昨日の浅野史郎さんの都知事選立候補表明を受けて、
夜の報道番組は、このニュースがそろった。
表明時点で、「候補者等(立候補予定者)」となるので、
各局とも、決意表明前の加熱ぶりと比べて慎重な報道。
NHKニュースの浅野さん
報道ステーション(メーテレ)の各候補者の談
1週間ほど前から、web上の反応を見ているが、
浅野さんへのネガティブキャンペーンもはじまりそうな気配もあり。
反浅野のニュースソースはそう多くなさそうなので、
自分で検証せずに、ネガティブな伝聞情報を鵜呑みにしている記事もある。
ネット選挙はまだ解禁になっていないが、今回の統一自治体選挙では、
かなりwebの果たす役割は大きくなると思う。
選挙講座をするにあたって、総務省(選挙課)に解釈を尋ねたところ、
HP(ブログも)やMLは「公選法上の文書・図画(とが)」にあたるとのことだけど、
すでに「○○さんに投票しよう」などと事前運動してる(笑)のもあり、
これだけ膨大な数をどうやって規制するつもりなのだろう。
ところで、
今日の朝刊各紙も「社説」で言及および都知事選特集を組んだ。
とりあえず、いくつか紹介したい。
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都知事選の舞台裏 東京新聞
【核心】都知事選
挑む浅野氏 守る石原氏
「石原」か「反石原」か-。4月8日投開票の東京都知事選は6日、前宮城県知事の浅野史郎氏(59)が正式に出馬表明し、現職の石原慎太郎知事(74)に挑む構図が固まった。「都政の私物化、側近政治」と述べ石原都政に「ノー」を突き付けた浅野氏は、なぜ挑戦者となる決意を固めたのか。受けて立つ石原氏は「防衛戦」をどう戦うのか。建築家の黒川紀章氏(72)と元足立区長の吉田万三氏(59)とともに顔触れがそろった、首都決戦の舞台裏を追った。 (社会部・石川修巳、小坂井文彦)
■都民の良識に期待
「断る理由は百ある。やる理由を見つけなさい」-。浅野史郎氏に都知事選出馬を決意させたきっかけの一つが、厚生省(当時)時代の上司の戒めの言葉だった。
二月七日夜、仙台市内のアメリカンパブに、かつらをかぶり、白いタキシードを着てプレスリーを熱唱する浅野氏の姿があった。五十九回目の誕生日パーティー。友人代表は浅野氏に、「(宮城県)知事を辞めて一年ちょっと。そろそろ次のステージを考える時期です」と熱っぽく語った。
語ったのは浅野県政を裏方で支え、「同志」と呼び合う元同県福祉事業団理事長の田島良昭氏。浅野氏が出演するテレビ番組で笑いを取ることにも、「いつまでも、おちゃらけているわけにはいかないだろ」と戒め、今夏の参院選出馬などを促していたという。民主党から都知事選への出馬の話が舞い込んだのはその矢先のことだ。
「意欲がわかない」「知事は卒業」「家族の反対」。「百の理由」で固辞する浅野氏の気持ちは、「宮城の改革を東京でやれば日本が変わる」といった友人たちの説得により、「注がれた水がコップからあふれ出すように」変わっていった。
「国民の政治に対する不信感にこたえる」「自分は知事のエキスパート」。理由は見つかった。「なぜ宮城の人が東京で」という疑問にも、浅野氏は六日の出馬表明会見で、「東京は日本そのもの。私は宮城県民の前に日本人」と力を込めた。
六年前のインタビューで「石原さんは次元が違う」と答えた浅野氏。この日の会見では、そんな弱気な姿勢は見られず、「当然、勝ちます。都民の良識に期待したい」と前を見据えた。
■逆風 意地でも圧勝
「何で宮城の人が東京に来るのか分からんねえ」「警察にはものすごくヒステリック。トラウマ(心的外傷)でもあるのかと思った」
浅野史郎氏が都知事選の対抗馬に浮上した二月下旬、石原慎太郎都知事はそう口にした。「東京発の日本再生はまだ第一章を終えたばかり」と知事。「改革派」の看板を背負う前宮城県知事の参戦に、「批判票の受け皿になる。言ってみれば防衛戦だ」と周辺は言う。
過去最高の得票率を記録した前回選挙の約三百八万票からどれだけ票を落とす「引き算」となるかが、多くの関係者の見方だ。石原知事をめぐっては昨年来、海外出張旅費や知事交際費、都文化施策への四男関与などの問題が続発。側近は「スキャンダルを抱えて臨む選挙戦は初めて」とも言った。
「こうなったら十票差でも勝ってやる」。一月下旬、都内のホテルで開いた政治資金パーティーで、石原知事は千人を超す支援者らを前にこう漏らした。側近はこれを、「“石原流”の逆説的表現」と解説する。意地でも逆風をはね飛ばして圧勝するぞ、という決意の吐露だというのだ。
長男で衆院議員の伸晃氏を都連会長に据え、二〇〇五年衆院選で三男宏高氏を公認候補として当選させるなど、自民党は石原家に貢献。その見返りとして「推薦」の看板を背負ってもらうよう熱望したが、知事は辞退した。無党派層の票を呼び込むための方策とされる。一方で票を手堅く積み上げるため各種団体に小まめに顔を出し、推薦も申請するという。
知事周辺は言う。「圧勝できるかどうかが大事。結果次第では“石原王国”の崩壊の始まりにもなりかねないからだ」
