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みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

名護市長選:県外移設派、稲嶺氏当選/鳩山連立政権に対する市民の3項目の要求に賛同を!!

2010-01-25 15:30:42 | 市民運動/市民自治/政治
昨日、投開票された注目の名護市長選挙で、
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の県外移設派の、
稲嶺進さんが当選されました。

東名高速を走る帰りの車のなかで速報を聞いたのですが、
とてもうれしい思いです。

名護市長選:県外移設派、稲嶺氏当選 辺野古案困難に

 名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題を最大の争点とした沖縄県名護市長選が24日投開票され、県外移設を主張する前市教育長の稲嶺進氏(64)が、条件付きで移設を容認する現職の島袋吉和氏(63)を破り、初当選した。これにより、自公政権が06年に米政府と合意した米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古(へのこ))への移設は困難となった。鳩山政権は移設先の見直し作業を加速させる方針だが、米側は合意の履行を求めており、解決のめどは立っていない。
 投票率は76.96%で、過去最低だった前回の74.98%を上回った。当日有権者数は4万4896人だった。
 名護市長選で移設の是非が争点となるのは普天間飛行場返還に日米が合意した96年4月以降、98年2月を最初に今回で4回目。これまでの3回は移設容認派が当選しており、反対派の勝利は初めて。稲嶺氏は24日夜、選挙事務所前で記者団に「辺野古の海に基地は造らせないという約束で選挙を戦ってきた。しっかり信念を持って貫く」と語った。
 稲嶺氏の陣営には国政与党の民主、社民、国民新党に共産党も加えた反自公勢力が結集。県外移設とともに、鳩山政権との連携による地域振興などを訴え支持を広げた。自民、公明両党や市経済界の支援を受けた島袋氏は、選挙戦では移設問題にほとんど触れず、市政継続を訴えたが及ばなかった。
 鳩山政権は12月、普天間移設問題の結論を5月に先送りすることを決め、政府・与党の沖縄基地問題検討委員会を設置して見直し作業を進めている。平野博文官房長官は24日夜、記者団に「結果は結果として受け止める。政府としての判断は判断として考えていかざるを得ない」と述べ、名護市長選の結果と切り離して検討する考えを示したが、鳩山由紀夫首相は選挙前、結果が移設先の検討に影響する可能性に言及している。
 社民党の福島瑞穂党首(消費者・少子化担当相)は24日夜、記者団に「内閣は地元の民意に応え、辺野古沿岸に基地を造らないことに全力を挙げるべきだ」と強調。辺野古移設の選択肢は事実上消えたとの見方が政府・与党内に広がった。しかし、ほかに有力な移設候補地は見当たらず、米側との調整も難航必至。鳩山首相が決着期限に設定した5月へ向け、政府は難しい対応を迫られる。【三森輝久】

 確定得票数次の通り。
当17950 稲嶺  進=無新<1>[民][共][社][国]
 16362 島袋 吉和=無現(1)

 ◇解説 「基地振興策」に終止符を
 普天間移設受け入れの是非が問われた名護市長選で、初めて「移設反対」を掲げた候補が勝利した。背景には「基地受け入れと引き換えの振興策」に対する市民の反発がある。日米安保体制の維持装置として自民党政権時代に定着した「政官業トライアングル癒着」の構造で、普天間問題の膠着(こうちゃく)の原因でもあった。鳩山政権は問題の根本的解決に向け「トライアングル」に終止符を打つべきだ。

 選挙期間中、現在の移設先の辺野古で「基地と一緒に生活していくしかない」という容認派住民の声を聞いた。

 自民党政権は沖縄の本土復帰以来40年近くかけ、過重な基地負担を国からの振興策と引き換えに受け入れさせる仕組みを築き上げた。しかし、名護市の受け入れ表明から10年余り、市の財政は悪化し、振興策の成果も市民が実感できるには至っていない。移設受け入れの理由は「地元に仕事が落ちる」と矮小(わいしょう)化され、市民から「恩恵にあずかるのは一部の業者だけ」との反発も招いた。

 「移設反対」候補の勝利を受けて鳩山政権に求められるのは、振興策を投下することで沖縄に基地負担を甘受させてきた自民党時代のシステムの変革だ。民主党が08年にまとめた「沖縄ビジョン」の原点に立ち返り、基地経済から自立型経済への転換に向けた青写真を示すべきだ。

 その上で、普天間の移設先としてどこがふさわしいかを議論することが必要だ。海兵隊の存在が抑止力として必要なのか、必要ならば沖縄県内でなければならないのか。そのことがひいては日米安保体制を安定させ、鳩山由紀夫首相が目指す「日米同盟の深化」につながると考える。【上野央絵】
毎日新聞 2010年1月24日 21時43分(最終更新 1月25日 0時48分)


今晩のNHK「クローズアップ現代」で、ほうえいされるというお知らせと、
鳩山連立政権に対する市民の3項目の要求に賛同を!!の
緊急の呼びかけが届いていますので、転載して紹介します。


転送・転載歓迎。
 昨日(1月24日)の沖縄県名護市市市長選挙の投票の結果は、辺野古へアメ
リカ軍基地移設反対の稲嶺進さんが勝利しました。地元の意思は「米軍基地はも
うこれ以上来るな!」であることがはっきりしました。これは良いことです。
 
 NHKの「クローズアップ現代」が、この名護市市長選挙を今日(1月25日)
19時30分から放送します。
 
  NHK総合
  クローズアップ現代
「どこへゆく普天間基地~名護市長選挙~」

 
放送日 1月25日(月)
放送時間 午後7:30~午後7:58



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【賛同の締め切りまであと1週間。ギリギリのお願いです。】(転載・転送を歓
迎します)


今年こそ、鳩山連立政権に普天間基地の辺野古移設を断念させ、
       「世界一危険な普天間基地」の即時閉鎖・撤去を実現しよう!!
鳩山連立政権に対する市民の3項目の要求に、どうかご賛同下さい!!
 

                          2010年1月25日

◆呼びかけ人
     平良 修(沖縄・沖縄市、沖縄平和市民連絡会)
     安里英子(沖縄・島尻郡佐敷町、沖縄大学・珊瑚舎スコーレ非常勤
     講師)
     浦島悦子(沖縄・名護市、ヘリ基地いらない二見以北十区の会)
     まついゆうこ(沖縄・南風原町、沖縄靖国合祀取消し訴訟団) 
     鈴木雅子(沖縄・名護市、北限のジュゴンを見守る会)
     木村 朗(鹿児島大学教員)
     舟越耿一(長崎県長崎市、市民運動ネットワーク長崎)
     梶原得三郎(大分県中津市、草の根の会)
     渡辺ひろ子(福岡県築上郡築城町、平和といのちをみつめる会)
     廣崎リュウ(山口県下関市、下関のことばと行動をつなぐ『海』編集
     委員)
     奥田恭子(愛媛県松山市、心に刻む集会・四国)
    山本みはぎ(愛知県名古屋市、不戦へのネットワーク)
     近藤ゆり子(岐阜県大垣市)
     細井明美(神奈川県横浜市、ピースアクティビスト)
    小牧みどり(神奈川県相模原市、ブログ:ブーゲンビリアのきちきち
     日記)
     武田隆雄(東京都渋谷区、日本山妙法寺)
    田鎖麻衣子(東京都新宿区、弁護士)
     近藤豊子(東京都練馬区、『週刊金曜日』練馬読者会)
     加藤賀津子(東京都葛飾区、基地はいらない!女たちの全国ネッ
     ト)
     井上澄夫(埼玉県新座市、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)
     加賀谷いそみ(秋田県男鹿市、男鹿の自然に学ぶ会)
     七尾寿子(北海道・札幌市) 〔順不同〕

◆ 名護市長選で、辺野古基地建設に反対する稲嶺進氏が当選しました!! ◆ 

 沖縄で1月24日に行なわれた名護市長選挙で、「辺野古に基地はいらない」
と主張する稲嶺進氏が当選しました。昨年8月の衆院選では沖縄4選挙区で自民
党が全敗しましたが、名護市長選のこの結果は、それに続き「沖縄の民意」を鮮
明に宣言したと言っても決して過言ではないでしょう。鳩山連立政権は名護市民
の選択を無条件に尊重すべきです。
 しかし鳩山内閣の前原沖縄北方担当大臣は名護市長選の結果について、「市長
選は移設の是非だけを問う住民投票ではない。あらゆる選択肢の中で代替施設を
見いださなければならない」とのべ、辺野古移設の現行案に、なお、こだわる姿
勢を示しました。私たちは前原大臣の暴言に強い憤りをもって抗議します。

