熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

国家の品格

2007-05-08 23:36:00 | Weblog
少し前に話題になっていました、藤原正彦さんの「国家の品格」という本を読みました。この本の内容については、賛否両論あります。私も本の内容全てに共感できるものではありませんが、いくつか共感できる点がありますので、その点についてお話します。

①「会社は株主のもの」という論理は、私には恐るべきものに思えます。会社は、言うまでもなくそこで働く従業員のもので、株主は多くの関係者の一つくらいの存在でしかない。
⇒この意見は、共感できます。会社の従業員の大半は、この意見に賛成でしょう。

②「卑怯を憎む心」をきちんと育てないといけないと思っています。法律のどこを見たって「卑怯なことはいけない」なんて書いてありません。だからこそ重要なのです。
⇒私が子供のときに、父親や先生から「卑怯なことはするな」「卑怯者になるな」ということを言われていたことを思い出します。小学校5年生頃のこと、実家の近くの神社で草野球をしていたときに、些細なことでケンカになりました。こちらは2名、相手は10名。多勢に無勢、負けを覚悟したとき、近所のおじさんが、通りかかり、「大勢で2人をやつけるなんて卑怯じゃないか正々堂々、1対1で闘え」と言い、私と相手の1名を無理やり闘わせました。闘いと言っても殴り合うのではなく、所謂相撲です。当時、私は体が大きいほうでしたので、相手を投げ飛ばし、馬乗りになり、体を押さえつけていたとき、そのおじさんが「武士の情けだ許してやれ」と言い、ケンカを収めました。当時、このような大人が子供のケンカのレフリーを務め、子供に「ケンカのし方」、「卑怯」について教えていたように思います。
この「卑怯なことはするな」「卑怯者になるな」は、私の行動規範になりました。法律に違反するか否かとは関係なく、卑怯なことはしないという行動をすることを規範としています。
このような規範をもって行動している人は多いと思いますが、先日、あるテレビ番組のゲストで出演していた自民党の若手議員が、自身の行動について質問されたときに、「それが法律に違反していますか」と開き直っていました。政治家は、一般庶民より重要情報に触れる機会も多く、高いモラル、規範が要求されます。しかし、法律に違反するか否かが行動規範では、まるで刑務所の塀の上を歩いているようなもので、一歩間違えば刑務所の塀の中に落ちてしまいます。このような政治家は、選挙で落とさなければいけません。いくら政治が身近になった方が良いといっても、モラル、規範が低くなるのは困りものです。「何とか還元水」の大臣にも困ったものです。高い規範を有する人が政治家、大臣になって欲しいものです。

③日本は、金銭至上主義を何とも思わない野卑な国々とは、一線を画す必要があります。国家の品格をひたすら守ることです。
⇒最近、金銭至上主義の人が増えてきたように思います。私が20代の頃、正しく生きる、自分の納得する仕事をする、ことをお金よりも大事に考えていた人が多くいました。この人達の前で、お金の話しをすると、「卑しい奴」と言われたことを思い出しました。「お金は、貧乏人が考えるほど卑しいものではないが、金持ちが考えるほど絶対的なものではない」ですね。何とかファンドの主催者が、「お金を儲けることがそんなに悪いことですか?」と言っていましたが、この人は、お金以外に自分を評価するものがないのでしょうか。寂しくなりますね。

コメント
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