(2007.3.7 中日新聞)
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(←写真の記事とはちがいます)
都知事選―これで面白くなった(2007.3.7 朝日新聞社説)
前宮城県知事の浅野史郎氏が、東京都知事選への立候補を表明した。3選をめざす石原慎太郎知事に挑戦する。
団塊の世代に属する浅野氏は、旧厚生省の出身だ。宮城県知事3期の間に、得意の福祉の分野で独自の政策を推し進める一方、情報公開を徹底した。捜査報償費の公開を求めて宮城県警と激しくやり合うなど、改革派知事として名を売った。
一方の石原氏は人気作家から国会議員に転身し、さらに都知事になった。いささか荒っぽい言動とトップダウンで都庁を率いてきた。オリンピックの招致を鶴の一声で決めたのも、その一例だ。
経歴、持ち味、政策、どれをとっても対照的な2人である。浅野氏の立候補で都知事選はようやく面白くなった。
石原氏は早々と3選への出馬を表明した。ところが、最大野党である民主党がなかなか候補者を決められなかったため、私たちは社説で「東京を選挙区とする菅直人代表代行を立てて首都決戦を挑め」と主張していた。
実際にそうはならなかったが、浅野氏が都民の声に推されるかたちで立ち、民主党は一歩退いて支援に回る。自民党も裏に回って石原氏を応援する。浅野氏と石原氏が表舞台でぶつかるだけでなく、2大政党の対立が鮮明になったのは結構なことだ。
浅野氏は立候補の理由として「東京だけでなく、全国各地から寄せられた『石原都政はもうたくさん』という悲鳴にも似た声」を挙げた。そのうえで、「社会的に弱い立場にある人たちが、生きやすい環境を作り出す」「透明性のある都政、風通しのよい都政にする」などを約束し、石原都政を厳しく批判した。
オリンピックについては「真に優先すべきものであるかどうかは、慎重に考え直す必要がある」と述べた。
石原氏はタカ派的な言動に批判がある一方で、銀行への課税やディーゼル車規制で名を上げた。前回の選挙では300万票を取り、得票率は7割を超えた。ほかの候補者は全く歯が立たなかった。
しかし、今回はかなり様相が異なる。すでに74歳になる。自らの豪華な海外出張が問題になったうえに、都の文化事業に四男が関与したことが明らかになった。そうした公私混同への批判に加え、8年の間に側近政治の弊害も指摘されるようになった。
石原氏も危機感を強めているのだろう。そのまんま東氏が政党の推薦候補らを破った宮崎県知事選の後、自民党の推薦を返上し、無党派層を取り込もうとしたのも、その表れに違いない。
2人のほかに、共産党が推薦する元足立区長の吉田万三氏と、オリンピックに反対する建築家の黒川紀章氏らも立候補を表明している。
首都決戦が盛り上がれば、各地の選挙も熱を帯びるだろう。候補者は真っ向から政策をぶつけ合い、各党も総力で支援することを期待したい。
(2007.3.7 朝日新聞)
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都知事選:浅野氏、冗談やたとえ話で親しみやすさ演出(毎日新聞)
「石原都政の実態を知るにつれ、心の中のコップに注がれた水がこぼれる瞬間があった。そこからドラマが始まった」。浅野氏は6日の会見で、立候補決意の理由をこう表現した。一度は出馬を否定していたが「カードが裏返るように心変わりしたわけではない」とも強調した。
都知事選出馬が取りざたされてから、浅野氏は冗談やたとえ話を駆使して自らの心情を表現し、親しみやすさを演出した。百数十人の報道陣が参加したこの日の会見でも「浅野節」は健在。A4判10枚の資料を配り「泣きながら勉強してパソコンを打った。私がホチキスでとじた」と庶民感覚をアピールした。
浅野氏は先月、民主党の出馬要請を一度は断ったが、先月25日の市民集会で態度保留に転じてからは「私は失語症」「フリーズ(凍結)」と沈黙。同28日に突如「『フリーズ』は溶け『プリーズ』になった」と言葉遊びで意欲を表明した。
この間に、浅野氏は民放各社のテレビ番組に出演し続けた。日ごとに出馬意欲の度合いを高め「都民から悲鳴に似た声が聞こえる」などと石原都政批判を展開。知名度アップのためのメディア戦略とも取れる行動だった。こうした言動に支援者からは「テレビに出過ぎてタレントのよう」と苦言も。浅野氏は「その時々の気持ちを正直に話している。私の言葉が真実」と強調するが、浅野氏をよく知る宮城県幹部は「追い込まれないと決断しない傾向がある」と評した。
浅野氏の正式出馬表明について石原慎太郎知事は6日、「出たり引っ込んだりして、やっぱり出たってことかな。あまり江戸っ子向き、東京っ子向きじゃないね」と皮肉った。【鈴木梢】
毎日新聞 2007年3月6日 20時40分 (最終更新時間 3月6日 21時08分)
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都知事選:浅野氏が正式出馬表明 五輪招致見直し(毎日新聞)