 宜野湾市のど真ん中に居座る基地被害の源、「世界で一番危険な」米海兵隊の
普天間基地は侵略の出撃拠点です。イラク戦争では沖縄から5000人の海兵隊
員がイラクに送られ、その一部は「ファルージャの虐殺」に参加しました。普天
間基地は、宜野湾市民が長期にわたって求めてきたように、ただちに閉鎖され、
撤去されるべきです。
 私たちは昨年12月22日から、鳩山連立政権に対する下記の3項目要求への
賛同を呼びかけてきました。賛同の期限は1月31日です。「沖縄の民意」に基
づき普天間問題を解決するため、あと1週間しかないのですが、多くのみなさん
が賛同の声を寄せて下さるよう、改めてお願いします。
 ※ これまでに寄せられた賛同は1月21日現在、団体39・個人465、計
504件です。それらはすでに政府の関係閣僚に届けられています。

 「市民の共同の要求」は、鳩山首相、岡田外相、北沢防衛相、前原沖縄担当相、
福島消費者・少子化対策相(社民党代表)、亀井金融・郵政改革相(国民新党代
表)に届けられます。

【市民の共同の要求】 

 沖縄・名護市で1月24日に行なわれた市長選挙で「辺野古に基地はいらない」
と主張する稲嶺進氏が当選しました。鳩山連立政権は今回の名護市民の選択を無
条件に尊重すべきです。
 沖縄県議会は2008年7月18日、政府あての「名護市辺野古沿岸域への新
基地建設に反対する意見書」を採択しました。さらに2009年8月30日の衆
議院選挙では沖縄4選挙区で自民党が全敗し、比例の九州ブロックでも敗北しま
した。当選した5人の議員は全員が普天間基地の辺野古移設に反対しています。
名護市長選の結果は、そのような「沖縄の民意」をいっそう鮮明に表明しました。
 しかし鳩山内閣の前原沖縄北方担当大臣は名護市長選の結果について、「市長
選は移設の是非だけを問う住民投票ではない。あらゆる選択肢の中で代替施設を
見いださなければならない」とのべ、辺野古移設の現行案に、なお、こだわる姿
勢を示しました。前原大臣の発言は地方主権の確立に逆行して「沖縄の民意」を
踏みにじる暴言であり、私たちは強く抗議します。
 沖縄の人びとは「基地のない平和な島」を求めています。私たちが鳩山連立政
権に求める以下の3項目はその切実な思いの実現に向けた初めの一歩です。

 1,鳩山首相が、米国政府に普天間基地の即時閉鎖と撤去を毅然として要求す
ること
 2,沖縄の思いに応え、日本政府として辺野古移設を断念すること
3,2010年度予算に普天間移設関連経費を計上せず、辺野古での環境影響
評価(アセスメント)関連調査を一切中止すること

 賛同の要領は以下のとおりです。 

◆賛同は個人・団体(グループ)を問いません。
 ○ 賛同者になっていただける場合は、大まかな在住の地(たとえば、大分県
中津市、和歌山県東牟婁郡太地町)をお知らせ下さい。
 ○団体(グループ)賛同の場合は所在地(たとえば、愛知県名古屋市)をお知
らせ下さい。ただし名称に地名がついているときはその限りではありません。

 ● 賛同表明の連絡先は次の通りです。
    henoko.no-hutenma.out@mbn.nifty.com

 ※ お名前・おおまかな住所、団体(グループ)名・所在地に加えて、必ず
「声明に賛同します」とご明記下さい。なお上記メールアドレスはご賛同の連絡
専用です。 

◆賛同の締めきり 2010年1月31日(日)です。 

 ◆〔個人情報の保護について〕 賛同者の氏名や賛同団体名をインターネット
上で公表することはありません。ただし賛同件数については、声明提出後、賛同
者と賛同団体のみなさんに運動の経過とともに報告します。また賛同件数はイン
ターネット上で公表します。

◆ご賛同の集約と鳩山連立政権の閣僚への送付等実務を担当するのは以下の4
人です。
   井上澄夫(埼玉県新座市、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)
   加賀谷いそみ(秋田県男鹿市、男鹿の自然に学ぶ会)
   奥田恭子(愛媛県松山市、心に刻む集会・四国)
   廣崎リュウ(山口県下関市、下関のことばと行動をつなぐ『海』編集委員)


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「競技かるた」が人気です/『ちはやふる』タダ読み!1/31まで。

2010-01-24 21:57:14 | ほん/新聞/ニュース
NHKの土曜時代劇「咲くやこの花」がはじまった。
時代劇はあまり見ないのだけど、この番組は百人一首かるたをテーマにしているので、時々見る。
毎週夜7時半からの30分番組。

昨日は、西伊豆で沈む夕日を見てから温泉に入り、ホテルで食事をしていたので見逃した。
ま、何が何でも見たい、というより、時間が合えば見るというくらいかな。

 注目ドラマ紹介:成海璃子、初の時代劇でかるた好きの町娘に NHK「咲くやこの花」

 女優の成海璃子さん(17)が時代劇に初挑戦したドラマ「咲くやこの花」の放送が9日、NHK総合でスタートする。ヒロインは百人一首が大好きだが、地味で目立つことが嫌いな下町の17歳の女の子。「浴衣も着たことがなかった」という成海さんが、体当たりで江戸の町娘役を演じている。
 町人文化も華やかな文政12(1829)年の江戸・深川が舞台。下町の女の子ながら、目立たずに手堅く生きたいと願う漬物屋の娘こい(成海さん)は、百人一首の腕を認められて出場した「大江戸かるた大会」で活躍し、江戸中の注目を集めることになる。あだ討ちを志す浪人・由良(平岡祐太さん)との初恋も経験し、人間として成長していくヒロインの姿が描かれる。
 成海さんは子役を経て、00年に「トリック」(テレビ朝日系)でドラマデビュー。「瑠璃の島」(日本テレビ系)や「1リットルの涙」(フジテレビ系)などのドラマや、数多くのCMにも出演し、さまざまな表情を見せてきた。時代劇は初めてで、芝居だけでなく、着物の着付けや細かな所作のけいこにもはげみ、「3カ月間一生懸命に、こいという人を生きていきたい」と決意を語った。
 同じく時代劇初挑戦の平岡さんは、02年の「第15回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞し、その後、映画やドラマ、CMなどで活躍。10年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」にも出演している。平岡さんは「毎日が新鮮。何事も初めてなので思う存分楽しみたい」と目を輝かせていた。このほかに松坂慶子さん、余貴美子さん、佐野史郎さん、寺田農さんも出演。9日から毎週土曜午後7時半に放送予定。全10回。【栗原拓郎】
2010.1.9 毎日新聞


成海璃子が時代劇挑戦…NHK「咲くやこの花」
(2009年9月30日 スポーツ報知)
 女優の成海璃子(17)が時代劇に初出演することが29日、分かった。来年1月9日スタートのNHK「咲くやこの花」(土曜・後7時半、全10話)に主演するもので、百人一首かるたが得意な女の子の成長を描く。成海は着付けや百人一首を一からけいこ中。最近はコメディー作品で新境地を切り開く成海だが、初めての時代劇にも「ひとりの人間を生きることが自分の仕事」とジャンルを意識せず臨むという。・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
 成海は百人一首かるたの経験がほとんどないという。読み方のイントネーションや札の置き方など基礎から教わり、自分で専門書を買って暗記しようとしている。ただ幼少時、かるた自体は「熱血にやってました。パーンって(札を取る)感じ(笑い)」。役と同様、かるたの腕前には自信があるようだ。これまで天才少女や孤独で繊細な役が多かった。だが2月公開の主演映画「罪とか罰とか」では頭をたたかれたり、鼻血を流す突き抜けた役。8月公開の「山形スクリーム」ではホラーコメディーに初挑戦するなど女優として新境地を見せている。


『ちはやふる』第7巻も、最近、出たので買って読みました。


この本は、競技かるたをテーマにしている漫画で、昨年マンガ大賞など2冠を受賞。

今月末まで、期間限定で、webで「ただよみ」ができます。

ちはやふる:マンガ大賞など2冠記念 マンガ3話分100ページ、ウェブで期間限定公開

マンガ100ページを公開した「ちはやふる」コミックス1巻 書店員らを中心に年一番のマンガを選ぶ「マンガ大賞2009」の大賞、編集者や著名人らが一番面白かったマンガを選んだムック「このマンガがすごい! 2010」オンナ編の1位に輝いた「ちはやふる」(講談社)が、1月8日までの期間限定で“2冠”達成を記念して、マンガ3話分100ページをウェブで公開している。
 「ちはやふる」は、「BE・LOVE」(講談社)で08年から連載中の少女マンガ。天性の聴力を持つ少女、綾瀬千早が競技かるたに魅せられるなかで、恋や友情、別れを経験し、成長する姿を描いている。 
 編集部では「年末年始のかるたシーズンに、一人でも多くの方々に『ちはやふる』をタダで楽しんでもらいたい」としている。【河村成浩】
【関連リンク】
期間限定の試し読みサイトhttp://kc.kodansha.co.jp/content/top.php/1000003555
2009年12月30日


マンガ大賞2010ノミネート作品決定。「ちはや」に続くのは?


