みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

親子断絶防止法の案 親子関係維持のみでは子どもは生活できない(赤石千衣子)/親子断絶防止法案の問題点(千田有紀)

2016-11-09 20:30:32 | ジェンダー/上野千鶴子
米大統領選は「共和党ドナルド・トランプ氏が勝利」の報道を見て、
アメリカよお前もか、と気が重くなりました。

世界が民主主義から遠のく方向へすすんでいるとしか思えません。

米大統領選についてはすぐに取り上げる気にならないので、
きょうは日本の法案がテーマです。

超党派の国会議員でつくる「親子断絶防止議員連盟」で検討されている
「親子断絶防止法案の案」(離婚後の父母との継続的な関係維持促進法)。
制定を推進する団体がある一方で、問題点を指摘する意見もあります。

この法案について、わたしも危惧する立場の一人です。

友人の千田有紀さんと赤石千衣子さんが、この法案の問題について、
分かりやすく整理してまとめて見えますので、紹介します。

  親子断絶防止法の案 親子関係維持のみでは子どもは生活できない
赤石千衣子 | しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長 
2016年11月4日  yahoonews

わたしは、9月30日朝日新聞で、『「親子断絶」防ぐ法案に懸念』という記事を書いた。

この欄としてはかなり注目をいただいた。
この記事では文字数の関係もあり、なかなか伝えきれなかったことを、何回かにわたってお伝えしたいと思う。

親子関係の維持をするのはいいことだ、と素朴に思っている方は多いと思う。
わたしも、子どもと親の交流は基本的にはよいことだと思っている。
しかし、法律をつくるとなると、いろいろな事情がある親子すべてに適用されるのだから、だれにとっても納得のいく、権利を侵害しない法律でなければならないのだ。
いま準備されている法案の案はとても、そうはなっていないのである。
「親子断絶防止法案の案」の理念がまず不適切

いわゆる「親子断絶防止法法律案の案」(離婚後の父母との継続的な関係維持促進法)は、「父母の離婚等の後も子が父母と親子としての継続的な関係を持つことが原則として子の最善の利益に資するものであるという基本理念に基づいて、父母がその実現に責任を有するという法律の建てつけがある。
平和に面会交流ができれば、それはのぞましい。
だがそもそも、この親子関係の維持という理念のみによって、子どもの最善の利益が実現できるのだろうか。
わたしは自身ひとり親家庭で男の子を育ててきてその後シングルマザーと子どもたちの支援活動を行っているところから、ひとり親家庭の生活の困難を間近に感じてきた。
ひとり親家庭の相対的貧困率は54.6%である。相対的貧困とは、所得の中央値の半分以下で生活していることである。
この数字は先進国で、最も最悪の数字である。
なぜなのか。それは世界経済フォーラムが10月末に発表した、ジェンダーギャップ指数の日本の順位とも深く関わる。日本は男女の格差が145か国中111と大きく、特に経済的な格差と政治的な格差が激しい国である。

【ジュネーブ=原克彦】世界各国の男女平等の度合いを指数化した世界経済フォーラム(WEF)の2016年版「ジェンダー・ギャップ指数」で、日本の順位は調査対象144カ国のうち111位だった。前年より10下がり、過去最低の水準になった。
出典:日経新聞


こうした男女格差のもとシングルマザーも就労収入が少なく、経済的に困窮している人が半分以上となるわけである。

近年、こどもの貧困対策にも、政府はだいぶ力を入れてきている。児童扶養手当など経済支援についても充実した。しかしまだまだ不十分でやるべきことはたくさんある。
しかし、こうした流れに、この法律の案は全くコミットしていないようなのである。
こうした、離婚後の子どもの経済も含めた生活のことに関与しないで最善の利益は実現できるのだろうか。

子どもの貧困対策法ができて、ひとり親家庭の苦境にもやっと光が当たってきた。
残念ながら、親子関係の維持よりも、まず、明日食べていかなければならない、生活を維持していかなければならないひとり親家庭がいかに多いか。
毎日、私たちの団体の電話相談には、食べていけない、派遣の仕事が契約切れで更新されないがどうすればいいか、子どもが小さくて十分に働けないが養育費も低額にしか決まりそうもないので生活保護しかないのか、といった相談がある。
面会交流をすることを調停などで迫られても、まずは、住まいを安定させ、子どもの保育園や学校を確保し、仕事を見つけなければならない母子がいかに多いか。日々が必死なのである。
まず生活が安定しなければ、親子の関係を維持するための、面会するだけの時間、精神的余裕など生まれない。
その視点がすっぽり抜けていて、親子関係を維持すれば子どもは幸せになる、という脳天気な法律を作ろうとしていることに、心底驚いてしまったのだった。
脳天気というより、子どものことを考えている、考えている、と言いながら、本当には子どもたちの状況を見ていない法律なのではないだろうかという疑念がわいてくる。