前宮城県知事の浅野史郎慶応大教授(59)は6日、東京都庁で会見し、4月8日投開票の東京都知事選への立候補を正式に表明した。3選を目指す石原慎太郎知事(74)が進める16年五輪招致を見直す考えを示し「社会的弱者への差別、都政の私物化などを変えるため、立ち上がらなくてはならない」と対決姿勢を鮮明にした。
全国知事会によると、浅野氏が当選すれば複数の都道府県で知事を務める初のケースになる。
浅野氏は会見で、出馬の理由を「地方分権を進めるには、最大で最強の自治体の東京都が立ち上がらなければならない。その役割を引き受けたい」と説明。また五輪については「招致計画の見直し」を掲げ「都民が真に望んでいる課題なのかを見極めつつ、判断していく必要がある」と語った。さらに、公約として▽私物化や側近政治など石原都政のゆがみを正す▽新銀行東京などのチェック▽透明性の高い都政--などを掲げた。告示前に、マニフェストを公表するという。
浅野氏は仙台市出身。70年に厚生省(現厚生労働省)入りし、93年に退官して宮城県知事に当選、3期12年務めた。昨年4月から慶応大総合政策学部教授。
◇社民も支援発表
民主党は5日、都知事選での浅野氏の支援を決めている。浅野氏は会見で「推薦申請や政策協定はしない」と述べる一方で「最大限支援いただきたい」と民主党に期待を示した。社民党も6日、浅野氏支援を発表した。
都知事選にはこのほか、共産党が推薦する元足立区長の吉田万三氏(59)、建築家の黒川紀章氏(72)らが立候補表明している。【鈴木梢】
毎日新聞(最終更新時間 3月6日 22時44分)
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浅野氏、石原都政をボロクソ批判(日刊スポーツ)
前宮城県知事の浅野史郎氏(59)が6日、都庁で記者会見し、東京都知事選(22日告示、4月8日投開票)への出馬を正式表明し、石原慎太郎知事(74)の3選阻止へ強い意気込みをみせた。「石原都政は害が多すぎる。このまま続けば取り返しがつかない。当然勝ちます」と自信で、石原氏の側近政治を皮肉り「私のブレーンは都民」とも。無党派を強調する一方、民主党にもあいさつ回り。告示まで約2週間。内心は、なりふり構っていられないのかもしれない。
浅野氏は冒頭、10ページの声明を読み上げた。「出馬理由」から石原都政へのだめ出しだった。
「『石原都政はもうたくさん』という声が、東京だけでなく全国から寄せられた。2期目の石原都政の実態を詳しく知るにつれ、私の中で何かが変わった。ここで立ち上がり、石原都政にストップをかけなければ、東京や都民にとってだけでなく日本の政治にとっても取り返しのつかないところまでいってしまう」。
ひょうひょうとした語りの浅野氏だが「(石原都政が)また4年続くとなると害が多すぎる」と、この日は毒舌だった。独断的とされる石原氏の手法を意識して「強制、管理、抑圧を強調するような手法とは決別する」と強調。石原氏肝いりの新銀行東京を「思い付き政策の典型的プラン」と、ばっさり。「明日の天気は変えられないが、明日の政治は変えられる」と、とことん変化を訴えた。
「不出馬」を明言しながら、市民グループの出馬要請で「頭がフリーズ」。先月28日「フリーズではなくプリーズ(お願い)」へ、気持ちは揺れた。「心の中のコップにつがれた水が、ある時こぼれる瞬間があった。一度はとんでもないと思ったが耳を傾けてみようと。そこからドラマは始まった」と、強調。時間が足りずマニフェストは発表はできなかったものの、「ホームページで意見を募り、取り入れられるものは取り入れたい」。都民との「手作りマニフェスト構想」を打ち出すしたたかさもみせた。
当選すれば、地方自治体の長から都政のトップに転じるのは初めて。勝算を聞かれ「勝算がなくて出る人はいない。当然勝ちます」と自信をみせたが、前回300万票を獲得した石原氏に比べ、知名度は低い。会見ではカメラマンの求めに約5分間ポーズをとり、夕方から夜にかけてテレビ各局にも出演した。
会見は浅野氏に出馬要請した市民グループのメンバーも見守ったが、浅野氏は会見を終えると、推薦要請を断った民主党都連にあいさつへ。7日は民主党本部で小沢一郎代表(64)とも面会する。都民を巻き込んだ無党派選挙を目指す半面、勝手な支援は政党でも欲しい。自ら「チャレンジャー」と名乗る浅野氏が目指すチャンピオン石原超えは決して楽ではない。
[2007年3月7日9時13分 紙面から]
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「ホームページで意見を募り、取り入れられるものは取り入れたい」。
都民との「手作りマニフェスト構想」を打ち出すしたたかさもみせた。
とのことですが、
ちなみに「浅野史郎・夢らいん」の
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