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わたしは、漫画やドラマが好き、というより、百人一首が好き。
ものごころつく頃から、おりあるごとに百人一首で遊んでいました。
百人一首かるたで、文字を覚えたほど好きで、小学校にあがることは、
全首をそらんじていました。

高校も競技かるたをやりたくて、かるた部があるところを探したほど。
バドミントンもしていたので、迷った末に、バドミントン部がある高校にはいりました。

近頃は、目が悪くなったのでやりませんが、
百人一首はわたしにとって、片思いの恋人みたいなものです。。


なるほドリ:「競技かるた」って何?/滋賀
 <NEWS NAVIGATOR>

毎日新聞 2010年1月20日 地方版

 ◇近江神宮で日本一を決定--かるた漫画「ちはやふる」も人気呼ぶ
 なるほドリ お正月は、家族そろってかるたなんか風情があっていいよね。大津市の近江神宮で9日、小倉百人一首競技かるたの「名人位・クイーン位決定戦」で日本一のかるた名人が決まったって聞いたけど、僕も競技かるたに挑戦してみたいなあ。

 記者 それはいいですね。競技かるたは「畳の上の格闘技」とも呼ばれ、小倉百人一首の札を使って1対1でスピードと記憶力を競う競技です。子どもからお年寄りまで、全国の競技人口は約100万人に上るといわれています。

 日本一の名人・クイーンになるには、約150人の上級者が参加するトーナメント戦を勝ち抜き、毎年1月に近江神宮で開かれる決定戦で前年の名人・クイーンに勝たなくてはいけません。1955年以降、最高峰の「永世名人」(通算7年以上)は4人、「永世クイーン」(通算5年以上)は3人います。

 Q なんで近江神宮で日本一を決めるの?

 A 近江神宮がまつっている天智天皇(在位661~672年)が、百人一首の第一首「秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ」を歌ったとされることにちなんでいます。決定戦の他、実力別に300人前後の参加者が対戦する「高松宮杯・近江神宮全国歌かるた大会」や「かるた祭」などのイベントも開かれています。

 Q でもかるたって少し古くさいイメージがあるよね。

 A それは誤解ですよ。08年から雑誌連載中の女性向け漫画「ちはやふる」(作者・末次由紀)では、競技かるたの魅力に引き込まれていく少女を描いて人気を呼び、かるたブームに一役買っています。漫画がきっかけで始める子どもや女性もいるようです。

 近江神宮内の時計博物館では2月14日(土日祝日のみ)まで、「ちはやふる」の原画など38点を展示しています。かれんな主人公の姿を見たら、かるたのイメージが変わるかもしれませんよ。

 Q どうやったら強くなれるの?

 A 楽しむことから始めたらどうでしょう。県内には「大津あきのた会」(大津市)や「日野三笠会」(日野町)など、全日本かるた協会(03・3943・3100)に加盟している愛好団体が複数あります。札を払った時の爽快(そうかい)感は、やみつきになるそうですよ。<回答・後藤直義(大津支局)>



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1月23日(土)のつぶやき

2010-01-24 00:31:26 | 花/美しいもの
08:02 from web
イスラエル政府の報道規制に抗議します/『沈黙を破る─元イスラエル軍将兵が語る“占領”』(土井敏邦) http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/1866a7a4cb6680ba21a3a9a74d449705
08:03 from web
【連載】奪われる子 国際離婚の陰で/ 『笑顔を取り戻した女たち』(パドウイメンズオフイス) http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/d471e0b97228c421502645878dab50c8
by midorinet002 on Twitter
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【連載】奪われる子 国際離婚の陰で/ 『笑顔を取り戻した女たち』(パドウイメンズオフイス)

2010-01-23 07:24:28 | ほん/新聞/ニュース
昨日から、来年度の選挙講座の打ち合わせと遊びを兼ねて
伊豆に来ています。

朝7時過ぎに出発して、東名高速をひたはしり、沼津インターで下りて三島で昼食。
伊豆高原を天城越えして、下田近くに到着したのは2時半。
昨年から来たいと思っていたのですが、やっぱり伊豆半島は大きくて遠いです。

伊豆下田蓮台寺温泉 老舗旅館 | 清流荘

温泉に入って、懸案の打ち合わせはだいたい済ませました。
後半は、南伊豆から西伊豆。
海に沈む「日本一の夕日と堂が島ランセンターが楽しみです。

 伊豆 堂ヶ島 天然温泉 | 堂ヶ島温泉ホテル | 公式サイト

インターネットがつながらないといけないので、
記事をいくつか予約投稿してきました。

まず、来る前に読んでいた本を紹介します。

『笑顔を取り戻した女たち―
マイノリティー女性たちのDV被害 在日外国人・・障害』

(東京自治研究センターDV研究会 編集/パドウイメンズオフイス/2007)

『笑顔を取り戻した女たち』は、改めてよみなおしたのですが
とってもよい本です。


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昨年から、国際結婚が破綻した場合、子の帰属の民事的解決のために結ばれた
「ハーグ条約」がらみの事件がありました。

この問題が表面化するきっかけが、たまたま「山県市」の女性だったことと、
親の離婚でほんろうされる女性や子どものことが他人事とは思えなかったので、
ずっと記事を集めていました。

1月10日から三日間、中日新聞に連載された
【連載】奪われる子 国際離婚の陰で、を紹介します。


奪われる子 国際離婚の陰で(上) 異なる親権制…ハーグ条約未加盟の壁 連れ帰ると誘拐犯 
東京新聞 2010年1月10日 朝刊

 二〇〇六年夏、米国東南部ノースカロライナ州の空港。見送りに来た十四歳の長女は別れる間際、「一緒に日本に帰る」と泣き叫びながら渡辺美穂さん(49)に駆け寄ろうとした。だが、米国人の元夫に腕ずくで阻まれた。それ以来、渡辺さんは長女に会えないままでいる。
 米兵だった元夫とは神奈川県座間市で知り合い、一九八九年に国際結婚した。元夫はすぐに渡辺さんに暴力を振るうようになった。結婚生活をやり直すため米国で暮らし始めたが、暴力はやまず、元夫は渡辺さんへの傷害容疑で逮捕された。渡辺さんと長女は避難施設に一時身を寄せ、九五年に日本に戻った。
 帰国後に離婚。しばらくして、元夫は長女との面会を求めるようになった。熱意に負けて〇五年夏、中学生になった長女に往復航空券を持たせ、米国に一人で送り出した。
 元夫は長女を空港で出迎え、そのまま消息を絶った。家を引っ越し、居場所すら分からなくなった。外務省を通じて捜索を頼んでも手掛かりすら得られなかった。
    ■
 「今、お父さんといるの」。長女から突然電話があったのは一年を過ぎたころ。長女は元夫と暮らし、地元の中学に通っていた。「お父さんから電話したらダメだって言われていたの」
 連れ戻すために大急ぎで渡米した渡辺さんは、元夫から驚くべきことを聞かされた。「娘を日本に連れて帰ると誘拐犯になるよ」
 渡辺さんは、離婚時には一方の親が親権を持つ単独親権制の日本で離婚届を出し、自分が親権者だと思っていた。だが、離婚後も双方に親権がある共同親権制の米国で、元夫は離婚手続きの時か、どこかの時点で自分だけを親権者と指定していた。
 国際結婚が破局した場合、子どもの争奪トラブルを防ぐためのルールとして「ハーグ条約」がある。米国は加盟しているが、日本はしておらず、加盟国同士で行われる離婚手続きの相互承認ができない。
 元夫に無断で長女とともに帰れば、米当局から誘拐犯として指名手配される身になる。そうなれば米国にも行けなくなる。「長女を米国に行かせたのが間違いだった」。渡辺さんは悔やみながら、一人で日本に戻るしかなかった。
    ■
 日本人の元妻が連れ帰った長男(8つ)に会いたくて来日し、「犯罪者」になったスペイン人の男性がいる。
 マドリード在住の会社員ホセ・カルチョさん(51)は昨年六月、埼玉県に住む元妻の家を訪ねた。面会はかなわず、思い余った末、向いの家の塀に「パパは来たよ。パパを忘れないで」と赤いペンキのスプレーで書いてしまった。
 器物損壊容疑で警察に逮捕され、罰金十二万円を払って釈放された。警察では「二度と日本には来ません」という念書への署名も迫られた。元妻が「彼を家に近づけないで」と届けていたからだ。
 スペインに戻り、昨年十一月に再来日したが、元妻の家の近くまで行くのが精いっぱいだった。「家の近くを歩いているだけでも、捕まるかも…。もう息子には会えないのか」。ホセさんの目が潤んだ。
    ◇
 国際結婚の破綻(はたん)と同時に、国境をまたいで始まる子の争奪。ハーグ条約に加盟する欧米各国から今、日本に加盟を求める声が高まっている。子と引き離された親たちの苦悩を通じ、条約加盟の是非を考える。 (この企画は佐藤直子が担当します)