もしも、離婚後(この点も不十分なのであとで触れるが)の子どもの最善の利益を追求するのであれば、まずは、そうした子どもたちの苦境も含めた、総合的な法律、これは先日インタビューさせていただいた、早稲田大学の棚村政行先生(民法)も話してくれたが、総合的な生活支援、面会交流も含めた養育支援(ということばが適切かなあとも思うが)を内容として、最善の利益を追求しなければならないのではないだろうか。

そうすれば、子どもの貧困対策ともしっかりリンクしていくのである。

なぜ離婚後等の子どもだけなのか。婚外子は排除するのか

法律の対象についても、議論があるだろう。
ここには、親と離れて暮らす子どもたちと父母すべてではなく、離婚後親と離れている子どものみを対象としている。
しかし、婚外で出生する子どももいる。
ふたおやと暮らしていない子どももいる。
親がわからない子どももいる。
それこそ、子どもの権利条約を活かして、すべての子どもたちを包括的に対象とすべきではないか。
ここでも、婚外子を排除してしまうことで、法律が脆弱となってしまう。
平成23年の全国母子世帯等調査によると、母子世帯のうち、離婚が80%、未婚の出産による母子が7.8%、死別が7.5%と婚外の出産による子どもは増えている。

この7.8%は、この法律の埒外でよいのだろうか。
婚外子は父親が認知をすれば父子関係は成立する。養育の義務もある。
この子どもたちの中にも、お父さんと会いたいという子どもと母親もいるが実現できていない子もいるし、個々のさまざまな事情がある。
また婚外で生まれたこどものいる母子家庭は、平均年収が格段に低く160万円である。
また、厳しい状況ではあるが、そのほかの事情で親と暮らしていない子どもたちも、たとえば社会的養護の子どもたちのことは、この法律では考えなくてよいのだろうか。
なぜ離婚だけを(別居中は含めたい意向で「等」が入っているようだが)これも法律としての大きな欠陥と思える。
養育費についての取り立て確保が条文にない欠陥

またせっかく子どもの貧困議員連盟でも目標と掲げている、養育費確保について、は「書面による取り決めを行うよう努めなければならない」(6条)で触れられているだけで確保の方策については全く言及していないということも驚いた。

全国母子世帯等調査によると、養育費の取得率は2割以下である。

養育費は4割が取り決めているが、支払い確保方策がひとり親家庭が利用しやすいようにはなされないため、多くのひとり親家庭は泣き寝入りしているのだ。

残念ながら、しんぐるまざあず・ふぉーらむの調査でも、5年後には、取り決めしても半数は払われないようになってしまっている。
元夫が職場を変えてしまえば、どこの会社の給料を差し押さえていいかわからない。元夫の銀行口座がわからないので、何もできない、など訴えをよく聞く。泣き寝入りしている母子は多い。

この状況をどう打開するのかは、子どもの貧困問題解決のためには、(全てではない)が一つの大きな柱であるはずである。

親子関係が維持できれば子どもは食べていけるのか、幸せになれるのか。
親子関係維持だけではなく、子どもの生活、養育全体を支援する法律を作り、国がその義務を負う、という建てつけでなければならないのではないか。
実際のところ、養育費の取り立て確保をしてくのにはたくさんの課題を解決していくことが必要だ。

11月から法制審議会が、養育費の不払いの場合の、義務者の銀行口座の情報を金融機関に開示させるような制度の検討に入るという。
金田勝年法相は12日、法務省で開かれた法制審議会(法相の諮問機関)総会で、裁判で確定した養育費や損害賠償金の未払いを防ぐため、金融機関に口座照会への回答を義務付ける民事執行法の改正を諮問した。来年にも答申を得た上で、2018年の通常国会への改正案提出を目指す。
出典:時事通信


