粧品の健康被害問題が、波紋を広げている。
7月31日時点における、カネボウ化粧品の消費者庁への報告によると、7月4日の調査開始から25日までに肌がまだらに白くなる「白斑」の症状やその不安を訴えたのは、合計で8631人。カネボウは28日までに個別訪問を終えた4313人のうち4061人に白斑症状が出たことを確認し、さらにそのうち1828人は「白斑が3カ所以上ある」「5センチ以上の白斑がある」「顔に明らかな白斑がある」と、カネボウ化粧品が「重傷」と定義するいずれかの症状が出ていることが分かっている。

安全基準や審査体制への疑問の声も
前代未聞の事態に発展した今回の騒動。カネボウ化粧品は、ずさんな安全対策や問題認識・対応の遅れを厳しく糾弾されている。ただ、今回の問題はカネボウ化粧品だけに課題が露呈したワケではない。四谷の森法律事務所の中村忠史弁護士は「薬事法の安全基準や、審査体制自体に問題がなかったかも、検証すべきだ」と指摘する。

今回、問題となっている美白成分「ロドデノール」は、カネボウ化粧品が厚生労働省から「医薬部外品」として承認を受けている成分だ。医薬部外品は、いわば医薬品と化粧品の中間に当たる製品。化粧品よりも承認審査が厳格であるのと引き替えに、承認されれば、「美白」「保湿」など、より具体的な効果・効能を商品の宣伝文句に使用できる。

医薬部外品は医薬品と同様に、製造・販売を希望する1社ごとに厚生労働省が承認を行う。すでに承認済みである成分など一部を除いて、審査は独立行政法人の医薬品医療機器総合機構(PMDA)が担い、動物実験、人での臨床試験の結果などの提出資料を基に判断、最終的には厚生労働省の薬事・食品衛生審議会で承認される仕組みとなっている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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 クローズアップ2013:カネボウ「白斑」 被害者、募る不安
毎日新聞 2013年08月11日 東京朝刊

 カネボウ化粧品の美白化粧品で肌がまだらに白くなる「白斑」の健康被害が出ている問題で、症状が確認された人は5702人に上った。調査が進めば、影響はさらに拡大する可能性がある。だが、詳しい原因は不明のままで、治るかどうかも分からない。被害を訴える人たちは、カネボウの対応に不満を抱きつつ、不安な日々を過ごしている。【小泉大士、桐野耕一、松倉佑輔、大迫麻記子】

 ◇原因・治療法、なお不明
 2〜3年前からカネボウの美白化粧品を使っていた兵庫県尼崎市の主婦(45)は、昨年5月ごろ、首の後ろに白斑があるのに気付いた。周辺の黒ずんだ部分と、まだらになっていた。白斑は次第に明確になり、ほおや手の甲にも広がった。医師から皮膚病の可能性を指摘されたが、原因は分からず、商品を使い続けた。

 7月4日、被害を伝えるニュースを見て驚いた。症状は自分と同じ。使っていた美白化粧品が自主回収の対象となっていた。すぐに使用をやめ、カネボウに何度も電話をかけた。8月に入って症状確認のために社員が自宅を訪ねてきた。治療費や病院までの交通費は補償すると説明を受けたが、慰謝料の額などは「具体的に決まっていない」と言われ、不信感が強まった。

 髪を伸ばして首筋を隠し、夏場も外出にはマフラーと手袋が欠かせなくなった。医師からは「薬の使用をやめて様子を見よう」と言われているが、顔の白斑は日々目立つようになり、不安は増すばかりだ。

 問題の商品は、メラニンの生成を抑える効果があるとされる「ロドデノール」を配合した薬用化粧品。医薬品と一般化粧品の中間的な存在だ。薬事法上は、治験や独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」の審査などを経て、厚生労働省が製造・販売を承認する「医薬部外品」に分類される。

 同省はカネボウの商品を2008年1月に承認した。承認過程に重大な過失があれば責任を問われるが「販売後に副作用が確認される可能性はあり、問題があったとは考えていない」という。医薬品による重篤な副作用に対しては国の救済制度によって給付金が支払われるが、化粧品は対象になっていない。