 <ハーグ条約> 国際結婚が破綻した場合、子の帰属の民事的解決のために結ばれた条約。離婚した親の双方が共同で親権を持ち、子と同居しない場合は面会権がある。一方の親が面会権を確定させないまま居住国から子を母国に連れ帰った場合、子を連れ出された親が返還を申し立てると、相手方の国の政府は元の居住国に帰す協力義務を負う。欧米など約80カ国が加盟。主要8カ国のうち未加盟は日本とロシア。条約には離婚後も双方が共同養育するという考え方があり、単独親権となる日本は批准が難しい。国連子どもの権利委員会は日本に批准を勧告している。


新聞記事
奪われる子 国際離婚の陰で(中) 未加盟国の日中 はざまで 孤独な闘い10年 
東京新聞 2010年1月11日 朝刊 

 「今日はお父さんと一緒だよ」。中国人の元夫(54)が、小学校に向かう通学路から長女(8つ)と次女(7つ)を中国に連れ去ったのは一九九九年六月。離婚調停のさなかだった。東京・多摩地区に住む杉本菜七さん(43)の国境を隔てた孤独な闘いは、このときから始まった。
 上海出身の元夫との国際結婚は暴力が原因で十年で破局。九八年に杉本さんは長女と次女を連れて家を出た。母子の保護施設に身を寄せながら進めた離婚調停で、娘たちの親権を争った。だが、元夫は突然話し合いを放り出し、娘たちを待ち伏せて中国に連れ去った。査証の必要ない香港経由で中国に入国したという。
 娘たちを捜す杉本さんは気の遠くなる日々を過ごした。国際結婚が破綻(はたん)した親の一方が、不当に子を国外に連れ去らないよう相互の政府間で協力し合うハーグ条約には、日本も中国も加盟していない。警察に訴えても「連れて行ったのは父親なんでしょ」と取り合ってくれなかった。
    ■
 連れ去りから一年余り後の二〇〇〇年十月に離婚が成立。日本の裁判所で親権を得てからも、杉本さんは娘たちを救い出したい一心で駆けずり回るしかなかった。日本の外務省や中国政府、国会議員らに支援を求めた。
 しかし、元夫の実家がある上海市の日本領事館からも「何もできない」との回答が戻ってくるだけ。「親権者は私。なぜ娘を取り戻せないの」。杉本さんは中国語を学び、中国に渡って自力で娘たちを捜そうとしたが、それも徒労に終わった。〇四年になり、警視庁がようやく国外移送誘拐容疑で元夫を指名手配したが、捕まる見込みはなかった。
 転機が訪れたのは昨年一月。日本国籍のまま中国で暮らしてきた娘たちが「旅券の更新には親権者の署名が必要」と十年ぶりに帰国した。本来なら五年前の更新時に再会できていたはずが、日本領事館のミスでチャンスを逃していた。それだけに杉本さんの喜びは大きかった。逮捕を恐れた元夫は同行しなかったため十八歳と十七歳に育った娘二人と水入らずの時を過ごせた。
 ただ、最初は娘たちの表情は硬かった。「お母さんは精神の病気だと聞かされていた。でも違うね」。三カ月の滞在で、心を開くようになった長女が教えてくれた。
    ■
 学業を残してきた娘たちはいったん中国に戻った。二カ月後、長女だけが自力で日本に逃げ帰ってきた。父親の虐待に耐えきれなかったのだ。同年九月、長女を連れ戻そうと、羽田空港に現れた元夫はそのまま逮捕された。
 昨年暮れ、東京地裁立川支部の法廷で、杉本さんは被告となった元夫と対峙(たいじ)した。判決は懲役二年、執行猶予三年。犯行当時は離婚が成立しておらず、元夫がまだ親権者だったことや、中国にいる次女が元夫との同居を望んだことなどが考慮された。元夫は判決後すぐに釈放された。暴力で傷つけられ、娘を奪われたのに、納得のいく結果ではなかった。
 国境を越えて子を奪われる悲劇。身をもって体験した杉本さんはハーグ条約への加盟を日本政府に求めてきた。「もし日本も中国も条約に加盟していたら、私たち親子にも違った十年があったはず」。同じ悲劇を誰にも繰り返してほしくないと、そう強く願う。

 <増える子の奪取事件> ハーグ条約未加盟の日本では、子を連れ戻そうとした外国人の親によるトラブルが増加。欧米各国の要請を受け、外務省は昨年12月、条約加盟の是非を検討するため「子の親権問題担当室」を新設した。同室によると、外国政府が伝えてきた子の奪取事件は昨年10月時点で▽米国73件▽英国33件▽カナダ36件-など。米国関係では福岡県で昨年9月、米国人元夫が2人の子を連れ戻そうとして、未成年者略取容疑で県警に逮捕される事件があった。


新聞記事
奪われる子 国際離婚の陰で(下) 片方のみ親権 悲劇続く日本 
2010年1月13日 中日新聞

「私の子」なぜ会えぬ 親権共同化 遅れる日本
 その朝、千葉県印西市の中西アイ子さん(58)の長男(32)は、なかなか起きてこなかった。「そろそろ…」。声をかけるために長男の部屋に様子を見に行った中西さんが見たのは、長男の自死した姿だった。
 両親らにあてた数通の遺書があった。三歳になる一人息子の写真の裏にはペンで走り書きがされていた。「お母さんの言うことを聞いて立派な大人になってほしい」
 大学の研究者だった長男は、妻の浮気の発覚をきっかけに離婚を決意。命を絶った二〇〇七年七月のその二カ月前から別居を始めていた。だが、一人息子の引き取りをめぐって争いとなり、妻は息子と会わせようとしなかった。
 「子は母親が引き取るのが常識の日本では、父親が親権を得るのは難しい」。離婚の際に子と引き離された親たちのグループの情報を調べながら、長男は親権を求めて思い悩んでいた。
 「親権は法廷で争えばよかった。命を絶つことはなかったのに…」。息子に慰めのつもりで「再婚すれば、また子どもを持てる」と話したことを中西さんは今も悔やむ。
    ■
 離婚後、一方の親だけが親権者となる単独親権制の日本では、親権を取れなかったもう一方の親が養育にかかわれなくなるケースが後を絶たない。
 親子のきずなは保ち続けたいと、離婚後も定期的に子と会う「面会交流」を求める親が増えている。だが、制度として確立されておらず、回数や程度はあくまで夫婦間の話し合いや、司法判断に委ねられている。
 東京都国立市の植野史(ふみ)さん(50)は十一年前、夫の暴力が原因で離婚した。家庭裁判所の調停員は「経済力のある方がふさわしい」と、夫の方を四歳の息子の親権者とした。
 以来、息子と会えなくなった。昨年秋、高校生になった息子の修学旅行先が分かり、成長した姿を一目見ようと旅行先に向かった。ひと目で息子が分かり、気づかれないように携帯電話のカメラに姿を収めた。
 「私を再び受け入れてくれるかな」。その後、息子との面会を求める調停を家裁に申し立てた。
    ■
 東京で暮らす米国人の大学教員スティーブ・クリスティさん(53)も、日本人の元妻との間にもうけた長男に自由に会えないでいる。四年前、夫婦仲が悪化。元妻は当時小学五年生だった長男を連れて姿を消した。
 元妻が「暴力夫」と警察に偽りの届けもしていたため、長男の消息は三年間もつかめなかった。やっと居所を知った今も親権者の元妻の意向で長男にはなかなか会わせてもらえない。「私の子どもでもあるのに不条理だ」と憤る。
 米国では離婚後も双方の親が子育てにかかわるのが常識。だが、日本は違った。「米国で離婚していれば、親としての権利を持てたのに」とクリスティさんは残念がる。
 親がたとえ離婚しても父母ともに子どもの養育にかかわれる仕組みを日本でも探れないのだろうか。子どもにとって父は父、母は母に変わりはないのだから。
(この企画は佐藤直子が担当しました)
-------------------------- 
<欧米の家族観と国内法整備> 共同親権が主流の欧米では、離婚後も双方の親と子の関係や接触は維持されるべきだと考えられている。ハーグ条約は一方の親による子の連れ去りを、他方の親が子に接触する正当な権利を奪うのみならず子が親との関係を維持する権利を阻む行為とみなす。同条約加盟には親権の共同化、一緒に暮らせない親子の面会交流権の保障、日本人配偶者が海外で家庭内暴力(DV)被害を受けて子連れで逃げ帰った場合への対処など国内法の整備が必要とされている。