しかし、そもそも養育費の額が低額である問題、取り決め率が低い問題、罰則規定の問題など、制度をつくっていくにはそれなりの手間と時間がかかる。
そのことにもまったく触れないこの法案は拙速すぎるといえないか。

いや、もっと大きな欠陥がある。
誰に義務を負わせるのか。

国ではなく同居親の義務を強調している法案の案
いわゆる「親子断絶防止法案の案」は、子どもの権利条約(児童の権利条約)の理念を援用しているように見える。
しかし、実は見えるだけなのである。
子どもの権利条約は、子どもを権利主体と考え、大人とは別の人格としての権利主体と考え、権利保障していこうという条約である。日本も1994年に批准した。
条約を読んでいただければ、わかるが、子どもの権利条約は、締約国に子どもの権利を守らせるための方策をするよう求めている条約である。

第2条
1. 締約国は、その管轄の下にある児童に対し、児童又はその父母若しくは法定保護者の人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、種族的若しくは社会的出身、財産、心身障害、出生又は他の地位にかかわらず、いかなる差別もなしにこの条約に定める権利を尊重し、及び確保する。
2. 締約国は、児童がその父母、法定保護者又は家族の構成員の地位、活動、表明した意見又は信念によるあらゆる形態の差別又は処罰から保護されることを確保するためのすべての適当な措置をとる。
出典:ユニセフ


ところが、このいわゆる「親子断絶防止法案の案」は、子どもの権利条約の親子関係の維持についての部分(留保事項は無視)のみ引用し、条約の精神、国の義務をであるところをも知らないふりをし、子どもと同居している親だけに、面会交流義務を負わせている。

第9条
1. 締約国は、児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する。ただし、権限のある当局が司法の審査に従うことを条件として適用のある法律及び手続に従いその分離が児童の最善の利益のために必要であると決定する場合は、この限りでない。このような決定は、父母が児童を虐待し若しくは放置する場合又は父母が別居しており児童の居住地を決定しなければならない場合のような特定の場合において必要となることがある。
出典:ユニセフ


これでは非同居親が同居親に面会の義務を負わせたいがために、子どもの権利条約の都合のよいところだけひっぱってきて、子どもの権利条約の精神については無視しているということになる。
子どもの権利条約を援用するのであれば、親と離れて暮らしている子どもたちの生活、権利、親との面会そのほか総合的な支援について、国が義務を負う、そういう法律をつくるべきではないのだろうか。

'''子どもの意見表明権も無視のご都合主義'''
さらに、子どもの意見表明権は、子どもの権利条約の中心的な概念であるが、このいわゆる親子断絶防止法ではそれも、意図的に、無視し法案の案には盛り込まれていない。
子どもの意見表明権を入れなかったのは、なぜなのだろう。
結局、子どもの意見表明をさせることを恐れているのではないか、と思えてくるのである。 
以上のように、一見、離婚後の親子関係を維持するという、良い法律の案に見えるが、法律の目的、理念だけ見ても致命的な欠陥があり過ぎる。
このままこの法律を通して、そのほかの条約や法律との整合性をどう担保するのだろうか。
法案の案のたてつけからみて、モラハラ法案

これでは、離婚後子どもと暮らせない親が、子どもの権利条約の一部を強引に引用して、子どもと暮らす親と子どもに、法律という強制力を使って、無理やり、離婚後の関係の維持を迫る、いわば法律によるモラハラのように見えてくるのである。 


応援クリック人気ブログランキングへ してね  

千田有紀 
武蔵大学社会学部教授(社会学)
1968年生まれ。東京大学文学部社会学科卒業。東京外国語大学外国語学部准教授、コロンビア大学の客員研究員などを経て、 武蔵大学社会学部教授。専門は現代社会学。家族、ジェンダー、セクシュアリティ、格差、サブカルチャーなど対象は多岐にわたる。著作は『日本型近代家族―どこから来てどこへ行くのか』、『女性学/男性学』、共著に『ジェンダー論をつかむ』など多数。
 

親子断絶防止法案の問題点―夫婦の破たんは何を意味するのか 千田有紀 (2016年10月8日 yahoonews)

離婚した親に求められる覚悟―親子断絶防止法の問題点(2)千田有紀 (2016年10月20日 yahoonews)

誰もがTOKIOの山口達也さんにはなれないー親子断絶防止法案の問題点(3)千田有紀 (2016年10月28日 yahoonews)

