みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

<食べきりのすすめ学>(上)経済学の見地か(下)心理学から考える/ヒマラヤユキノシタ、ピンク雪柳、開花しました。

2019-03-18 17:14:08 | ほん/新聞/ニュース
朝は氷点下だったのですが、
日中は暖かい日になりました。

ピンクのヒマラヤユキノシタの花が開花しました。

中庭に鉢植えを置いて10年ほど。
  
植え替えもしていないのですが、
毎年ちゃんと花を咲かせてくれます。

ピンク雪柳も数輪咲いています。

いつもよりずっと早い開花です。
  


河津桜は満開を過ぎたのですが、まだとてもきれい。

けっこう長く咲いています。


  

  



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ところで、
中日新聞 の生活面に<食べきりのすすめ学>の連載があり、
「人はなぜ食べ残すのか」ということがわかって、
とてもおもしろかったです。

  <食べきりのすすめ学> (上)経済学の見地から 
2019年3月13日 中日新聞 

 おいしそうと思って注文した料理なのに、人はなぜ食べ残すのか-。そんな問いに、経済、心理の学問的見地から迫ってみた。まずは、経済学から。

 疑問を解くべく、訪ねたのは早稲田大政治経済学術院准教授の田中久稔さん(44)の研究室。田中さんの専門は「計量経済学」。経済学の理論に基づき経済モデルをつくり、統計学の手法でそのモデルを実証する。現代の経済学に欠かせない手法で、株価や為替など、さまざまなデータ分析に用いられる。

 まずは、基本を押さえたい。人は何かを食べると、おいしく感じたり、おなかが満たされたりして満足する。この満足度を、経済学では「便益」と呼ぶ。そして、食べる量に対して、便益がどう変化するかを考えるのがポイントだ。

 グラフ(1)を見てほしい。空腹の人がパン一個を食べれば、便益は上がる。二個、三個と追加すれば便益は増すが、一個当たりの便益は徐々に減り、四個目では、食べ飽きたりおなかが苦しくなったりして、便益は減り始める。

 ならば、あらかじめパン三個にしておけばいいのだが、実際はそうできない。その原因を田中さんは、今度は「不確実性」という言葉で解き明かす。「毎日通っているラーメン屋に一人で入って食べ残す人はいない。でも、混み合った居酒屋に大人数で入ると、食べ残しがち」

 混雑した居酒屋などでは、なかなか店員がつかまらず、ようやく注文できても料理がいつ来るか分からない。このようなときは、まとまった量を一度に注文しがち。大人数では自分以外の人が食べる量をつかめず、初めての店では一皿の量も分からないため、さらに過剰な注文になりやすい。
 一方、行きつけのラーメン店なら料理の量が分かるし、自分一人ならどれだけ食べられるか推測できる。店の人も簡単につかまるし、ラーメンもすぐ出てくる。つまり、両者の違いは「不確実性の有無」というわけだ。
 ただ、それならば食べ残すというリスクを回避すべく注文量を減らすという手があるのだが、判断を狂わせるのが「飢餓感」だ。

 空腹のときは、いくらでも食べられる気がして、つい注文しすぎたという経験は多くの人があるはず。そんなときの便益はグラフ(2)の「飢餓ゾーン」のような曲線を描く。「食べれば食べるほど、もっと欲しくなる」状態で、食べ続けた場合の便益の伸びを過大視してしまう。「誤った予想に基づいて注文すると、食べ残しが発生する」
 田中さんは紙に数式を書き始めた。外食時の「頼みすぎ」を導く公式は、ずばりこうだ。

 飢餓感×不確実性=過剰な注文

 つまり、おなかがすいていなければ、不確実性が高くても食べられそうな量を考えて注文は慎重になる。腹ぺこでも不確実性がなく、細かな追加注文が可能なら頼みすぎは避けられる。最も危ないのは、腹ぺこで不確実性の高い店に入ったときだ。
 その場合、食べ残しを防ぐにはどうすればよいか。田中さんはこうアドバイスする。「まずは少なめに注文して『飢餓ゾーン』から抜け出す。空腹がやや落ち着いたら食べられる量を冷静に判断できるようになるので、本格的な注文はそこから始めてください」
 (河郷丈史)


 <食べきりのすすめ学> (下)心理学から考える
2019年3月14日 中日新聞

 せっかく作ったり注文したりした料理を、人はなぜ食べ残すのか-。学問的な観点からこの問いを考えると、食べ残しを減らす手だてが見えてくる。経済学に続いて心理学を応用してみると、ポイントは皿にあるようだ。

 大小の皿に盛られた肉料理と野菜の付け合わせ=イラスト(1)。小さい皿の方がボリュームたっぷりで、見ているだけでおなかが膨れそう。でも実は、料理の量はどちらも変わらない。

 「頭で分かっていても、そのようにしか見えない。これは心理学では『錯視』と呼びます」。食行動の心理学を研究している同志社大心理学部教授の青山謙二郎さん(50)はこう話す。

 青山さんによると、人間は見たものをありのままに認識しているわけではなく、例えば、二次元で見た映像を脳の中で立体的に再現して認識したりする。この中で、認識と現実のずれが際立って見えるとき、錯視として表れる。直線が曲がって見えたり、同じ長さの二つの線が違って見えたり、さまざまな錯視があるが、皿のサイズによって量が違って見えるのは「デルブーフ錯視」と呼ばれる。

 「皿の大きさが変わると、食べる量も変わる」と青山さんは言う。大きな皿に料理を取っても少なく見えるため、気付かないうちに多めに取ってしまい、皿が小さくなるとその逆が起こるというわけだ。「人間は自分がどれだけの食べ物を胃の中に入れたのかを把握するのが苦手。『見た目』で食べた量を把握して、満腹感を感じている」

 皿のサイズは食べる量だけでなく、食べ残す量も左右するという。それを示すデータとして青山さんが例に挙げるのが、デンマークの研究者らが二〇一五年に発表した論文だ。

 この研究は、立食ビュッフェの昼食会で、直径二十四センチと二十七センチの皿を使った参加者の食べ残しをそれぞれ調査。その結果、大きい皿で食べた人たちの食べ残しは一人当たり二十グラムだったのに対し、小さい皿で食べた人たちは一四・八グラムだった。

 皿が小さい方が食べ残しが少ないと結論づけた研究はいくつもあるといい、青山さんはこう解説する。「同じ量の食べ残しでも、大きい皿を使ったときの方が小さい皿よりも少なく見える。結果として『これぐらいなら残してもいいかな』という量が多くなる」。サイズの違う二つの皿の食べ残し=イラスト(2)=を見比べてみると、確かに大きい皿の方が「まあ、これぐらいなら…」という気がする。

 また、皿のサイズが大きくなることで「自分の皿に取る料理の量が増え、食べる量も増えるが、もともと皿に取った量が多いので、結果的に食べ残す量も増える」といった要素も考えられるという。

 デンマークの研究は立食ビュッフェ会場という条件の下だったが、家庭でも応用できる。例えば、大皿料理を食べるときは、取り皿を小さめにするといい。それぞれの皿の食べ残し量を減らすことが期待できるし、大皿に料理がたくさん余ったとしても、箸をつけていなければ、冷蔵庫で保存すればいい。

 「私たちは知らず知らずのうちに環境の影響を受けている。皿はいつも使うので常に効き続ける」と青山さんは話す。食品ロスを減らすヒントは、われわれの心の働きにもあるようだ。
 (河郷丈史) 


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3月17日(日)のつぶやき

2019-03-18 02:02:37 | 花/美しいもの
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