熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

民法

2007-05-11 13:24:37 | Weblog
司法試験基礎講座の第1回目「民法総則1」を受講してきました。基礎講座は、憲法、民法、刑法、商法、刑事訴訟法、民事訴訟法の6科目を約1年間で勉強するもので、週2回のペースで講義が行われます。
この講義の順番は、通常の基礎講座では、憲法が最初で、以下民法、刑法、商法、刑事訴訟法、民事訴訟法の順ですが、私が受講している講座は、民法が最初で、次に憲法、以下は同様の順番です。なぜ、民法を最初に講義するのかは分かりませんが、おそらく、憲法は多分に観念的(あまり身近ではない)であるのに対して、民法は身近で分かりやすいことにあるのかもしれません。
それはともかくとして、第1回目は、序論(民法の意義、民法の原則等)を簡単に学習した後、民法の主体(私権の享有、能力)、特に、制限行為能力者制度について学びました。
制限行為能力者制度は、特許法でも7条、16条に規定されています。この条文は、短答試験で問われたことがある程度で、試験対策上それほど重要な条文ではありませんでした。したがって、私も受験生のときは、条文を暗記する程度で、その内容について深く考えることはしていませんでした。
基礎講座では、民法は趣旨が重要なので、条文が規定された理由を徹底的に理解するとの講師の方針から、かなり詳しく説明されていました。
すなわち、制限行為能力者制度は、行為当時意思無能力であったことの立証の困難を救済するため、また、自由競争社会における意思無能力者の保護を図るため、通常、意思能力のない者をあらかじめ定型化したものです。
制限行為能力者の内、被補助人を除くと、被保佐人、未成年者、成年被後見人の順に能力があると考えることができます。それは、①単独で法律行為が出来る範囲、②保護者の権限から説明できるとのことです。
成年被後見人は、原則単独で法律行為ができず、成年後見人には、代理権が認められていますが同意権はありません(同意権を認めても同意通りに行動することが期待できないからです)。
未成年者も原則単独で法律行為はできませんが、例外的に単独でできる範囲が、成年被後見人よりも広く認められています。法定代理人には、代理権、同意権ともに認められています。
被保佐人は、原則単独で法律行為をすることができ、例外的に重要な事項については、保佐人の同意が必要とされています。保佐人には、同意権が認められていますが、代理権はありません(単独で法律行為ができるので、代理権を認める必要はないからです)。
このような説明を聞くと、なぜ保護者によって、代理権、同意権の有無について相違があるのかが理解できます。
私にとって、まさに「目から鱗」です。
これからの講義で、「目から鱗」の体験が多くできることを期待しています。
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