裁判所の現状と虚偽DVや片親疎外論ー親子断絶防止法案の問題点(4)千田有紀 (2016年11月6日 yahoonews)

親に会いたくない子を更生施設に入れるアメリカ、離婚に何年もかかるヨーロッパ千田有紀 (2016年11月8日 yahoonews)
 


 面会交流等における子どもの安心安全を考える全国ネットワーク
「親子断絶防止法案」が親子断絶防止議員連盟において検討されています。
このサイトは、現時点で議連で検討されている「法案」に問題があると考える「面会交流等における子どもの安心安全を考える全国ネットワーク」が運営しています。
 


この法案の問題点はあまり知られていないので、
多くの人に知ってほしいと思っています。

話しは変わりますが、
近くに鮮魚と野菜の安売りスーパーができたので、
ときどき新鮮でお値打ちな魚がないか、見に行くようになりました。

ブリと大根を買ったので、
ブリ大根とお揚げと大根葉の炒め煮をつくりました。
  




冷凍しておいた目黒大豆煮も解凍して一品できたので、
安くて、おいしくてヘルシーな夕食ができあがりました(笑)。

最後まで読んでくださってありがとう
クリック してね
 

 記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
  



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11月8日(火)のつぶやき

2016-11-09 04:40:11 | 花/美しいもの
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なばなの里。今年のメーンイルミネーションは「大地」。スケール大きいですよ。

2016-11-08 21:03:36 | 花/美しいもの
先週、なばなの里の「イルミネーション」を見てきました。

入り口を少し入ると、幻想的なブルーのLDE。

期待が高まります。
  



光のトンネルを通り抜け、
いよいよイルミネーションの会場へ。


2016年のメーンイルミネーション。
今年のテーマは「大地」です。
世界各地の美しい景色を再現したものだそうです。

ーンイルミネーション、ご覧ください。
























オーロラ




<応援クリック人気ブログランキングへ してね 

さいごに、色が変わる「秋」を表現した光のトンネルを通り抜けます。


  




温泉もたんのうして、ホテルナガシマで一泊して、
翌日は、隣接する遊園地で子どもたちと遊びました。




最後まで読んでくださってありがとう
クリック してね
 

 記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
  



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11月7日(月)のつぶやき

2016-11-08 01:07:46 | 花/美しいもの
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

<なくそう長時間労働>時短術駆使、営業だって(稲熊美樹)/厚労省 電通を強制捜査 複数社員に違法な長時間労働か

2016-11-07 21:53:00 | ほん/新聞/ニュース
きょう11月7日は二十四節気の「立冬(りっとう)」。
暦の上では「冬の始まり」です。

けさの最低気温は4・4度でした。
キンリョウヘンの耐寒温度は5℃と言われているのですが、
霜が降りない(凍らない)程度の寒さにはあてたほうがよいので、
パオパオ(不織布)を夜だけかけて、また外に出してあります。

とはいえ、
週間天気予報によると数日後にはもっと寒くなるということなので、
簡易ハウスを陽当たりの良い場所に移動して、
片づけてあったシートをかけました。

風で飛ばないようにブロックで重し。

密閉性のよい簡易の温室の完成、になるはずですが、
なんと、入り口の上が劣化していて、穴が開いています。

きょうは他の仕事が入っているので、
明日、透明テーでふさぐことにしましょう。

ということで、きょうは蜜柑の皮だけ干しています。
  



そろそろ蜜柑類の防寒もしないといけないので、
「日南の姫」を全部収穫しました。

いままでに2,30個はとったので、
ぜんぶで100個くらいはありそうです。



とりたてでも十分に甘いのですが、
2週間ほど置いておくと、酸味が抜けて極甘になるそうです。

応援クリック人気ブログランキングへ してね 

話しは変わりますが、
洗濯物を干しながらNHK「あさいち」を見ていたら、
「電通を強制捜査」の速報が流れました。

過労自殺した女性社員の問題を知った時から、
これは氷山の一角ではないか、と思っていたので「やっぱり」という思いがします。

洗濯を干し終わってから新聞を読み始めたら、
中日新聞生活面、稲熊美樹さんの「<なくそう長時間労働>時短術駆使、営業だって」の記事が出ていました。

「電通を強制捜査」のニュースと合わせて紹介させていただきます。

  厚労省 電通を強制捜査 複数社員に違法な長時間労働か 
11月7日 NHKニュース

新入社員だった女性が過労のため自殺した大手広告会社の電通が、複数の社員に対して違法な長時間労働をさせていた疑いが強まったとして、厚生労働省は、7日午前、労働基準法違反の疑いで電通の捜索に入り、強制捜査に乗り出しました。