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イスラエル政府の報道規制に抗議します/『沈黙を破る─元イスラエル軍将兵が語る“占領”』(土井敏邦)

2010-01-22 06:00:00 | ほん/新聞/ニュース
わたしが参加しているMlから、
土井敏邦さんの「イスラエル政府の報道規制に抗議します」というメールが届いた。

昨年6月、京都シネマで映画「沈黙を破る」を観て、
土井さんとイスラエル軍の元兵士の話しを聴いた。

映画「沈黙を破る」土井敏邦監督―元イスラエル軍将兵が語る“占領”(2009.6.3)

その後、『沈黙を破る─元イスラエル軍将兵が語る“占領”─』の本も読んだ。



土井さんの呼びかけと、それにいたる経過は、
土井敏邦ホームページに詳しいけれど、
以下に全文を紹介させていただきます。


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 イスラエル政府の報道規制に抗議します
2009年12月27日 記(2010年1月15日 掲載)

2009年12月27日は昨年のガザ攻撃開始から1年目に当たります。

この日に合わせて、私は、イスラエル政府の報道規制に対し、公に抗議する決心をしました。それは一般的な報道規制に対する訴えではなく、私個人への規制が契機となり決意した抗議です。

昨年夏より、私は2度にわたってイスラエル政府によって、プレスカード発行を拒否されました。これによって私はガザ地区での取材の道を絶たれました。

しかし、この問題は私個人の問題に終わらず、パレスチナを取材するジャーナリスト全体に関わる問題だと考えています。

以下は、イスラエル政府に対する私の抗議文です。

 →英語版/English

イスラエル政府の報道規制に抗議します
ジャーナリスト・土井敏邦

約1400人の犠牲者、5000人を超える負傷者を出したガザ攻撃から1年が過ぎました。

1985年以来、ジャーナリストとしてパレスチナ・イスラエルの現場を取材してきた私にとっても、これほどまでの破壊と殺戮を目の当たりにしたのは初めての体験でした。

私は、ガザ攻撃の「終結」直後から3週間にわたって現場を取材し、その結果を、NHKのTV番組や岩波ブックレット、また世界報道写真展での映像展示、さらに数々の報告会、集会で伝えてきました。

その一方、2009年春にドキュメンタリー映画『沈黙を破る』を公開し、イスラエル国防軍(IDF)の元将兵たちによる占領地における加害の証言を伝えました。

それから数カ月後の2009年8月下旬、私はその後のガザ地区の実態を取材するため、いつもの通りエルサレムにあるイスラエル政府のプレス・オフィスでプレスカードを申請しました。これがなければ、イスラエルに占領・封鎖されているガザ地区に入れません。しかし当局は、私へのプレスカードの発行を拒否しました。パレスチナ取材を始めて以来、20数年間で初めてことです。理由は「提出されたアサイメント・レター(推薦・委任状)はドキュメンタリー制作会社からのもので、報道機関からではない。ドキュメンタリー制作にはプレスカードを発行しない」というものでした。しかし過去2回、同じドキュメンタリー制作会社「シグロ」のアサイメント・レターでプレスカードは発行されていたのです。ただこの時点で、過去2回の時と違っていたのは、「シグロ」が制作した私のドキュメンタリー映画『沈黙を破る』が劇場公開された直後だったことです。

それから3カ月後の11月、私はガザ攻撃から1年目の実態を取材しようと、再びプレスカードを申請しました。今度は、ある報道機関からのアサイメント・レターによる申請でしたが、また拒否されたのです。理由は告げられませんでした。

その直後、イスラエルの『イスラエル・ナショナル・ニューズ』(2009年11月30日版)が、プレス・オフィスのダニー・シモン代表にインタビューをし、次のように伝えていることを知りました。

「イスラエルは、事実を伝えない反ユダヤ主義のジャーナリストは認めないと語った。シモン氏は、意図的に虚偽を伝え、ハマスの犯罪を隠蔽するための“イチジクの葉”の役割を果たしているジャーナリストたちがいると強調した」

つまり私がプレス・オフィスから「事実を伝えない反ユダヤ主義のジャーナリスト」の1人とみなされたことが、プレスカードの発行拒否の大きな要因の1つと思われます。

しかし私はジャーナリストとして、自分で現場を取材して確認した事実をできうる限り正確に伝えてきました。断じて「意図的に虚偽を伝え」たことはありません。また「ハマスなどパレスチナ側の犯罪を隠蔽する」報道をしたこともなく、むしろ自治政府の腐敗、ハマスの強権支配の実態など、パレスチナ側の負の部分もきちんと伝えてきました。一方、ドキュメンタリー映画4部作『届かぬ声─パレスチナ・占領と生きる人びと』では、自爆テロで負傷または犠牲となったイスラエル市民の家族の現実と心情や、また“占領”がイスラエル社会の“倫理・道徳観”を崩壊させるという危機感を抱き、“占領”に反対し闘うイスラエル人たちの姿も伝えてきました。

今回のガザ攻撃に関する私の報道も、それが決して偏向したものではないことは、その後のアムネスティー・インターナショナルや国連調査団の報告からも明らかです。その報告はイスラエル軍の攻撃は「深刻な国際法違反」と告発しています。

このように、「パレスチナ側のプロパガンダ」のための報道ではなく、「パレスチナ問題の真の解決のために伝えなければならない事実」を、私は真摯に報道してきました。イスラエルのこのような武力攻撃や“占領”は単にパレスチナ人を苦しめるだけではなく、イスラエル国民の“倫理・道徳観”を崩壊させ、長期的にはイスラエル国民が求める真の安全と平和の可能性を自ら破壊することになると考えるからです。そういう私が「事実を伝えない反ユダヤ主義のジャーナリスト」という烙印を押されることを断じて受け入れることはできません。

プレスカードが取得できないということは、今後、私は取材のためにガザ地区に入れないということを意味します。

学生時代、イスラエルの「キブツ」(農業共同体)に滞在していたときに友人に誘われ、私が初めてガザの難民キャンプを訪れたのは32年前のことです。そこで住民から投げかけられた「君が滞在するキブツは誰の土地だったか知っているのか」という問いが、私の“パレスチナ問題”との出会いでした。

その後、ジャーナリストとしてパレスチナ・イスラエルの取材を開始した1985年以来、私は数えきれないほどガザ地区に通い、取材を続けてきました。第1次インティファーダ(民衆蜂起)以前、インティファーダの真っただ中、湾岸戦争下、オスロ合意の直後、自治政府の登場、アラファト政権下の腐敗、第2次インティファーダ、ユダヤ人入植地の撤退、第2次レバノン戦争下、ハマスの強権統治の実態、封鎖の惨状、そしてガザ攻撃……。私は、激しく揺れ動くそのガザの情勢の中に身を置き、占領の下で生きる人びとの生活と声を記録し、伝え続けてきました。ある意味では、私はジャーナリストとして、また人間として、“ガザ”に育てられたといえます。

そのガザの“現場”と20数年間に築き上げてきた“現地の人びととの絆”を、私は今、イスラエル政府によるプレスカード発行拒否によって奪われようとしています。その絶望感は舌筆しがたいものがあります。

ガザ地区の住民たちは長年、“封鎖”という“占領”のなかで、治療や勉学、仕事のためにガザの外に出ることもできず、海外で暮らす家族との再会も果たせない状況が続いています。もちろん、そんな住民の現実の深刻さやその苦悩に比べることはできませんが、私自身もガザ地区から断ち切られるようとする今、その“痛み”のほんの一端ですが、身を持って知った思いがします。

長年にわたって中東問題を伝えてきた、ある親しいジャーナリストは、私にこう書いてくれました。

「イスラエルの介入で取材の場を奪われたジャーナリストとして、つまり、自分をパレスチナ問題の当事者として、その不当性を訴えつつ活動するというあり方もあるのではないでしょうか。私は、土井さんの問題は、『ガザの現状が伝えられなくなる』という問題以上に、重要な問題だと思います。まさに、占領そのものの問題なのですから」

私がプレスカード発行を拒否され取材の場を奪われることは、私自身が“パレスチナ問題の当事者”となることであり、この現実と闘うことは、まさに私自身がジャーナリストとして“イスラエルの占領と闘う”ことを意味するという現実を、私はその言葉に突き付けられ、教えられた思いがします。

しかし、これは私だけの問題ではありません。今後、私のようにパレスチナ側に起こった被害やイスラエル側の実態を報道するジャーナリストは、「事実を伝えない反ユダヤ主義のジャーナリスト」という烙印を押されてプレスカードの発行を拒否され、報道規制を受ける可能性が十分あります。これは明らかに、イスラエルの“占領”に起因する不当な報道規制です。これを看過すれば、今後、パレスチナ側の実態を伝えることが難しくなります。