 問題発覚後、消費者庁は被害の拡大防止や実態把握に乗り出した。だが薬事法を所管していないため、強力な権限がない中で、省庁間の調整やカネボウへの働きかけを強いられている。

 ◇化粧品の新成分、リスク解消困難
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  「カネボウ美白化粧品」、なぜか話題にされない“3つの重要な論点”
BLOGOS-2013/08/10

カネボウ化粧品が、「ロドデノール」という美白成分を含有する化粧品で「まだらに白くなる症例」が報告されたために、全製品の自主回収を発表した問題。その後の問い合わせの件数は22万件を超えるなど、大きな社会問題になりつつある。

この問題は、化粧品の品質・安全性に関する問題が指摘されたのに、企業側の対応が遅れ、健康被害が拡大した不祥事のように単純化され、あたかもカネボウ化粧品だけが悪いかのような報道が続いているが、この問題が、そのように単純化できる問題ではないことは、【カネボウ美白化粧品、「花王の判断」は正しかったのか?】などの拙稿でも述べてきた。

この問題に関しては、重要な3つの論点についての議論が抜け落ちている。

第一に、カネボウ化粧品の美白化粧品を使用した2424人について「3箇所以上の白斑」「5cm以上の白斑」「顔に明らかな白斑」のいずれかの症状があり、2125人にこれら以外の症状があることが確認されているが(8月9日カネボウリリース)、これらの「白斑様症状」の中のどれだけの数が、他の原因ではなく「ロドデノール」によって発症したものなのかが不明だという点である。

第二に、「ロドデノール」以外の他の美白化粧品について、同様の「白斑様症状」が発生していないのかという点。

第三に、今回の問題について、「ロドデノール」を医薬部外品として承認した厚生労働省にも責任があるのではないかという点である。

第一の点に関しては、上記拙稿でも繰り返し指摘しているように、「ロドデノール」と「白斑様症状」との因果関係は全く明らかになっていない。

今回のカネボウ化粧品の自主回収の措置を受けて、7月17日、日本皮膚科学会において「 ロドデノール含有化粧品の安全性に関する特別委員会」が設置され、「美白成分ロドデノール含有化粧品使用後に生じた色素脱失症例 医療者(皮膚科医)向けの診療の手引き」が公表されているが、同手引きでは、「本事例は、化粧品の使用後に発症している症例が少なからず確認された事実から、因果関係を強く疑っているものの、まだ十分に解明されていない状況のなか、企業の判断による自主回収に至ったものです」と述べて「企業の判断」を強調した上で、「白斑様症状」の診断についての留意点を指摘している。その中で、「美白成分による白斑様症状から除外すべきもの」として、白色粃糠疹、乾癬、強皮症、熱傷、老人性白斑などが、「鑑別が困難なもの」として、薬剤性の光線過敏症、尋常性白斑を挙げている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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   化粧品「白斑」 他社商品も相談10件
2013年8月8日 東京新聞

 カネボウ化粧品の美白商品で肌がまだらに白くなる「白斑(はくはん)」の健康被害が出た問題に関連し、田村憲久厚生労働相は八日の記者会見で、同様の白斑被害がないか他の化粧品メーカーなどに自主点検を求める方針を明らかにした。都道府県や業界団体を通じ、同様の白斑のような被害があった場合は速やかに報告するよう求める通知を出す。

 厚労省によると、カネボウ化粧品以外の複数の会社の商品でも、同様の白斑絡みの相談が計十件程度、消費生活センターに寄せられている。商品との因果関係は不明。

 また、厚労省はカネボウが白斑の情報を得て以降、今年七月に商品の自主回収に着手するまでの経緯を確認するため同社担当者から事情を聴いた。今後、安全管理体制に不備がなかったか、事実関係の調査を進める。

 田村厚労相は「社会的に大きな問題となってきており、利用者は不安に思っている」と述べ、一カ月程度をめどに各社から報告を求める考えを示した。


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