東京・港区にある電通の本社には、7日午前9時20分すぎ、東京労働局の過重労働撲滅特別対策班などの労働基準監督官およそ30人が捜索に入りました。また、大阪の関西支社や、京都支社、それに名古屋の中部支社の3つの支社にも捜索が入りました。
厚生労働省によりますと、電通は、本社や関西支社など3つの支社の複数の社員に対し、労働組合と取り決めた協定の上限を超えた違法な長時間の残業をさせていたとして、労働基準法違反の疑いが持たれています。
厚生労働省は、電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が去年12月、過労のため自殺し、労災が認められたことを受けて先月から電通を調査してきました。この調査で、本社ビルのゲートを通る際などに記録される出退勤の時間を基に勤務の実態を調べたところ、複数の社員の残業時間が労働組合との協定の上限を大きく上回っていた疑いが強まったということです。
このため厚生労働省は、強制捜査に乗り出したもので、勤務記録などの資料を押収して、労務管理の実態を詳しく調べることにしています。
今後の捜査では、違法な長時間労働が組織全体で広く行われていなかったが焦点となり、違反があれば刑事事件として書類送検する方針です。


電通は「捜索が入ったことは事実です。調査には全面的に協力してまいります」とコメントしています。また、電通は7日、働き方についての今後の取り組みなどをすべての社員に説明することを予定していて、予定どおり午後1時から石井直社長が社員を集めてメッセージを出すということです。

一連の問題の経緯は

電通の働き方をめぐる一連の問題、最初に明らかになったのは新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が去年自殺し、ことし9月に過労が原因の労災と認められたことでした。
先月7日、母親の幸美さんが記者会見し、「労災認定されても娘は戻ってきません。娘が生きているうちに会社はどうして対策をしてくれなかったのか」と訴えました。
高橋さんの過労自殺を受けて先月14日、東京労働局の過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」などが電通の立ち入り調査に乗り出します。さらに電通の主な子会社にも調査が入りました。電通では3年前に当時30歳で亡くなった男性社員もことしに入り過労による労災が認められていたことが分かりました。また、おととしには大阪の関西支社が、去年は東京の本社が社員に違法な長時間の残業をさせていたとして、それぞれ是正勧告を受けていたことも明らかになりました。
電通では一連の問題を受けて先月24日から深夜勤務を原則、禁止することにして、本社や支社のビルを夜10時に一斉に消灯しています。また、組合と取り決めた残業時間の上限も今月から月5時間減らし、職場の環境を改善するとして社長や執行役員8人で作る「電通労働環境改革本部」を発足させていました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 


  <なくそう長時間労働> 時短術駆使、営業だって
2016年11月7日 中日新聞

 仕事は減らないし従業員は増えないから、残業を減らせるはずはない-。そんな思い込みが、自分たちを長時間労働に追い込んでいないだろうか。仕事中の無駄な時間を減らし、移動時間を事務処理などにうまく活用するなどして、労働時間を短縮させた営業職場もある。

 東京都中央区の人材派遣業大手リクルートスタッフィングが、労働時間の短縮に取り組み始めたのは二〇一三年度。

 事前に社員の労働時間と営業成績の関係を分析したところ、長時間労働の社員が必ずしも良い業績を上げているわけではなく、家庭と両立している女性社員のように、労働時間が短くても業績の良い社員がいたことが分かったことがきっかけ。限られた時間内で最大の成果を出す働き方を目指す「スマートワーク(スマワク)」として全社的に始めた。

 具体的な方法は主に▽営業が仕事を抱え込まないように職務ごとの役割分担を明確にし、アシスタントに任せやすくした▽会議のリストラ▽一日のスケジュールを毎朝、グループ内の全員にメールで報告▽移動時間の活用▽深夜残業となる午後十時以降も会社に残っている人が多かったため年間労働時間に上限を設定し、評価と連動させた-に分けられる。