私は、パレスチナの現場を取材し続けるジャーナリストであり続けるために、イスラエルのこの報道規制に対して記者会見、シンポジウムや集会、署名活動などを通して抗議し、正当な報道の自由を尊重するようにイスラエル政府に求めていくつもりです。

どうか、みなさんのお力を貸してください。

2009年12月27日
(ガザ攻撃開始から1周年の日に)


『沈黙を破る─元イスラエル軍将兵が語る“占領”─』
(2008年5月9日 岩波書店)

本書は、元イスラエル軍将兵たちが占領地の自らの体験と内面の葛藤、イスラエル社会への影響を語るインタビュー集を中心にし、イスラエル側から見た“占領”の実態を描き、さらに旧日本軍将兵たちとの共通点と相違点を模索したものです。

私にとって、本書の完成は2つの大きな意味があります。

1つは、この23年間、私が取材し伝え続けてきた“被害者”パレスチナ人側の視点からの“占領”に、“加害者”側の証言が加わることで、“占領”の実態がより立体的・重層的になり、かつ実証的に見えてきたこと。

もう1つは、「なぜ日本人の自分が、遠いパレスチナ・イスラエルの問題を追い続けるのか」という、長年私の中にずっとつかえていた問いに、本書によって初めて具体的な答えの一部を提示できたことです。

私のライフワークとなった“パレスチナ”と、学生時代からのもう1つのテーマだった“日本の加害歴史”との接点の一端を、本書によってやっと見出すことができたという思いです。

元イスラエル軍将兵の証言を通し“侵略・占領する側”の実像を見つめることで、その“鏡”に、かつて侵略者で占領者であった日本の過去と現在の“自画像”を映し出し、私たち日本人自身のあり方を見つめなおすことを促すような本にしたいと願い、書き上げました。

なお現在、制作中のパレスチナ記録映像シリーズ全4作品『届かぬ声─占領と生きる人びと─』(仮題)の第4部『沈黙を破る─元イスラエル軍将兵が語る占領─』(仮題)の後半は、本書の内容を映像化したものです。

企画を思い立ってから4年、取材と執筆に足掛け3年を要しました。ジャーナリストとして“パレスチナ”と関わって23年になる私の模索の一到達点といえるかもしれません。

ぜひお読みいただき、率直なご批評をいただければ幸いです。

2008年5月9日 土井敏邦

関連ページ:拙著『沈黙を破る』を出版に寄せて・「あとがき」から

沈黙を破る─元イスラエル軍将兵が語る“占領”─
序章「沈黙を破る」とは
──なぜイスラエル将兵の証言を日本に伝えるのか
占領の日常
──「沈黙を破る」証言集より
なぜ「沈黙を破る」のか
──メンバーの元将兵と家族らへのインタビュー
旧日本軍将兵とイスラエル軍将兵
──精神科医・野田正彰氏の分析から

映画『沈黙を破る』情報
(2010.1.15更新)


【上映情報】
東京・板橋区文化会館大ホール
2010年1月31日(日)12:30
東京・ポレポレ東中野
2010年2月6日(土)-2月26日(金)10:05
石川・シネモンド
2010年2月13日(土)-2月26日(金)
公式サイト:上映情報



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久留米「大砲ラーメン」VS「一刻堂」ラーメン/オマケの自然薯焼き

2010-01-21 12:45:32 | おいしいもの/食について
お正月の主役、といえば、「お餅」「お雑煮」ですが、
わたしはお餅を食べるとかゆくなるので、
ここ数年は、お雑煮の汁だけで我慢しています。

おかげで、年末年始のご馳走を食べても、体重がさほど増えずに助かっています。

秋にとれる新そばがおいしいので年末までは蕎麦を食べることが多いのですが、
年を越したら、なぜか、ラーメンを食べることが増えました。

昨日も、母の入院しているハートセンターのすぐ南にある、
「一刻堂」に寄りました。博多ラーメンのチェーン店です。
ここのお店は3回目。割引券がもらえるのでつい足が向いてしまうのです。
県庁に近いからか、人気店なのか、お昼時は込んでいます。

「一刻堂」・メニュー

ランチメニューがお値打ちですが、わたしたちはいつも単品。
ともちゃんは「みそねぎラーメン」、わたしは「一刻しょうゆラーメン」を注文。

お好きなラーメン、150円引き。
ふたりなので、半額券がある、ギョーザとからあげも追加。

最後に、女性だけのサービスで、「マンゴープリン」がついてきました。

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「一刻堂」ラーメンの前々日には、
久留米「大砲ラーメン」を食べました。

いただきものですが、とってもおいしそうなので、さっそくネットで調べました(笑)。

取寄:久留米「大砲ラーメン」をご家庭に!

箱から出すと、親切に食べ方が書いてあリます。

  

ともちゃんは「大砲ラーメン」、わたしは昔ラーメン。
水戸赤ねぎ2本を千切りにして準備。
  
薬味には、しょうがとゴマもついています。

「こわめ」が好きなともちゃんの麺の茹で時間は30秒、
ねぎたっぷり乗せ「大砲ラーメン」です。
 

わたしは、麺60秒茹でねぎ少な目の昔ラーメン。   
  

  久留米「大砲ラーメン」VS「一刻堂」ラーメン
どっちも豚骨系で、おいしいかったです。

オマケ:
ご飯も何もないときは、自然薯をすりおろして
ねぎやキャベツなどの野菜をたっぷり入れて、自然薯焼きを作ります。
  
自然薯100パーセントにしてもよし、小麦粉を加えて、
お好み焼きにしてもよし。
素材がよいので、おいしいです。

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1月20日(水)のつぶやき

2010-01-21 00:51:17 | 花/美しいもの
17:52 from web
●〈文化政策はどこへ〉まだ見えぬ「人」重視~「新たな公共」への胎動/事業仕分け結果 目立つ「一部復活」 http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/40d3caa7b7f96d90b3f83b726ccd2fc8
by midorinet002 on Twitter
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〈文化政策はどこへ〉まだ見えぬ「人」重視~「新たな公共」への胎動/事業仕分け結果 目立つ「一部復活」

2010-01-20 17:30:44 | 市民運動/市民自治/政治
今日20日は二十四節気の「大寒(だいかん)」。

「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」と、
1年で最も寒いころとされていますが、ぽかぽかとした陽気でした。

今年初の裁判のあと、ハートセンターに行ったら、母が着替えて散歩に行くところでした。
医師から「近くならひとりで散歩に行ってもよい」と言われたそうですが、
もう少し遅かったら、行き違いになるところでした。

ちょうど姉も来たので、3人でそのまま散歩に出かけました。
その間、ここ数日早朝起きだったともちゃんは車の中でお昼寝。

山田電機のなかをブラブラ歩き、サイゼリアでコーヒーゼリーを食べてきました。
母は、少し歩くと息が荒くなって、座って休む状態。
ひとりで散歩に出ても大丈夫のようには見えませんが、
日にち薬で、このまま徐々によくなるのでしょうか。

ちょっと顔を出して帰るつもりが、結局2時間ほど滞在して帰ってきて、
昼前にアップする予定だった記事の続きを書いています。

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昨年12月には、「事業仕分け」で、鳩山政権の政策が注目されましたが、
年があけて、関連のまとまった新聞記事も出るようになりました。

ちょっと気になる、朝日と毎日の特集記事を紹介します。

〈文化政策はどこへ・上〉まだ見えぬ「人」重視 
2010年1月12日 朝日新聞

 民主党が政権について初の新年度(2010年度)予算案を巡る論戦が、18日からの通常国会で始まる。「コンクリートから人へ」を掲げるだけに、「人」を育てる文化への姿勢が注目されるが、独自色はまだよくみえない。新政権下で、この国の文化政策はどうなるのだろうか。
 昨年12月25日夜、新年度当初予算案の閣議決定後の会見で、川端達夫文部科学相は、文化庁予算案の編成方針をこう語ってみせた。「ハードからソフト・アンド・ヒューマンということを目標に、そちらへの支援に重点を置くことになりました」