 スマワク推進室の小野寺淑恵(よしえ)さんによると、会議は大人数になると無駄が多くなる。このため、必要に応じて分割し、参加人数を減らした。会議室にはストップウオッチを置き、発言を制限時間内に終えるようにした。

 個々人のスケジュール公開は、同じ仕事を短時間でこなしている人のやり方を参考にしてもらうのが狙い。無駄な時間の使い方をしている部下を、上司が指導する。

 公共交通機関を使った移動の間に、顧客企業からの要望を本社に伝えたりして、以前は帰社後にやっていた業務を減らした。

 これらの方法で、一二年度の労働時間平均(一日)八・九時間が、一五年度には八・五時間に。年間にすると百時間の時短につながった。深夜労働時間は86%、休日労働は75%減少した。


◆夜は「子どもとご飯」の幸せ
 「仕事にすべての時間を使っても、体さえ壊さなければいい。時間という概念はありませんでした」

 同社営業マネジャーの春木将平さん(32)は、三年ほど前までの働き方をこう振り返る。

 スマワクを始めた時、春木さんは営業担当だった。同僚に比べて営業成績は良かったが、労働時間も長かった。顧客企業や派遣スタッフが連絡を取りたいと考えたときにいつでも連絡を取れることが、営業担当の価値だと思っていた。当初は、仕事がまだ残っているのに、時間が遅くなったので帰らなければならず、「つらかった」。

 開始から三年たって意識は変わった。派遣スタッフには、昼休みなどに面談の時間をつくってもらい、夜は極力避けた。最近は、遅くても午後八時ごろ、早いと午後六時半ごろに退社できる日もある。「子どもと一緒にご飯を食べられる幸せを感じています」
 (稲熊美樹)

◆国は労働時間制限を
 <仕事と生活の両立に関する国の有識者委員を歴任したワーク・ライフバランス(東京都港区)の小室淑恵社長の話> リクルートスタッフィングは、社長と社員に信頼関係があり、明確に労働時間の上限を設定したことがとても効果的だった。人口減に直面し、子育てや介護などと仕事を両立する人が増えている中で、企業は無尽蔵に働ける人だけをずっと採用し続けることはできない。企業努力も必要だが、国による労働時間の上限設定も必要だ。 


最後まで読んでくださってありがとう
クリック してね
 

 記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
  



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11月6日(日)のつぶやき

2016-11-07 01:07:48 | 花/美しいもの
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【悩みのるつぼ】Qケンカしたことがありません:A(上野千鶴子)ホンネトークの練習をしてみて/リクライニングベッド「ルーパームーブ」

2016-11-06 20:52:20 | ジェンダー/上野千鶴子
11月5日土曜日の朝日新聞beの
「悩みのるつぼ」の回答者は上野千鶴子さんの番。

「自分のキモチを大切に」、共感します。

  【悩みのるつぼ】ケンカしたことがありません
2016年11月5日 朝日新聞be

●相談者 女性 29歳
 29歳の女性です。
 私はこれまで人とケンカをしたことがありません。腹がたっても納得がいかなくても、自分の心の中で怒りを鎮めて終わります。周りからは穏やかな人だとよく言われますが、本心を見せていない自分のことを気持ち悪く感じている自分もいます。

 親や兄弟とも、これまでおつきあいした男性とも、真っ向からぶつかることをしてきませんでした。そのため仲直りの仕方もよくわかりません。

 しょっちゅう彼氏やダンナさんとケンカをしては、その度に仲直りを繰り返してケンカする前より愛を深めている友人たちを見て、うらやましいと思ったことも多々あります。

 ただ、30年近くこうして生きてきたので、いまさらケンカをしようものなら、周囲から「あの人はおかしくなった」と思われるのではないか、と恐れています。自分の問題点は、いつも周りからどう見られているかを気にしすぎてしまうことかもしれません。ケンカをしてこなかった理由も、すぐに怒る人と思われることへの恥ずかしさもあったと思います。

 この先もこれまでと同じようにケンカをせず(とはいえ、心の中では不満を抱えて)おとなしく生きるべきか、それとも感情をあらわにして生きるべきか。真剣に悩んでおり、アドバイスをちょうだいしたく投稿させていただきました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ○回答者 社会学者・上野千鶴子
 ホンネトークの練習をしてみて


 そうですか、30年間、ケンカをせず、怒りを収めて周囲から「穏やかな人」と思われて過ごしてきたんですか。女性の平均寿命はおよそ90歳。あと残りの60年間を同じように過ごせたら、あなたは周囲から「聖人君子」と思われることでしょう、合掌。

 そうはとうていできそうもない、と思われたから、ご相談くださったんですね。怒りや不平不満は、ため込んだら、カラダにも美容にも悪いです。周囲だってそれに気がついていないとは限りません。もしかしたら、あなたは周囲から「穏やかな人」ではなく、何を考えているかわからない「えたいの知れない人」と思われているかもしれませんよ。自分がキモチ悪く思っていることは、他人もキモチ悪く感じているはず。本心を見せないあなたは、他人からも本心をぶつけられることがないでしょう。そして結局、誰からも信頼されることがないでしょう。それでもよければ、一生お友だちのいないおひとりさまで過ごすのもアリですが、そんな自信はありますか?

 何かがおかしい、と感じている今が転機です。「周囲が気になる」のは、プライドが高すぎるか、自信がない証拠。実は同じコインのウラオモテですけれど。自分を防衛しているんですね。守るほどの自分もないと思えば、「恥ずかしさ」は捨てられます。これまで関わってきた相手に「変身」したことを知られるのがイヤなら、サークルやグループで新しい人間関係を作って、そこで変身してはいかが? 恥をかいてもいい人間関係を作って、少しずつホンネトークを練習してみてください。何事もオン・ザ・ジョブ・トレーニング。30年使わなかった怒りのスキルは錆(さ)びついていますから、少しずつ学んでいきましょう。

 ちなみに「怒る人」と思われているわたしは、そのせいでソンをしたことが一度もありません。イヤな男は避けて通ってくれるし、セクハラに遭う確率も低いです。「穏やかな人」はつけこまれやすい人でもありますよ。

 今から感情表現のスキルを磨くには、失敗もあります。だからこそ失敗してもよい(いつでも避けられる)環境で練習しましょう。でも決して遅くありません。あなたはすでに怒りを抑える訓練はできているのですから、感情の解放と抑制、両方のコントロールができればいいだけ。自分のキモチを大切に、美容と健康によい人生を今後、送ってくださいますように。 


応援クリック人気ブログランキングへ してね 
本文中の写真をクリックすると拡大します。

ところで昨日の午後、
神戸の配送やさんからベッドが届きました。

先日、名古屋までフランスベッドのショールームに行って、
注文してきた「ルーパームーブ」です。

 ルーパームーブ(フランスベッド)
  
このマットレスは、2モーターリクライニング機構を内蔵したすぐれもので、
頭と足を高くすることができます。

30年ちかく使ったクイーンのベッドのマットレスが
少しへたってきたので、マットだけ買い替えるか、
シングルを二つ並べるか思案していて、見つけたベッドです。

わたしは逆流性食道炎があるので、リクライニングベッドが欲しかったですが、
ベッド自体が動くものは、介護用のような大げさなものか、
数十万もする高価なものが主流。
マットレスが信頼できるフランスベッドでも、
マット自体が動くのはこれだけ。
ベッドの上に置いても床に置いても使えます。

ベッドとして置く位置が決まってないので、
とりあえず、座卓の上に置いてもらいました。

ベットパットはついていない、まっ白なヌードの状態なので、
とりあえず、汚れないようにカバーをかけて、寝試し。
  
モーターの音も静かで動きもスムーズ、
頭と足は別々に動き、無段階なので好みの高さに調節できます。

昼寝用に使ってみたら、知らぬに眠ってしまいました(笑)。

スプリングの堅さも柔らかすぎずちょうどよく、
今つかっているベッドと似た感じで快適です。

最後まで読んでくださってありがとう
クリック してね
 

 記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
  




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11月5日(土)のつぶやき

2016-11-06 01:08:18 | 花/美しいもの
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