■存在感薄い文化予算
 今回、文化庁の予算は前年度0.5%増、過去最高の約1020億円。しかし、文科省関係の文教予算の約4兆2千億円、科学技術予算の約1兆円と比べればケタが一つ違う。ただ、厳しい財政の中で新規事業の予算もつけた。
 一つは、住民や舞台芸術関係者らの劇場・音楽ホールでの活動を支援する創造発信事業(16億円)。同様の趣旨で日本芸能実演家団体協議会などが制定を求めている「劇場法」を先取りする試みだ。
 さらに地域のNPOや自治体などの伝統文化の継承や活性化への取り組みを支援する事業(16億円)。総選挙で民主党が「国営マンガ喫茶」と批判したメディア芸術総合センター建設を中止した代わりに、大学や研究機関などを結び、メディア芸術の「情報拠点」とする事業などのメディア芸術振興に前年度比8億円増の15億円を付けた。
 富山大学の伊藤裕夫教授(文化政策)はこうみる。「ここ数年の予算と比べ大きな変化はない。殊更改めて『ハードからソフト、ヒューマンへ』とは思えない。準備不足だったのだろうが、もう1年たたないと民主党の文化政策は分からない」
 自民党は政権にあった時代、幾度か「文化」を政策に取り上げている。
 例えば、大平正芳首相は1979年、所信表明で「経済中心の時代から文化重視の時代に至った」と語り、文化の私的諮問機関も設けた。90年、海部俊樹首相時代は官民出資の芸術文化振興基金を設立。2001年、小泉純一郎首相の時、超党派で文化芸術振興基本法も制定した。連立を組んだ公明党も文化政策に熱心だった。
 一方、鳩山由紀夫首相は昨年の所信表明で、文化について踏み込んで発言しなかった。民主党のマニフェストにも、文化政策への言及はない。党の政策集に「地域住民主導型の芸術文化政策」などを掲げただけだ。

■育成指針、長い目必要
 もっとも、予算の内訳をみると、新しい文化政策を打ち出しにくいことも分かる。国宝をはじめ文化財を保護・修理する目的などの文化財保護予算が、全体の約6割を占める。施設整備運営費を除くと純粋に芸術文化の振興に割ける予算は2割程度だ。さらに人材面でも、文化庁の芸術文化の企画を担う芸術文化課長や文化部長、文化庁次長などは文科省から2年前後交代で異動してくるため、専門のキャリア官僚が育ちにくい。
 そんな中で、新しい文化政策の動きもでてきそうだ。国の文化や芸術のあり方などを審議する文化審議会は、文化芸術振興策について検討してきた。川端文科相は、07年に決定した国の文化芸術の振興に関する「第2次基本方針」を期間途中で見直すなどして、新たに文化政策のグランドデザインの審議を文化審議会に諮問するとみられる。
 跡見学園女子大学の曽田修司教授(芸術経営学)は、審議会は、福祉や教育、観光なども含めた広い意味の文化政策の検討をすべきだという。「市場原理で成り立たないところをどう担保するかが文化政策。子ども手当や公立高校の授業料無償化の『人への投資』という理念も生かし、省庁の縦割りを超えた話し合いをしてほしい」
 新政権が大切にする「人」を育て、文化の「ソフト」事業を進める上で、指針づくりは重要だ。実を結ぶのに時間がかかる文化だけに、長期的な視野の政策が求められる。(大室一也)


〈文化政策はどこへ・下〉「新たな公共」への胎動
2010年1月13日 朝日新聞

 「仕分けで、みなさん、ある意味、目が覚めていただいた。やっと議論のプロセスが始まった」
 今月9日、東京で開かれた日本文化政策学会の公開シンポジウムで、鈴木寛文部科学副大臣は昨年11月の事業仕分けを振り返り、こう語った。
 仕分けは文化の分野でも、各施策・事業に「国の事業として行わない」「縮減」と厳しかった。文化人や芸術関連の団体は反発。狂言師の野村萬さんらが次々と文科省を訪問。ピアニストの中村紘子さんは「もうちょっと予算を増やしていただけたらと心からお願いしたい」と求めた。
 新年度の文化庁予算案は前年度0.5%増だったが、仕分け対象の各事業は整理・減額された。「学校への芸術家派遣」(概算要求額3億円)は廃止して、別の事業に統合。「芸術家の国際交流」(同32億円)は、要求額から5億円削られた。日本芸術文化振興会関係(同116億円)は、優れた芸術活動への重点的支援などの予算がカット、要求額より12億円減った。
 仕分けや予算の議論の中で改めて浮かんだのは、東京と地方の格差だ。公立の文化施設は全国に約2200。民間も含め、多くは運営が苦しい。国や公益法人などの助成、企業の協賛金に頼るのが実情だ。地方分権の流れで推進された拠点形成事業で、公共性の強い事業を引き受けてきたホールの多くは、運営方針の転換を余儀なくされる。
 芸術団体などからは「寄付控除を含む新たなシステムの検討を」との希望は強い。米国のメトロポリタン歌劇場の場合は民営だが、寄付金控除の制度に支えられている。新国立劇場の運営委託問題は、仕分けで天下りが問題にされたが、独立行政法人全体を見直す中で議論されそうだ。
 昨年12月、東京で芸術関係者が「事業仕分けに関する助成金フォーラム」を開いた。芸術・文化がなぜ生活に必要かなどが議論された。その中で「活動を周りにも知ってもらうべく力を注ぐべきだ」「内側から飛び出すロジック(論理)を期待している」との声も出た。社会に向け、積極的に説明責任を果たすべきだという切実さが伝わってきた。
 鳩山由紀夫首相は昨年の所信表明で、社会のきずなを再生させる「新しい公共」を育てるため、市民やNPOの活動を側面支援すると語った。企業メセナ協議会(福原義春会長)も昨年末、首相に文化でも「新たな公共」を実現するべきだと提言している。
 ニッセイ基礎研究所の吉本光宏・芸術文化プロジェクト室長は「NPOや公益法人など、役所の代替組織が民の中に出てきている。官民協働の新しい枠組みをつくっていくべきだ」と話す。
 文化芸術関係者の間では、文化庁を予算と権限を増やして文化省にするべきだ、との声は根強い。官民が一緒になり、文化を「新たな公共」として育てる議論を盛り上げる時だ。(大室一也、吉田純子)


 <世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>
エコナビ2010:10年度・事業仕分け結果 目立つ「一部復活」

毎日新聞 2010年1月13日

 ◇「横串」効果も限定的
 政府の行政刷新会議が12日発表した事業仕分けの10年度予算への反映結果では、「廃止」や「予算計上見送り」と評価された事業でも、一定程度の予算が計上されたケースが多かったことが判明した。仕分け対象外の事業に仕分け結果を反映させる「横串(よこぐし)」による削減も限定的で、10年度予算の削減額は、9692億円にとどまった。政府は今後、さまざまな制度改革などに踏み込んで、抜本的な予算の見直しを進める方針だ。
 仕分けの反映結果によると、「廃止」と判定された事業の10年度予算の概算要求額は計約1400億円。しかし実際には、このうち400億円程度が10年度予算に計上された。公共事業などで途中まで整備が進んでいるものは完成するまで事業を継続させるほか、混乱を避けるために段階的に事業を廃止するものがあるためだ。
 例えば、地域の産学官連携の取り組みなどを支援する「地域科学技術の振興」(要求額130億円)は、現在継続中の事業を13年度までに段階的に終了させていくことにしたため、10年度は120億円の予算を計上し、削減額は10億円程度にとどまった。家庭向けの高効率給湯器の普及促進事業(90億円)は、「消費者の混乱を避ける」として、10年度は上期分の60億円を計上した。
 「10年度の予算計上見送り」とされた事業も要求額計約1300億円に対し、約500億円が計上された。例えば、住宅用太陽光発電の導入補助金は「議論・精査して必要であれば(要求を)出し直し」との注釈がつけられ、結果的に約400億円の要求額がほぼ認められている。同様に、事業を一部見直すなどして半分近くが「復活」することになった。
 これらの結果、10年度予算で概算要求額から削減できたのは計9692億円。このうち、6000億円程度が仕分け結果を直接反映させたもので、残る4000億円が仕分け対象以外の事業に「横串」を通すことなどによる削減額とされる。だが、4000億円の中には民主党の要望に基づく公共事業の削減も含まれており、「横串」によって仕分け効果を大幅に膨らませることはできなかった。
 今回の仕分けで、財務省は削減しやすい事業を対象としてリストアップ。「社会保障関連などで手をつけられない事業も多く、対象以外で削減が可能な事業はそれほど残っていなかった」(財務省幹部)という。【平地修】

 ◇制度改正が不可欠
 民主党は昨年の衆院選の政権公約で無駄の削減によって9・1兆円の財源を捻出(ねんしゅつ)するとしていたが、10年度予算の歳出削減額は概算要求時の削減分も含めて約2・3兆円にとどまった。菅直人副総理は12日の会見で、「制度問題、組織問題を含めた見直しを徹底する。今の段階で、(財源確保が)無理だとあきらめるつもりは全くない」と述べ、さらに無駄削減を進める必要性を強調した。政府は支出根拠が不明朗と批判される独立行政法人や特別会計などの事業について今年4月にも「仕分け第2弾」を実施する方針だ。
 10年度予算の編成作業は民主党政権の発足から約3カ月半と時間的な制約があったとはいえ、政府内では「無駄な事業の削減はすでに限界」との声が漏れる。実際に兆円規模の財源をひねり出すには、医療・介護などの社会保障関係費や地方交付税交付金などの見直し・抑制が不可欠との見方が根強い。
 12日の刷新会議でも「これから切り込みを考えるのであれば、地方交付税交付金や医療など制度問題を詳細に検討すべきだ」との意見も出た。しかし、こうした予算に切り込むには地方自治体や関係業界の反発があり、今後の予算の大幅削減は難航しそうだ。【谷川貴史】


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1月19日(火)のつぶやき

2010-01-20 00:53:22 | 花/美しいもの
10:26 from web
●自治法改正「議会の住民参加」「議員定数上限撤廃」/名古屋市議会、費用弁償廃止へ/あなたのまちは? http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/d90d4d629c0eaebb8fb83a6a4d1504ce
10:26 from web
●この人・この3冊 姜尚中(カンサンジュン)上野千鶴子・選/高齢者が街へ出るには~上野千鶴子 http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/c70eff59ff29e5140d31153840bc06d3
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この人・この3冊 姜尚中(カンサンジュン)上野千鶴子・選/高齢者が街へ出るには~上野千鶴子

2010-01-19 09:25:48 | ジェンダー/上野千鶴子
日曜日の朝は、朝刊5紙の読書欄にまず目を通しますす。

おもしろそうな本の書評は切り抜いて、岐阜に行った時に買うことにしてるのですが、
岐阜の本屋においてないこともよくあります。

地方都市近郊は、自然豊かで住むにはよいのだけど、
探しても本がないときは、都会に住んでいる人がうらやましい(笑)。

今週の毎日新聞の「この人・この3冊」は、
上野千鶴子さん推薦の、姜尚中さんの本3冊。
この3冊は、比較的手に入りやすい本で、わたしも持っています。
「代表作」と書かれている『オリエンタリズムの彼方へ』は読んだのだけど、
ずいぶん前のことなので、何が書いてあったのか忘れてしまいました。

甘いマスクと低音の声が魅力?の、姜さんの本はいまや大人気。
『悩む力』は、岐阜の書店でも長いこと平積みになっていました。

 この人・この3冊
 姜尚中(カンサンジュン) 上野千鶴子選


①オリエンタリズムの彼方へ--近代文化批判(姜尚中著/岩波現代文庫/1155円)
②ナショナリズムの克服(姜尚中・森巣博著/集英社新書/735円)
③悩む力(姜尚中著/集英社新書/714円)

 いまもっとも有名な東大教授、「東大のヨンさま」こと、姜尚中さん。生え抜きでもなく、国籍もないマイノリティの学者を「売り」にする天下の東大のマーケティング戦略に、他大学も見習った方がよい。コロンビア大学の英文学部が、バレスチナの学者、サイードによって活性化したのと似ている。
 『オリエンタリズムの彼方へ』ははずせない。ウエーバー研究から出発した彼が、サイードの「オリエンタリズム」という武器を得て、西洋オリエンタリズムの模倣者であった日本オリエンタリズムを、その被害者としてのアジアの視点から批判した、代表作というべき作品だ。在日の姜さんが朝鮮半島の不幸は、日本という「二流の帝国主義」国に支配されたことにあるという指摘は、日本人の胸を刺し貫く。
 『ナショナリズムの克服』は、学者に「チュウサン階級」(中学3年生)にわかることばで説明を迫った森巣博さんとの対談。わたしは帯に「治ってしまえばあれはビョーキだったとわかる、爽快なナショナリズム論」という推薦文を書いたが、姜さんに「でもね、いちどはかかわってみたいビョーキなんですよ」と言われて納得した。聞き手を得るとこんなにわかりやすくなるのか、というコラボのお手本。
 もう一冊は、姜さんの著書の中で85万部という最大の部数を記録したベストセラー、『悩む力』。啓蒙的な読書案内のかたちをとりながら、読者が自然と近代以降の知識人の悩みを追体験するという教養書になっている。ときどき漏れ聞こえる姜さん自身の生い立ちや経験、人生観などがかくし味になっていて、姜さまファンにはこたえられないだろう。
 とはいえ、政治学者としての「姜理論」というものを、まだ見せてもらっていない、とおもうのはわたしだけだろうか。名画の解説や紅白に出てる場合じゃないですって。
(2010.1.17 毎日新聞)


上野千鶴子さんが選んだのは、文庫と新書の3冊。

新書版の新刊は、『リーダーは半歩前を歩け──金大中というヒント』(集英社新書/2009)

姜さんのハードカバーでは『在日』が読み応えがあり、
わたしの好きな本。

『在日』(講談社/2004,集英社文庫/2008)

やさしい本では、岩波ブックレットの、
『暮らしから考える政治―女性・戦争・食』(岩波書店/2002年)があります。

 姜流ホームページ

姜尚中さんと上野さんの「関係」については、わたしも前にブログで紹介しました。

『悩む力』/姜尚中氏が語る「悩む喜び」の極意/「その人、独身? 60本の赤い薔薇」

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後半は、上野千鶴子さんの記事の紹介です。

信濃毎日新聞の「月曜評論」の記事が、
WANに掲載されたので、上野さんの許可を得て転載させていただきます。

WANトップページには、13日のトーク『男(の子)に生きる道はあるか』の録画版も配信中。

トップページでは、録画のすぐ下の「視点・論点」が上野さんの記事です。

高齢者が街へ出るには  上野千鶴子

 いま日本でいちばん注目を集めている大規模デイサービスセンター、山口県の「夢のみずうみ村」をたずねた。カジノがあることで有名な施設で、NHKで紹介されたこともあるから、ご存じの方も多いだろう。山口市と防府市の2カ所にあって、第1号の山口市内の施設は登録利用者数350名、定員100名とたしかに大きい。「夢」と車体に大書された10台近いマイクロバスが、片道1時間の距離を走り回って広域の利用者の送迎にあたっている。
 カジノがあるという理由で、税務署の立ち入り検査が入った、と担当者が笑い話をしてくれた。ばくちと言っても掛け金は、「ユーメ」という単位の、施設内だけで通用するローカルマネーである。使い果たせば稼ぐこともできる。たとえばリハビリで廊下を歩けば何ユーメ、というように。わたしが訪問したときには、利用者の男女が花札やトランプに興じて、笑い声が絶えなかった。
 利用者は朝、自分の名札のあるところに、リハビリ、プール、パソコン、パン教室、陶芸などの選択肢のなかから好きなオプションを選んで自分のメニューを決める。杖(つえ)をついてやってきた麻痺(まひ)の人も、杖を玄関で置くことを求められる。手すりの代わりにつかまり立ちのできる雑多な家具類が置いてある広大な建物を、移動するだけでもじゅうぶんなリハビリになる。この施設では利用者の自立心、自由と自主性、ゲーム性のあるあそび心などを刺激するしかけがいっばいだ。実際利用者の声を聞くと、「ここは自由でいい」という答えが返ってくる。
 利用者の多くは、前期高齢者、それも脳血管障害などで後遺障害の残った要介護度の低い人たちで、要介護2までで90%を占めている。おもしろいのはこの施設の利用者の男性比率が約6割に近いこと。要介護高齢者の男女比が3対7と女性が圧倒的であることを考えれば、この施設の「男性度」はきわだって高い。ここはたしかに「男性向け」にできている。「自由」というのは集団で何かをすることを強いられず、放っておいてもらえるからだ。他人と交わることが苦手でも、見守りはある。
 この施設を見るにつけ、次のような疑問が頭をもたげる。「夢のみずうみ村」は、一見したところヘルスセンターとカルチャーセンターとを合体したような施設だ。違うのは高齢者専用であることと、ケアスタッフがいること。それなら….。なぜ既存の施設、すでに公共施設や商業施設として整備されたヘルスセンターやカルチャーセンター、それに碁会所や雀荘、巷(ちまた)の料理教室や趣味のサークルへ、この人たちは出かけることができないのだろうか。そうすればそこには高齢者だけでなく、多様な年齢や属性の人たちとの出会いがあるだろう。どんな施設にでも、バリアフリー対応と見守りのケアスタッフ、それに送迎サービスがつきさえすれば、この人たちはもっと街中へ出て行くことができるはずだ。
 「要介護認定」を受けたからこそ、介護保険を利用してこういうサービスを利用することができるにはちがいないが、「夢のみずうみ村」で生き生きと過ごす高齢者を見るにつけ、この施設が「要介護高齢者専用」であることのふしぎさを逆に強く感じる。介護保険が高齢者の「社会参加」を理念にすれば、至るところが「夢のみずうみ村」になるはずなのだ。
初出:「月曜評論」信濃毎日新聞、2010年1月4日付け


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