返済負担の重さ認識を ネット、ATMで銀行カードローン/夜明け前の空と雲

2016-11-05 20:57:39 | ほん/新聞/ニュース
長島温泉にイルミネーションを見に行って留守にしていて、
帰ってから二日分の新聞を読みました。

11月3日の中日新聞の生活面には、友人の白井康彦さんの記事、
「返済負担の重さ認識を ネット、ATMで銀行カードローン」が載っていました。

手軽に使える銀行のカードローンに警鐘を鳴らした、
多重債務問題に詳しい白井さんならではのよい記事。
銀行カードローン、要注意です。

  返済負担の重さ認識を ネット、ATMで銀行カードローン
2016年11月3日 中日新聞

 銀行のカードローンを利用する人が増えている。インターネットで契約できたり、コンビニの現金自動預払機(ATM)で返済できたりする手軽さが、その理由の一つ。しかし、多重債務の問題に詳しい法律家やファイナンシャルプランナー(FP)らは「借金地獄の入り口になりかねない。危険性をしっかり考えてほしい」と呼び掛けている。

 四国に住む非正規社員の四十代男性は今年七月、高松市の多重債務者支援団体「高松あすなろの会」に駆け込んだ。生活費に困り、年利12%以上で大手都銀や地方銀行から借り入れ、消費者金融からも借金。携帯電話の支払いも滞った。負債残高は計約三百六十万円に膨れ上がっていた。今は、あすなろの会の支援を受けながら破産申請を検討している。

 借金は、精神疾患の悪化に伴い、収入が激減したため。カードローンは大手都銀とは昨年十二月に、地方銀行とは今年二月に、インターネットで契約。コンビニATMを使った。「返済と追加借り入れを繰り返した。返済に行き詰まり、自殺が頭をよぎったこともあった。相談できて助かった」と振り返る。

 カードローンは契約の際に借金残高の限度額を決めて、専用カードをつくり、ATMで借り入れ、返済をするのが一般的だ。返済金利は顧客の返済状況などに応じて幅があり、年3~15%程度に設定している銀行が多い。

 十年ほど前までは、消費者金融会社からの借り入れに苦しむ人が多かった。だが、最近は銀行のカードローンの融資残高の総額が、消費者金融会社の融資残高の総額を上回っている=グラフ。消費者金融会社の高金利での過剰融資によって多重債務が社会問題化し、二〇〇六年に貸金業制度が抜本的に見直された。その後、消費者金融会社の経営破綻が相次ぎ、銀行のカードローンが目立つようになった。

 返済が困難なときの相談先としては、弁護士や司法書士、自治体の消費生活相談窓口などがある。解決策は、破産申し立てや借入先との交渉で返済条件を決める「任意整理」などが主な方法。名古屋市北区の司法書士、水谷英二さんは「銀行は消費者金融会社よりイメージはいいが、カードローンの仕組みは同じなので、返済不能に陥る危険性は同様。最近は銀行の過剰融資が目立つ」と強調する。

 カードローンは、追加借り入れもATMを使った簡単な操作で可能。キャッシュカードで預金を下ろす動作と変わらず、コンビニATMも使える。その分、「高い金利で借金している感覚」がまひしやすい。

 多重債務問題に詳しい東京のFP、中森順子さんは、債務者らに「いくら借りたら、いくら返さねばならないのか、よく考えてください」とアドバイスをする。返済負担の重さをしっかり認識してもらうためだ。例えば、銀行と年利12%で契約した場合、百万円の借金残高があって、毎月の決められた返済額が二万円なら、そのうちの一万円は利息で、元本の返済は月に一万円しかできない計算だ。

 中森さんは「危険性についての啓発が、社会全体として足りていない」と指摘する。
 (白井康彦)

 <カードローン> 利用限度額の範囲なら追加で何度でも借り入れでき、毎月の決まった返済日以外にも随時、返済できる。使途が限定されておらず、一般的には不動産担保も不要。銀行のほか、消費者金融や信販会社なども提供している。住宅ローンの場合、使途が住宅の購入などに限定され、不動産担保が必要で、追加借り入れもできない。カードローンはこれらがない一方、返済金利は高めに設定される。


応援クリック人気ブログランキングへ してね 

日の出の時間が遅くなってきて、
ウォーキングの時間を少しずつずらしているのですが、
まだ薄暗い日もあります。

そんな夜明け前の空の色は、得も言われぬ美しさ。

びみょうな色が画像では再現できていないのですが、

刻々と雲が色づいていく様を見ながら歩くのは楽しいです。
  
家に帰って来たら、十月桜にほんのり朝陽があたっていました。

こちらは、朝日に映える大文字草。
  

最後まで読んでくださってありがとう
クリック してね
 

 記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
  



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11月4日(金)のつぶやき

2016-11-05 01:06:51 | 花/美しいもの
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする